毎月40%利用件数増!請求書業務がわずか10分で完了するサービス「MakeLeaps(メイクリープス)」

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執筆者: ドリームゲート事務局

一通199円で面倒な請求書管理・発行・郵送まで全部お任せ。毎月40%利用件数増の急成長サービス
展開している事業内容・特徴

makeleaps1スモールビジネスを立ち上げて奮闘されている皆さんは、どのように請求書を作成しているだろうか? 請求書といえば、ExcelやWordで作成するものというイメージをほとんどの人が持っているかもしれない。あの面倒な作業が、わずか10分で完了するというサービスが登場した。それが今回紹介する「MakeLeaps(メイクリープス)」だ。

「MakeLeaps」とは、請求書をオンライン上で管理・発行し、郵送までしてくれるサービス。請求書の発送は一通あたり199円。請求宛5社までは、無料で使える「自転車コース」、請求宛100社まで対応できる月額6780円の「新幹線コース」など、5つのプランがある。しかも、ロゴや社印をレイアウトした請求書を作成し、ワンクリックで請求書を郵送することができるのだ。

「MakeLeaps」内では、それぞれの請求書にタグをつけることができるので、整理がしやすく、後で検索もしやすい。また、複数のユーザーが同じデータにアクセスすることができるので、さまざまな企業やパートナーと仕事をする場合でも、手っ取り早く簡単。さらに、iPhoneとiPadにも対応しているため、出先からでも利用することができるという優れものだ。

主なユーザーは、会計士・税理士・弁護士・コンサルタントなど。フリーランスや小規模な会社が多いが、最近では大企業からも使いたいという声が多くなってきている。

2011年10月にリリースされたサービスだが、運営元のWebnet IT株式会社の創業者ジェイソン・ウィンダー氏に聞いたところ、当初はユーザー数がなかなか伸びなかったという。しかし、郵送サービスを付加した2012年4月頃から、急激に増え始めたそうで、2012年11月時点では、なんと1カ月毎に40%も利用件数が増加という驚くべき急成長を続けている。

ウィンダー氏によれば、ユーザーが爆発的に伸びたきっかけは3つ。1つ目の理由は、郵送サービスを開始したことである。請求書は会社の顔。会計処理の重要資料なので、紙で管理したいという要望は多い。このような要望に対応すべく、紙に印刷して郵送するというサービスを始めたところ、ヒットし始めたのだ。

2つ目の理由は、FacebookやTwitterなどのSNS上での認知。SNS上で言及されるペースとユーザー数が加速的に増加し始めた時期が重なっていることから、ソーシャルメディアの普及はサービスの普及の強い後押しになったという。日本人は、“周りの人が使っているものは安心”という心理的側面が強く、特に新しい商品やサービスについて、「周りの人も使っているかどうか?」ということを重視する。そのため、SNSの大規模な普及に伴い、「MakeLeaps」の信頼性が醸成され、広まっていったと分析している。

3つ目の理由は、競合サービスであった「Noroshi(ノロシ)」の事業譲渡を受けたこと。同サービスを吸収した結果、一気にユーザー数が増えた。2012年11月時点でのユーザー数は数千社だが、毎月40%以上のペースで伸びており、1年後の2013年9月には10万社の利用を見込んでいる。

米国では同様のサービスとして「Freshbooks」が知名度的にも規模的にもダントツだが、日本ではまだほとんど知られていない。ほかにも「Zoho」などのクラウド型オフィスソフトサービスを展開する海外のベンチャーがあるが、いずれも日本市場に本格的にフォーカスしていない。今こそ同社にとってまたとないチャンス。日本市場は世界的にみても決して小さくはない。そして、習慣や文化の違いが英語圏発のベンチャーにとって参入障壁となっている。その間隙をついて日本国内でサービスを磨き込み、また事業の足場をしっかり構築してから、逆に海外、特にアジア圏進出を狙うのが同社の戦略だ。

きっかけは自分のため。請求書管理なんて面倒なことはやりたくない
ビジネスアイデア発想のきっかけ

makeleaps2ウィンダー氏は2001年に来日。2003年に起業して、主に外資系企業へのITコンサルティングを行っていた。

「MakeLeaps」をつくろうと思ったきっかけは、自分自身が請求書を毎月発行したり郵送したりする業務が大変で、なんとか効率化できないかと悩んでいたこと。そして、自社用のソフトとして開発を始めた。

そのビジネスモデルを友人に見せたところ、「使いたい、ぜひ売ってほしい」と言われ、他の人からも好評だったことから、これはビジネスになるのではないかと思い、本格的な事業化を検討し始めたそうだ。

ただ、当時社内にエンジニアがおらず、開発は外部のプログラマーに依頼していた。ところが、ソニーミュージックエンターテイメント社でエンジニアをしていたポール・オズワルド氏が「MakeLeaps」に共感してくれ、開発メンバーとして加わることになった。CTOとして参加したポール氏によって、2009年から本格的な開発がスタートし、事業化が一気に進展し始めた。

開発時、ウィンダー氏は、とにかくユーザーの元に出向いて使い勝手や要望、感想などを聞いて回り、それを開発者であるポールに伝えては改善を繰り返すという作業をひたすら続けた。「とにかく最初はユーザーの意見をたくさん聞いて回った。厳しい意見も多く、特に遅くて使いづらいという声が多く、その改善を徹底していった」と話す。

試行錯誤を繰り返し、やっとのことでローンチに漕ぎつけたが、予想に反してローンチ直後の反応はイマイチだった。開始前の友人たちの反応とは違って、実際にリリースしてみると反応が薄く、誰も興味を持ってくれなかったのだ。

ウィンダー氏は、「MakeLeaps」は理解されづらいサービスだが、請求書作成の手間はビジネスパーソンや経営者であれば誰しもが経験のあることなので、必ず「MakeLeaps」が支持される時が来ると信じていた。そして、「請求書業務の苦労からわずかなコストで解放されますよ」とさまざまな会社への営業活動を継続していった。

また、有名会計士・税理士とも提携して、「MakeLeaps」を紹介してもらうように働きかける提携戦略も。その結果、約10社とパートナーシップ契約を構築している。

現在、同社の体制は10名で、半分がエンジニア、残り半分が営業やマーケティング、ユーザーサポートだそうだ。現在も、とにかく顧客の声を聞くことにパワーを大きく割いているという。

先述したが、Facebookの広告のリーチ力はとても役立っているそうだ。何十万人に一気にリーチすることができ、しかも従来の広告に比べてとても安い。また、話題づくりのためにさまざまなコンテンツも提供している。例えば「これがほしかった! 都内すべてのコワーキングスペース一覧」というCo-workingスペースについてのまとめ記事や、「しょぼいプレゼンをパワポのせいにするな!」という、ネット上で話題となり、数万PVを稼いだコンテンツなどなど。このコンテンツもユーザー獲得に一役買っている。

http://www.makeleaps.jp/都内すべてのコワーキングスペース一覧/
http://www.makeleaps.jp/syoboi-purezen-wo-pawapo-no-sei-ni-suru-na/

1年後にはユーザー10万社。夢は戦車を買うこと!?
将来への展望

同社の、目標は、2013年9月までに10万社を顧客にすることだ。中期的には、日本国内で発行されるすべての請求書を扱えるような事業者になり、また、ほかの総務業務もクラウドで引き受けられるようにしたいと考えている。

一番の競合はExcelだ。“請求書はExcelでつくるもの”という文化を変えていき、最終的には海外にも展開し、日本と海外をつなぐビジネスを行っていきたいと意気込む。そのために、まず日本国内でソフトの使い勝手やサービスの魅了をあげて、世界中で通用するサービスに成長させていきたいという。

ジェイソン・ウィンダー氏に夢を伺うと、「タンクに乗りたい。戦車を買いたい(笑)」という答えが返ってきた。飛行機やヨットを買いたいという人は多いが、戦車を買いたいというのは珍しい。筆者も思わず笑ってしまった。その理由は単に戦車が好きだから、かっこいいからだという。

「そのために、会社をもっと大きくしていく必要がありますね」と返したが、そう遠くない未来、ジェイソン氏が戦車に乗っている姿が見られる予感がした。

Webnet IT株式会社
代表者:ジェイソン・ウィンダー スタッフ数:18名
設立:2003年9月。MakeLeapsは2009年にスタート URL:http://www.makeleaps.jp/
事業内容:
ITコンサルティング業務。MakeLeapsの開発・運営。

当記事の内容は 2012/11/27 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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