海外出張の際に悩むホテル予約の課題を解決。エリアと予算で現地のプロが提案してくれるサービス 「BORDER(ボーダー)」

企業紹介

執筆者: ドリームゲート事務局

中間コストを省いて低価格化。現地のプロならではの提案力でホテル予約。開始2カ月、口コミだけで予約80件超の実績
展開している事業・特徴

20150609-1経済のグローバル化が急速に進むなか、我が国のベンチャー・中小企業も海外に出向く機会が増えている。シリコンバレーなどのアメリカ西海岸、あるいはオフショア先としてベトナムやタイ、インドなども多いだろうか。国土交通省の統計によれば、日本人海外旅行者数は2013年で1747万人。そのうちの4分の1、約400万人がビジネス目的で海外出張した人数だという。

しかし、海外出張で意外と難儀するのがホテルの予約だ。出張が決まるとまず飛行機を手配するが、その後の予定がギリギリまで確定しないこともあるため、いつ、どこのホテルを予約するのかが問題となる。

そんな悩みと煩わしい手続きを軽減してくれるのが、今回紹介するサービス・トラベルコンシェルジュ「BORDER(ボーダー)」である。運営するのは、2014年8月に設立されたばかりのボーダー株式会社というベンチャーだ。

サービス内容は至ってシンプル。出張エリアと予算を指定するだけで、現地のプロから24時間以内に、最適なホテルが最大で3つ届き、そのまま予約もできるというもの。

選定するのは現地の旅行会社で働いているプロ。日本の旅行代理店を介さない分、コストは割安となるのが同サービスのメリットの1つだ。

もう1つのメリットが、現地のプロならではの提案力。例えば大規模なビジネスイベントやカンファレンスがある時は、会場周辺のホテルは早々に満室になることも多く、料金も高騰しがち。

そうした場合にBORDERを使うと、例えば「車で20分ほど離れているけど金額的にはリーズナブルなホテル」というような提案をしてくれる。

東京で例えると、出張で「丸の内」に用事があるが、周囲のホテルがすべて満室な時、少し離れた川崎あたりホテルなら電車で一本、20分あれば丸の内に出られるので問題ないと感覚的にわかる。しかし、不慣れな海外だと土地勘がないので、そうしたホテルを探して予約するのは難しい。そこで、現地のプロの「目利き力」を活用して提案するというのが同社の狙いだ。

サイトのUIも直前の利用や急な出張に対応できるよう、スマホでの操作に最適化して設計。エリアと予算だけ入力すれば完了というシンプルさ。もちろん日本語で対応してくれる。

今後は、現地のレンタカーや飲食店、ガイドの手配といった“タビナカ”の需要にも対応していく予定だ。

2015年4月にローンチ後、ノンプロモーションながら、2カ月で会員登録380名、ホテル予約依頼数80件超という実績を上げている。例えば、実際に某有名ベンチャー企業がシリコンバレー出張で利用した場合で、1回10万~12万円程度。1泊2万円台×5日分の連泊予約が多いそうだ。同社の収益源は、提携している現地旅行会社からの利用料となっている。

対応エリアは2015年6月時点で、米国、シンガボール、ベトナム、韓国、台湾、香港、マカオ、タイ、マレーシア、インドの10地域、15社の現地旅行会社と提携している。

UCLAで触れたベンチャーマインドに触発されてMBA在学中に起業
ビジネスアイディア発想のきっかけ

20150610-1ボーダー株式会社を創業した細谷智規氏は、慶應義塾大学大学院理工学研究科修了後、株式会社日本総合研究所に入社。官公庁向けのコンサルタントとして、気象衛星打ち上げ・運用プロジェクトなど、技術系プロジェクトのマネジメントを担当していた。しかし、行政系のプロジェクトコンサルだけではビジネスの本質は身につかないと、同社を退職し、UCLA Andersonに留学し、MBA取得を目指した。

起業を意識したのは留学中のこと。MBAクラスは1学年360名で、そのうち120名ほどが起業コンペティションに参加したり、アントレプレナーシップ・クラブに所属するなど、起業するのは当たり前という環境。そこで細谷氏も、在学中に旅行プラン作成サービス「Laife, Inc.」というベンチャーを3名の仲間で立ち上げた。これはチャット型のオンライン旅行代理店というコンセプトだったが、リアルタイム性を維持するには時差の問題が大きく、結果的にうまくいかなかった。しかし、旅行業界には大きなチャンスがあり、まだまだ挑戦する余地があると考えて、事業戦略をピボットした。

ピポットする際に細谷氏が考えたことは、旅行プランの作成や旅行体験記の共有サービス、ソーシャルトリップなどの分野はすべて周辺領域で、旅行業界の本丸は、やはり旅行代理店と現地の予約会社・手配業者、そしてホテルや飛行機会社などのサービスであるということ。このトライアングルに食い込まないと、イノベーションは起こせないと考えた。

そこで予約領域、中でもホテルの予約に注目した。旅行業界の予約サービスで、世界的に成功しているサービスといえばエクスペディア。同サービスを使って、例えばバンコクでホテルを検索すると971件ヒットし、そのうち出張利用などで安全面も配慮した三つ星以上のホテルは766件以上ある。これだけ多いと、素人ではなかなか選べない。実際、細谷氏が調べたところ、海外出張の際にホテル予約に費やす時間は平均で1時間~1.5時間にもなるということがわかった。

大企業であれば、コストをあまり意識することなく、懇意の旅行代理店に丸投げするか、あるいは現地支社などのサポートも受けられるが、海外の拠点がない中小企業やベンチャーにとっては、海外出張はホテルを予約するだけでも一苦労だ。

ここに大きなニーズがあると考えた細谷氏は、さらにリサーチとヒアリングを進めた。その結果、ユーザーの出張エリアと予算がわかれば、全体の内9割のユーザーが満足するホテル予約が可能という結論にたどり着く。そんなプロセスを経て、2014年8月、日本に会社を設立し、2015年4月にBORDERをローンチしたというわけだ。

2019年度、24万件のホテル予約獲得を目指す
将来への展望

細谷氏に今後の展望を伺ったところ、狙いは中小・ベンチャー企業の海外出張ニーズ。2017年度の目標としては予約数8万件(市場全体のシェア2%の獲得)、2019年度には、24万件(同シェア6%)のホテル予約数を目指すのだという。

また、ホテルや航空機の予約を“タビマエ”需要と捉えると、旅行中に発生する予約ニーズ、例えば現地のレンタカーや飲食店、ガイドの手配といった“タビナカ”需要も大きなマーケットなると見ている。

旅行業界に限ったことではないが、インターネット登場前は、新聞や雑誌が様々な情報の主な担い手で、旅行業界でいえばJTBが旅行代理店国内最大手として君臨していた。

そこにインターネットが登場し、消費者が情報を得る手段が一気にネットへシフトし、YahooやGoogleなどの検索サービス、あるいはエクスペディアなどのオンラインサービスが一気に主導権を握っていった。

しかし、さらなる地殻変動として現在、スマホへのシフトの真っ最中で、News系アプリやキュレーションサービスが検索サービスに取って代わりつつある。パソコンでは広い画面で大量の情報を案内してユーザーに選んでもらうことも苦ではなかったが、スマホでの狭い画面では検索したり比較するといったアクションはストレスでしかない。

そもそもユーザーに大量の情報を提供しても、海外のホテルの良し悪しは判断しづらい。だからこそ、プロに選んでもらったほうが楽で便利というのがBORDERのコンセプトである。この考え方は旅行業界に限らず、ほかの業界にも適用できるかもしれない。

同社の理念は、世界各地の小規模旅行会社のプラットフォーム化である。そしてすべてをモバイルで解決する世界の構築という壮大なものだが、10年先あるいは20年先に進化していくであろう様々な分野のスマホシフトが、我々のあらゆる選択を楽で便利にしてくれることは間違いないだろう。

ボーダー株式会社
代表者:細谷 智規氏設立:2014年8月
URL:
https://www.border.co.jp
事業内容:
・旅行業
・インターネットを利用した各種情報提供サービス
・広告代理業
・通信販売業
・海外進出及び海外事業に関する調査・コンサルティング
・上記各号に付帯関連する一切の業務

当記事の内容は 2015/6/11時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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