大企業とスタートアップの連携を推進する新しいコミュニティ「creww(クルー)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

スタートアップに心強いサービス登場。大企業とのコラボで商機を勝ち取れ!
展開している事業内容・特徴

creww「creww」というサービスをご存じだろうか。“screw”の“crew”だから「クリュー」と読みそうだが、正しくは「クルー」。由来はサービスを成長させていくという目標に向って一緒の船に乗った乗組員、crewに、スタートアップの荒波を表現する波(wave)の“w”をひとつ加え、crewwとしたそうだ。

「creww」はWeb上のスタートアップコミュニティ。参加者は大きく「起業家」もしくは「サポーター」としてわかれるが、さらに起業家、投資家、アドバイザー、デザイナー、エンジニア、マーケター、営業、学生、経営者、資格業、メディア、サポーターというように自分のプロフィールを細かく記載し、登録ができる。

「creww」の主なサービス内容は、スタートアップの成長に必要となる人、資金の調達や経営について、ノウハウを持っているアドバイザーへの相談など。さらに、スタートアップにまつわるサポーターやファンのコミュニティを構築し、革新的なチャレンジを応援していくことである。

そして、主な機能は「リクエスト」「マーケットプレイス」「コラボ」「検索」の4つだ。

スタートアップとサポーターをデータベース化し、マッチングするサービスが中心であるが、ユニークなのは「crewwコラボ」というサービス。コラボとは大手企業とスタートアップの協業を繋ぐ取り組み。大手企業は新しいアイデアを求めている。スタートアップには大手企業との協業により、自分たちの持つ商品やサービスを世の中に広く知らせるきっかけとなる。もちろん対価となる報酬も支払われ、その実績により信頼性を得られるという仕組みだ。

また、「リクエスト」機能は、スタートアップ企業からチームつくりや、資金などについての相談などが投稿されている。「マーケットプレイス」では、スタートアップが使う商品やサービスを特別価格で購入することが出来る。商品数は年内に100~120を目指しているとのこと。

「creww」の収益源はコラボの売上と、マーケットプレイスの手数料。コラボを利用したい企業は、1つのコラボ開催あたり、基本となるシステム利用料を支払い、企画をくわしく説明するオリエンテーションなどのオプションサービスも用意されている。ちなみに、この仕組みは完全成功報酬型で、成果が出なければ基本料金は全額返金する。

また、2013年1月にはネットエイジ創業者の西川氏が運営していたTokyo Angel Listを統合。2013年9月には日本テレビから1億2070万円の出資も受けている。大手メディアとの資本提携で、日本のスタートアップ環境を革新するコミュニティ、データベースサービスをつくり上げる計画だ。

16歳で渡米し、21歳で起業したアントレプレナー。帰国後、著名起業家などを巻き込み「creww」をスタート
ビジネスアイデア発想のきっかけ

Creww株式会社を立ち上げた伊地知 天(いじち そらと)氏は、16歳で渡米し、カリフォルニア大学在学中の2005年に、Webコンサルティング事業で起業。2009年に開始したオンラインショッピングモール事業を、翌年、米大手動画配信会社に売却。2012年にはフィリピンにも支部を置くなど、非常にアグレッシブな活動を続けていた。

そうやってアメリカを拠点に起業家として活躍していた伊地知氏だが、、たまたま2011年に帰国した際に、日本の起業家との交流をするなかで、日本のスタートアップ市場の環境改善は今後の日本社会や経済にとって絶対に必要だと気づいた。

並行して資金調達活動を続け、8月にはcreww株式会社を設立。伊地知氏自身、それまで経営していた3社の代表を辞任し、日本に腰を据えて「creww」の運営に100%コミットするようになった。

立ち上げに際しては、同社がアドバイザーと呼ぶ著名起業家、経営者、投資家などに参画してもらい、毎週ひざづめしてブレストを行った。このブレストは4カ月以上続けたそうで、そうした議論の上、「creww」のコンセプトとミッションができ上がった。

ちなみに、アドバイザーとして参加しているのは、ネットエイジグループの創業者・西川潔氏、、ペプシコーラ、ナイキジャパンの社長を務めた秋元征紘氏、paperboy&co.創業者の家入一真氏(creww共同創業者)など、錚々たる顔ぶれが並ぶ。今年11月より同社の監査役になった元ライブドアや弥生の社長を務めた平松庚三氏はcreww創業当時アドバイザーであった。

そうした人脈のすごさも評判となり、スタートしてすぐ100社からの登録があり、2013年10月時点で750社のスタートアップが参加している。

ちなみに、creww株式会社は2013年10月まで、家入氏が代表を務めるpartyfactory Incが運営する東京・六本木のシェアオフィスに入居していたが、10月末に目黒区に拠点を移している。この取材(2013年10月)もそちらで行った。

良質なスタートアップコミュニティを構築し、アジア最大の起業家データベースに!
将来への展望

同サービスのミッションは、良質な国内スタートアップコミュニティと、アジア圏の起業家データベース構築だ。コミュニティ系サービスはどうしても参加者の質によって「荒れる」ことがある。伊地知氏はその点は特に注意して運営しており、コミュニティの質を同調圧力とさせ、結果的に良質なスタートアップが生まれ育つ生態系をつくろうと考えている。

また、そうやってでき上がった仕組みはそのまま起業家のデータベースともなる。ベンチャーに投資をしたいと考える投資家からすれば、精度の高いデータベースはぜひとも活用したい情報源になる。現在は「コラボレーション」が主な収益源だが、いずれは投資家サイドからもマネタイズできる仕組みが見えてきそうだ。

なにもともあれ、スタートアップにとって必要なリソースが集まるプラットフォーム構築は、日本の起業活性化、しいては産業活性化にもつながる素晴らしい取り組みである。

取材を通じて感じたのは、伊地知氏とドリームゲートの目指す方向は合致しているということ。いずれcreww株式会社との「コラボ」で、新たな取り組みが発表できるかもしれない。お楽しみに。

creww株式会社
代表者:伊地知 天(いじち そらと)氏 スタッフ数:8名
設立:2012年8月 URL:https://creww.me/
事業内容: スタートアップコミュティcreww運営

当記事の内容は 2013/11/12 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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