草野球革命!? いつでも最適なチームと試合が組める大人気サービス「G-LEAGUE(ジー・リーグ)」。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

悩み解消! 好きな時に同じレベルのチームと試合ができるサービス
展開している事業内容・特徴

 g-league1日本人は野球が大好き。一説には日本の男性の3分の1が野球経験があるといわれており、現在の草野球人口は約470万人、31万チームが存在するという。

しかし、実はそれらのチームのほとんどが、満足な試合ができていない状態にある。というのも、草野球チームのメンバーの大半は社会人。会社があるので平日は難しく、休日に試合を組むことが多いが、当然、グラウンド予約が集中する。参加人数も多いので、試合の日程を決めるだけでも難しく、さらに対戦相手との日程も合わせなければならない。苦労してようやく試合が決まっても、相手チームとレベルが合わず一方的な試合展開。。そんなことも珍しくないそうだ。

トーナメント戦やリーグ戦の大会を行うと、1カ月に1試合を行うのがせいぜい。グラウンド確保の日程も、対戦相手との日程も合わず、不戦勝/不戦敗になることも。結果的に勝ったとみなされるとはいえ試合をするのが楽しみでやっている草野球で不戦勝……なんだかあまり嬉しくない。

そんな問題を解決するために生まれたのが、今回紹介する「G-LEAGUE(ジー・リーグ)」だ。このサービスは、試合実施までのマッチングを楽にしてくれる。

「Gリーグ」はトーナメント戦でもリーグ戦でもないので、対戦相手や日程があらかじめ決められることはない。自分たちのチームが試合できる日程から、対戦チームを探すこともできる。戦いたい相手を指名することもできる。そのため、リーグ側の日程に縛られることがなく、いつでも試合を組むことができるのだ。

実力が均衡した相手との試合が行えるというのが同サービスの最大のポイントだ。例えば、Facebookやmixiなどの一般的なSNSで対戦相手を見つけたとしても、自己申告になるため、お互いのチームの正しいレベルがわからない。実際に試合を行ったとしても、お互いのレベルが釣り合わなければ、試合はつまらないものになってしまう。

 そこで、「Gリーグ」では、加盟する草野球チームの試合内容を分析し、全チームをスコアリングしランキングしている。そのランキングの情報をもとに、レベルが同じくらいのチーム同士でマッチングするという仕組みだ。

 また、「Gリーグ」を運営する株式会社ギガスリートは、もう一つの便利なサービスを提供している。携帯電話で使えるスコア管理システム「G-SCORE(ジー・スコア)」だ。チーム成績の管理から、個人成績の管理までできるので、紙のスコアブックがいらなくなり、成績分析もずっと簡単になるというものだ。

 同社の収益は、登録している野球チームの加盟料だ。例えば15人のチームであれば年間6万円程度の加盟料と、1試合ごとに1200円の利用料が必要となる。2012年8月にサービスを開始し、2013年4月現在でG-SCOREのユーザー数は1600人、リーグ加盟チーム数は50チーム。規模的にはまだまだこれからだが、企業チーム、大学生チーム、社会人チームが混合している珍しいリーグであり、Facebookページ開設後、3カ月半でファン数が1万人を突破。取材時点では2万人を超え、なお伸びているという人気ぶりだ。

日本の野球界の構造に疑問。アマチュアが野球を楽しめる環境を
ビジネスアイデア発想のきっかけ

g-league2株式会社ギガスリートを起業した大垣伸悟氏は、16歳で野球渡米し、アメリカでプロ・アマ選手生活を6年半ほど続けた。野球選手としての生活にピリオドを打った後は、帰国して情報システム系専門学校の先生となった。実は大垣氏は高校時代に国家試験である情報処理技術者試験第一種という難関資格を取得している。地元の新聞にも名前が載ったほどだ。高校生で専門的に情報処理を勉強した理由は、野球選手を引退した後も困らないようにしておくことで、その分思い切って野球に専念できるようにする、といった人生設計があったからだ。

野球選手時代は、周囲はみな上を目指してガムシャラに努力していた。しかし、専門学校の先生となり教壇に立った際に、皆が皆、上を目指しているわけではない学生たちを前にして軽いショックを受ける。そして、ここで大垣氏は気づきを得る。ストイックに人生の多くを犠牲にしてプロを目指すだけが唯一の生き方ではない。特に野球でプロになれるのは一握り。アマチュアとして野球人生を楽しむ道もある。そして、日本ではアマチュアの人たちが十分に野球を楽しめるプラットフォームがないことにも気付くのであった。

アメリカンベースボールの頂点であるメジャーリーグ機構では、7つのレイヤーがあり、すべてのレイヤーをメジャーリーグ機構がマネジメントしている。また、選手個人の成績がすべて管理されているため、選手の成長による入れ替わりが適宜行われる。だから、トップ選手以外でもレベルに合った活躍できる場が常にある。

だが、日本にはこのような仕組みがない。プロ野球選手として登録されているのは1軍・2軍すべてを合わせても950人程度といわれている。それ以外の野球選手はすべてアマチュア選手で、自分たちで予定を合わせ、対戦チームを探し、グラウンド、審判を確保しなければならない。実際、大垣氏が草野球チームに所属していた時、大会で相手チームの予定が合わずに4回連続で不戦勝した経験があるという。その大会では優勝したが、4回も不戦勝とは……。

野球の試合をしたい人たちがたくさんいる。しかし、この国には、アマチュア選手たちが満足できる試合が圧倒的に少ない……。大垣氏は構造そのものを根底から変える必要があると考え、何度も何度も新しいメカニズムを考えてはシミュレーションを行った。

大垣氏の熱い思いが伝わり、有名投資家から一発OK!

専門学校の先生を続けながら大学院で情報処理工学を専攻し人工知能について研究した。そして大手企業向けERPパッケージソフトウェアを開発するワークスアプリケーションズに転職。エンジニアとして入社するも、グローバル人材の必要性を訴え、自ら海外採用を担当し世界各地へ奔走していた。もちろん、野球構造のメカニズムのシミュレーションは続けていた。そして何度も繰り返した試行錯誤の末、何となく形が見えてきた。当時手元にあった資金は300万円。これではまだまだ足りなかったため、法人化する前に銀行から融資を受け、起業を決意する。

ワークスアプリケーションズを退職し、2012年6月に事業をスタートした。IPOも視野に入れていたため、将来的には銀行融資だけではなく株式出資が必要となることも考えていた。そこで、当時立て続けに投資していた投資家のプレスリリースを見つけて問い合わせた。それがサムライインキュベート。同社の代表・榊原健太郎氏の前で事業について語り、なんとその日に出資を取り付けた。

この出資を境に、外部の協力者の重要性を知った。投資に対する期待を感じたことで、さらにより多くの協力者から共感を得るために、事業を大きな視点で説明するようになった。また人脈も広がり、メディアからの取り上げられ方も変わってきた。出資を受けたことより自分の行っている事業への客観的な評価がつき、周りからの期待や見る目が変わっていった。

目標チームは7万チーム加盟!誰もが野球を楽しめる環境をつくる
将来への展望

大垣氏に今後の展望を伺うと、「全国には草野球のチームが31万ある、そのうち、活発に活動をしている約7万のチームがターゲットだ。それらのチームに加盟してもらうことが当面の目標。そして、すべてのチームスポーツがもっと手軽に楽しめるようなプラットフォームを提供するのが当社の理念」と語ってくれた。

最近、リアルのコミュニケーションではなくバーチャルなSNS上だけのつながりが加速している。しかし、スポーツ通じて得られる臨場感はバーチャルでは体験できない。SNSだけでは決して人は満足できない。リアルでのコミュニケーションを増やすメカニズムによってパラダイムシフトが起こるはず。「そのためにも気軽にチームスポーツができるような環境をつくっておきたい」と語る大垣氏。

野球のようなチームスポーツは、みんなで一緒に目標を掲げて、疲労を感じて、悔しさを味わって……そんな激しく起伏する感情をチームで共有するのが最高の醍醐味。この楽しさを感じる機会を増やすことが、株式会社ギガスリートの役目のようだ。

株式会社ギガスリート
代表者:大垣伸悟 スタッフ数:6名(インターン、アルバイト 約30名)
設立:2011年6月2日 URL:http://g-league.jp/
事業内容:
完全ランキング方式 全国軟式草野球リーグ G-LEAGUEの運営。リアルタイム野球成績管理システム G-SCOREの開発・提供。

当記事の内容は 2013/4/9 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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