リアルタイム解析で実店舗のような「接客」をWebサイトで実現する革新的マーケティングサービス「KARTE(カルテ)」

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執筆者: ドリームゲート事務局

世界初!?  実店舗のような接客をネット上でも実現するツールが登場。メディアサイトも自社で立ち上げ、メディアとツールの両輪を戦略的に展開。
展開している事業内容・特徴

20140918-01Webサイトの運営者に共通した課題として、コンバージョンの向上・効率化がある。グーグル・アナリティクスやサイトカタリストなどの解析ツールを導入しても、日々蓄えられる膨大なデータを集計し、レポートにするだけでも一苦労。さらにそこから業績向上につながる仮説を導き出し、検証すべく打ち手を実行して、その結果をまた分析して上長に報告する。文字にするのは簡単だか、実際に業務に落とし込んで運用するとなるとうんざり業務である・・・

実は筆者もそうした一人なのだが、そんな悩めるWeb担当者に朗報なのが、今回紹介するWebサービス「KARTE(カルテ)」。開発・運営するのは株式会社プレイド。2011年10月にスタートしたベンチャーだ。

同ツールの導入はとても簡単。グーグル・アナリティクスのように数行のタグを埋めるだけで、Webサイトの来訪者をリアルタイムで分析し、さらに、打ち手まで定時してくれて、そのまま打ち手を実行できるという代物。例えば、サイトに来訪して同じ商品ページを行ったり来たりしているユーザーがいれば、そのユーザーにだけ「ちょっとした値引き」を持ち掛ける事が出来る。そんな夢のようなツールだ。今すぐ欲しいと思った方は、同社に問い合わせしてみよう。

「今月の売上目標まであと少しだから、自分の裁量に任せられている範囲で値引きをしてでも売り上げ達成させたい…」というような状況(リアルな小売店舗ではよくある光景だろう)に対して、いまいち仮説を立てて、値引きキャンペーンを企画し、上長の決済を得てから施策を実施・・・なんて悠長な事をせず、その場で見込みのある顧客にはダイレクトにアプローチができる。それがKARTEの革新なポイントである。

本格稼働は2014年の秋からの予定で、同社の収益源としてはツールの利用料収入という事だが、すでに大手アパレルやスポーツブランド、あるいは人材や旅行業など、ECに限らず幅広い業種から引き合いが来ているという。

従来のアクセス解析などでは、ページビューやユニークユーザー、あるいは平均滞在時間や、直帰率、離脱率といったマクロ的な指標が主だった。「この商品ページのページビュー数も来訪ユーザー数も減少して、離脱率も高まっているので、対策が必要だ。」というような分析のもと、ページの改善案が企画されて、あるいはA/Bテストのような検証を行い・・・というプロセスだが、同社の考えは、ユーザーに紐づく形ですべてのデータを管理することで、「接客」という視点をWebに持ち込んだ。

例えば、カートに商品を入れたまま長時間滞在しているユーザーがいれば、同社のツールを経由してチャットで話しかけたり、特定のブランドの商品ページばかりをよく見ているユーザーが来訪していれば、新商品の案内を出したり、何度も購入してくれているお得意様であれば、特別な割引を持ち掛けたり。こうした接客行動は、実店舗では当たり前の光景だが、それをネット上で実現しているサービスはこれまでなかった。同社によれば、リアルタイムでの接客ツールは世界的にみてもまだ見当たらないとの事で、「おもてなしの国」である日本発の画期的なサービスになるかもしれない。

また、並行して「Shopping Tribe」というメディアも立ち上げた。当初はEC事業者向けの情報提供が目的だったが、今は個人向けにショッピングを楽しむためのメディアとして、月間30万ページビュー、19万超のユニークユーザーを集めるサイトに成長している。

自社でメディアサイトを立ち上げて集客し、ツールであるKARTEを広めていく戦略だ。

学生の頃は「楽天」がどんな会社かも知らなかった。それでも起業することだけは決めていた。
ビジネスアイデア発想のきっかけ

20140918-02株式会社プレイド創業者の倉橋 健太氏は楽天出身だ。学生時代にはサークルを自分達で立ち上げるなどして、組織をゼロから作る楽しさを知り、将来は自分で会社を作りたいとおぼろげながらに思っていたそうだ。

ちなみに、この口上は就活でも使っていたそうだが、実はIT系はまったく不得手だったそうで、楽天もヴィッセル神戸のスポンサーとして知っていた程度だという。それでも2005年に新卒で楽天に入社し、すぐに頭角を現した。楽天市場におけるWebディレクション、マーケティング、モバイル戦略、広告戦略等、多岐にわたる領域を担当した。

起業のきっかけは楽天勤務時代にある。データ分析や日常の業務する中で、データドリブンなアクションを行ううえでの環境の乏しさやリソース、コスト面の問題などは、ECをはじめとしたウェブ事業者に共通する課題だと認識した。ここにビジネスチャンスがあると考えた倉橋氏は、2010年頃から具体的に起業を考えるようになり、準備を開始。彼の実家も書店や不動産屋を経営していたこともあり、起業という選択肢には迷いはなかったそうだ。

創業メンバーは4名。マネジメント2名とエンジニア2名という体制でスタートした。現CTOである柴山氏は東京大学大学院で機械学習の研究をしていたが、知人を介して倉橋氏と知り合い意気投合。2人の経験を元に事業構想を練った結果「KARTE」の世界観に辿りついた。大学院博士課程をドロップアウトし、2012年夏頃に同社へ参画した。

そうして2013年6月頃からKARTEの開発が本格的にスタートした。注力したのはリアルタイム性。これまでのマーケティングは過去のデータの分析と仮説検証が主。だが、同社ではリアルタイムのデータにこそ価値があると考え、「今来訪しているお客様に、今何が出来るか」を追求してツールの開発を進めた。

もう一つ、マーケティング担当者がと直感的に使えるツールでなければならないとの事で、UI-UXが非常に重要という事で、実にリリースまでに4回も作り直したという。また、ECサイトに限らず、汎用的に使えるツールとして使えることにも意識を砕いた。

従来のマーテケィグ支援ツールやビジネスインテリジェンスツールは高額で、売上上位5%に入るような大手企業にしか導入できないものが多いが、同社ははじめから中小企業・事業者にも使えるツールとしての開発をおこなった。

実はカタログの延長でしかなく、15年かわっていないECの世界に革新を起こしたい。
将来への展望

倉橋氏にこれからの展望を伺った。楽天での経験から気づいた事は、実はECの世界はカタログ販売から大きくかわっていないという事。ECが本格的に世の中に出てきて15年ほど経つが、紙のカタログがWebサイトに置き換わっただけで、本質的に革新がおこっていない。ここに革新的なサービスを投じようしているのが同社だ。

2014年7月にはフェムトグロースキャピタルなどから総額1億5000万円の増資を受け、磯崎哲也氏が社外取締役に就任した。

世界的に見ても同社のようなリアルタイムの接客ツールというのは前例がない。当然ながら、同氏ゃではグローバルに展開していくことを視野に入れている。アクセス分析をはじめ、チャット機能なども統合した一元的なマーケティングツールとしての立ち位置を目指す。

「グーグルアナリティクスを入れる前にKARTEを入れてもらえるようにしたいですね。」とは倉橋氏のコメント。

2020年東京オリンピック招致のプレゼンで有名となった“おもてなし”という言葉を体現する、日本初のグローバルサービスを目指す同社のこれからに多いに期待したい。

株式会社プレイド
代表者:倉橋 健太氏 設立:2011年10月
URL:
http://plaid.co.jp/
スタッフ数:
事業内容:
リアルタイム解析・ウェブ接客支援ツール「KARTE」の開発・運営。

当記事の内容は 2014/9/18 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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