2018年10月22~24日虎ノ門ヒルズで行われた第6回イノベーションリーダーズサミット(ILS2018)のメインイベント、大企業とスタートアップのマッチングプログラム「パワーマッチング」において、大企業から人気のスタートアップ「ILSTOP100」をご紹介します。

“着るロボット” で自立歩行をサポート!
超高齢化社会を救う「curara®(クララ)」

企業紹介

執筆者: 松元 順子 編集:菊池 徳行(ハイキックス)

軽量かつ快適な装着感を実現!
人の動きに合わせるロボティックウェア

事業や製品・サービスの紹介

photo1.jpgAssistMotion株式会社は、信州大学繊維学部の研究成果から生まれた大学発ベンチャーだ。高齢者や自立歩行が困難な人向けの動作支援ロボティックウェア「curara®」の開発を行っている。コンセプトは、“衣服感覚で手軽に着られるロボット”。本体側面のダイヤルを回すだけでベルトが締まり、1分程度で装着が可能だ。

最大の特徴は、「同調制御機能」。ロボットが装着者の動きに二人三脚のように合わせることができる。その合わせ度合いを調整しながら、装着者に正しい歩き方を伝達する仕組みだ。「curara®」を装着することで、歩行速度を20~30%増大させることが可能。もちろん階段を上ることもできる。

photo1.jpgまた、内蔵されたトルクセンサーで、わずかな関節の動きを検知する「相互作用トルク検出法」を導入。これにより、筋電電極を身体に貼ることなく、装着者の動きを感知できるというわけだ。さらに、軽量かつ着脱も容易な「非外骨格型構造」を採用。自宅での使用を想定し、衣服一体型のパンツモデルも開発している。

高齢者のQOLの向上に貢献!
神経難病のリハビリにも利用可能

対象市場と優位性

現在、65歳以上の国内高齢者人口は3500万人を突破し、総人口に占めるその割合は28%と“超高齢社会”へと突入している。それに伴い、パワーアシストスーツなどの自立支援機器市場が、この5、6年で20~30倍に急拡大するとの予測もある。近い将来、同社は、「curara®」を病院や介護施設への販売を本格的に開始する予定だ。1施設に数台販売すると仮定して、7000台から1万台を納品できると試算している。

「curara®」は、高齢者のみならず、脳卒中や神経難病患者のリハビリ訓練にも利用可能。「同調制御機能」により、脳卒中など麻痺のある患者の左右非対称な動きを正しい動きにできる可能性があると期待されている。

また、車椅子での外出は制限が多いのが実情だが、「curara®」を用いれば、行動範囲が広がり、高齢者のQOLの向上にもつながるとみられている。現在、神奈川伊勢原市の神社にて実証実験を実施中で、「curara®」を装着すると、階段を上ることができるだけでなく、心拍数が減少することも判明したという。

足が不自由な母の存在が起業のきっかけ。
家庭で日常的に使用できる機器を目指す!

事業にかける思い

photo3.jpg同社代表の橋本稔氏は、もともと大学教授として産業用ロボットの制御技術に関する研究を行っていた。そうしたなか、国内で唯一の繊維学部がある信州大学に着任したのを機に、“着るロボット”の可能性に着目、2008年から研究開発をスタートした。

起業の大きなきっかけとなったのは、母親の存在だった。90歳になる橋本氏の母は、足が不自由で車椅子の生活を送っている。もう一度、自分の足で歩きたい――。母のその思いを叶えるため、2017年1月に同社を設立。「一刻も早く「curara®」を普及させたい」と力を込める。

現行モデルは4号機目。現在、利便性と耐久性をより高めた「5号機」を開発するとともに、今年度中に2臆円の資金調達を目指している。2019年からは、モニター貸し出しを始め、2020年には福祉機器として製品化、量産化を図る構えだ。さらに、その数年後を目途に人工筋肉を用いたアシストウェアの事業化を目指す。

また、開発中の人工筋肉は、福祉医療用アシストウェアや自動車用アクチュエータ、リンパ浮腫用マッサージ器、マイクロポンプなど幅広い分野での展開が視野に入っている。「アイデア次第で応用の可能性は無限に広がると考えています」と橋本氏。将来的にはBtoBだけでなく、BtoCへの展開も計画している。

「今後はさらなる軽量化、低価格化を実現することで、病院や介護施設だけでなく、日常的に各家庭で使っていただける製品の開発を目指したい。一人でも多くの方に自分の足で歩く喜びを感じていただきたいと願っています」

AssistMotion株式会社
代表者:橋本 稔 氏 設立:2017年1月
URL:http://assistmotion.jp/ スタッフ数:3名
事業内容:
高齢者及び患者の動作支援・リハビリ訓練用ロボティックウェア「curara®」の製造、研究開発
これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名:
特になし
ILS2018 大手企業との商談数:
11社

当記事の内容は 2018/12/10時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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