子どものスマホを有害アプリから守り、子どもの居場所を見守れるアプリ「ミマモール」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

安心して、子どもにスマートフォンを持たせられるアプリ
展開している事業内容・特徴

mimamorl12013年5月、スマートフォンの国内契約数が4000万件を超えたそうで、2014年度中にはついにフィーチャーフォンの契約数を超えるといわれている。

しかし、小さな子どもを持つ親にとっては憂鬱な事態ともいえる。「子どもがスマホを欲しがるけれど、変なサイトやアプリを使わないかしら……」と、スマホを持たせるのが不安という親も多いだろう。

そんな親御さんたちの不安を解消してくれるのが、2013年3月1日にリリースされたばかりのAndroidアプリ「ミマモール」だ。

「ミマモール」の主な機能は、子どもが使うアプリを管理・制限できる「アプリ管理機能」と、保護者の端末から子どもが持っているスマホの位置情報を確認することができる「位置情報サービス」の2つ。

GPSなどを用いて位置情報を知らせてくれるサービスはこれまでにもあったが、同時にアプリ管理ができる機能を組み合わせたことが画期的。

「ミマモール」を開発したのは、株式会社ユニリングスの代表取締役である星雅人氏。スマートデバイス時代に、「子どもの安心を見守りながら、スマホの安全な使い方を提案する」というコンセプトが評価され、順調にダウンロード数を伸ばしている。

無料で使える、「ミマモール」の位置情報サービス

現在は利用料無料のフリープランが公開されており、Android 2.3以上のスマホ端末であれば、通信キャリアや機種を選ばずに利用できる。

「位置情報サービス」は、2013年3月のリリース時には約60分間隔だったが、2013年4月23日に約30分間隔になるように短縮された。「もっと短い間隔で把握できるようにしてほしい」というユーザーの声を受けての改善で、さらに性能を向上させられるよう開発を進めている。ちなみに、より短い間隔(5分~10分)で位置確認を行える機能は、有料プランとして公開予定だという。

東日本大震災を体験後、父親として、子どもの安全を見守れるサービスをつくろうと決意
ビジネスアイデア発想のきっかけ

  mimamorl2星氏は、福島県の南相馬市で少年時代を過ごした 。星氏が起業を目指すターニングポイントになったのは、2011年3月11日東日本大震災。当時、ジャストシステムで働いていた星氏は、自分の育った町が津波にのまれた後の見覚えのある場所の変わり果てた映像にショックを受けた。それがきっかけで、「災害時に役立つようなサービスをつくりたい」とアプリ開発での起業を決意した。

子育てをする母親の声がヒントに

夫婦共稼ぎで、2人のこどもを持つ星氏。初めに思いついたのは、子どもの位置情報を親が知ることのできるサービスだった。

しかし、実際に子育てをしている夫婦へのヒアリングを重ねていくと、「子どもにスマホを持たせると、「怪しいサイトを見ないか心配」「ゲームばかりやって、勉強しなくなりそう」「高額請求も話題になっているし」といった悩みや不安があることを知る。こういった生の声をヒントに、位置情報サービスとアプリ管理機能を合わせ持つ「ミマモール」の開発はスタートした。

働きながら、アプリ開発する日々を支えたもの

 10年以上ジャストシステムに勤め、ソフトウェアの商品企画をしてきた星氏にとって、「ミマモール」の開発は今までの仕事の延長線上にあるといえる。しかし、大企業で大勢のスタッフと協力して仕事をしていくのとは違い、実質1人で事業モデルから企画をし、開発をするのは不慣れ。起業への不安は当然だが大きかった。

そこで、まずは会社員を続けながらデジタルハリウッドに通いプログラムの勉強を開始。起業を後押ししてくれる人もいた。以前、仕事で知り合った某大学の教授だ。

その教授の弟子にあたるプログラマーを紹介してもらい、さらに友人のデザイナーにも協力をあおぎ、半年以上かけて「ミマモール」のベータ版を開発。そして、アプリ「ミマモール」が誕生した時、「 起業しよう!」――躊躇していた気持ちがふっ切れたそうだ。

「ジャストシステムでの、社内プロジェクトとしても提案できたのでは?」と聞くと、「企業は営利目的で活動しています。それは当然ですが、以前から世の中のためになる仕事をしたいという思いがあった。東日本大震災のこと、家族のこと、福島のこと、さまざまなことを考えた結果、起業すべきと思いました」と答えてくれた。

ちなみに、社命のUNIRINGS(ユニリングス)は「人の輪をつなげていく、協調する」という意味が込めらているそうで、その社名からも星氏の起業スタンスが伝わってくる。

まずは多くの人に「ミマモール」を使ってもらいたい
将来への展望

まだ公開してから2カ月ほどだが、「ミマモール」のユーザー数は順調に伸びている。しかし、「もっと多くの人に使ってもらいたい」と星氏は語る。

子どもにスマホを与える場合、端末の高価格がネックとなる。そのため、親のお下がりのスマホを持たせる家庭も多いのではないだろうか。

そのため、「ミマモール」は、古いスマホ(Android 2.3以上の端末)でも使えることを意識して開発。また、できるだけ多くの人に使ってもらいたいから、無料でダウンロードできるようにしている。「まずは多くの人にミマモールを使っていただくことがスタート。今後のマネタイズが課題ですけどね」と星氏は苦笑する。

子どもの監視ではなく、親子のコミュニケーションを密に

位置情報サービスだけではなく、スマホのアプリ管理をできるのが「ミマモール」の特徴だが、「親が一方的にアプリを禁止するのではなく、親子のコミュニケーションのきっかけにもなれば」と星氏。

ゲームのように買ってあげて終わりではなく、「どうしてそのアプリを使いたいのか」「こんなアプリが流行っているんだよ」といったことを親子で話し合えることが、「ミマモール」のメリットともいえる。実際にミマモールを使っている家庭は、親子関係のいい家族が多いそうだ。

大切な家族を見守るプラットフォームへ

最後に、今後のミマモールの展開について星氏にお聞きした。

「Twitterやメールで、ユーザーの皆さんから質問や意見をいただけるのがうれしいですね。『位置情報だけでなく、子どもとLINEのようにメッセージ等のやりとりをしたい』『学校や塾に着いたら、自動でメールが来ると便利』『子どもが好きな壁紙を選べるようにしてほしい』など、新たな企画展開のヒントもいただいています。

実際に利用している人たちの声を生かしながら、小中学生のスマホに「ミマモール」が入っているのが普通という状態にすることが理想。スマホはこれからさらに進化していき、耐久性も上がって、防水機能なども当たり前になっていくでしょう。

もしもの時に、『ミマモールのおかげで助かった』『ミマモールがあるから、子どもが出かけていても安心』。そんな大切な家族を見守る、安心安全のプラットフォームのような存在にミマモールを進化させていきたいです」

株式会社ユニリングス
代表者:星 雅人
設立:2013年2月 URL:http://www.mimamorl.com/
事業内容:
◇ PC・スマートフォン・タブレット端末向けアプリケーションの企画/開発/販売
◇ Webサービスの企画/開発/サービス運営
◇ インターネットを利用した情報配信/ゲーム/各種会員サービス
◇ 広告宣伝の情報媒体の企画/開発/販売/広告代理業
◇ PCおよびその他周辺機器の企画/販売/輸入販売
◇ 各種受託開発

当記事の内容は 2013/5/23 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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