毎日電話が鳴りやまない! 居抜き物件情報を公開するサービス「居抜き市場(いちば)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 梶原 隆央

見やすさ、物件の質・量にこだわった、居抜き物件情報サイト
展開している事業内容・特徴

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飲食店を開業する人にとって、物件の選択は最重要課題。誰もが安くて立地のいい物件を借りたいと思うだろうが、望む物件を安価で見つけるというのはなかなか難しい。しかし、そんな願いを叶えてくれる物件を集めたサイトがある。それが今回紹介する、居抜き物件を多く集めた「居抜き市場(いちば)」だ。

居抜き物件とは、床・壁・天井などの内装、カウンター・イス、厨房機器など、前店の備品や設備が残っていて、それらをそのまま引き継ぐことのできる物件のこと。新たな開業者は、店内の設計や内装の工事、初期投資を節約することができ、また、開店準備が短縮できるというメリットがある。一方、前店のオーナーにとっては、内装などを借りる前の状態に戻す「原状回復」の負担軽減、備品・造作が売却できるというメリットがある。

「居抜き市場」に掲載されている物件数は約5000件。このうち、居抜き物件数は2000件を超えている。この数は、居抜き物件を取り扱うサービスの中で、群を抜いている。理由は、「居抜き市場」が物件情報を獲得する経路にある。

「居抜き市場」の掲載物件は主に、提携業者から得た未流通物件、営業マンがマンパワーを使って獲得してきた物件、すでに取引があるチェーン店などから直接もらう極秘物件ななど。そのため、ほかのサイトに掲載されていないオイシイ物件情報が満載なのだ。

また、ユーザビリティの徹底追求もポイントの一つ。従来の物件サイトは、さまざまな場所に情報が散りばめられていて、情報の取捨選択に苦労することが多かった。しかし、「居抜き市場」のレイアウトはわかりやすく整理されていて、一目で必要かつ十分な情報にアクセス可能。物件情報は、物件概要、賃貸条件、大きな地図といった必要な情報がシンプルに掲載されている。また、契約までの流れを説明するページも、イラストを使用して少ない文字で構成されており、理解が早いと評判だ。

また、物件の売り手向けのサイト「居抜き買取り市場」も併設されているが、こちらも「居抜き市場」同様、サイトの見やすさ・使いやすさ・理解のしやすさを徹底的に追求したつくり。さらに、一定条件を入力すれば、一瞬で査定結果を見ることができる機能も備えている。

物件情報の提供・募集だけでなく、当事者間の造作買い取りの交渉サポート、物件オーナーとの契約交渉サポートなど、物件にかかわる周辺取引まで幅広くサービスを展開していることも特徴である。

現在、「居抜き市場」は掲載物件数、問い合わせ件数共に増加しており、ユニークユーザー数は月間1万8000、PV数は月間38万にも上っている。毎日電話が鳴り止まず、電話転送サービスを利用するほどの盛況ぶり。主なキャッシュポイントは仲介手数料となるが、当然、案件増加に比例して売り上げも増加しており、まさにうれしい悲鳴状態なのだ。

幼い頃身につけた“本質を考える力”で時代の流れを読み、需要を見抜く
ビジネスアイデア発想のきっかけ

inuki-ichiba2「居抜き市場」を運営するレスタンダード株式会社代表の岡本和宏氏は、創業前、不動産会社と、飲食店に特化したコンサルティング会社に数年ずつ勤務していた。この間経験から、両業界ともにまだまだWebに関するリテラシーが低く、活用しきれていないという印象を強く受けたという。

また、創業の5年ほど前から、飲食業界では新店舗開店時に居抜き物件を利用するという発想が徐々にメジャーになりつつあった。これらの経験値から、居抜き物件を集めたサイトのニーズがあるのではないかと考え始めたという。

北海道出身の岡本氏は、幼少期、土地柄から一人で遊ぶことが多かった。そのため、見たものや気になったことについて、立ち止まって思考を巡らせる癖があったという。そんな幼少期を過ごした岡本氏は、いつの間にか物事の本質に立ち返って考える習慣や、人よりも半歩先のことを考える力が身についていたと自己分析する。

また、この幼児期に身につけた力のおかげで、「居抜き物件」の潜在的価値を見抜くことができたのではないか、とも。サイトのユーザビリティを徹底追及し、競合サイトにないわかりやすさを実現している点にも、本質から考える思考回路の活躍が垣間見える。

「居抜き市場」では、ユーザーのことを第一に考え、利益率の振るわない物件も躊躇なく掲載している。「本当の価値は何か?」「ユーザーが求めているものの本質は何か?」ということを追及していることが、ユーザーの獲得、サイトの成長に寄与していることは間違いないだろう。

従業員を大事にし、高い意識を共有することで、サービスを継続・発展させていきたい
将来への展望

岡本氏に今後の目標を聞いたところ、「“飲食店を始めるなら、まずは居抜き市場”というように、開業準備中の人々が当たり前のように利用するインフラになることが目標」だと答えてくれた。

2011年3月に創業したが、ユーザー数の急増に伴い、当初4名だったスタッフをわずか1年半で9名に拡大した。近々オフィスも移転予定だという。今後もコンテンツの拡充、サービス範囲を拡大し、さらなるユーザー数の増加を目指している。

inuki-ichiba3しかし、岡本氏が大事にしていることは、サービスを拡充したり、ユーザー数を増加させることだけではない。それ以上に、従業員を大切にしている。現在勢いに乗っている同社だが、会社を成長させていくうえでもっとも意識しているのが、“従業員との高い意識の共有”だ。行動指針を明確に定め、くどいほどに意識が大切である旨を伝えている。持続性のある事業をつくり上げるには、それにふさわしい強い組織、強い人材が必須であるというのが岡本氏のポリシーだ。

“顧客・社員・企業の全方向の幸福を目指す”という理念のもと、急成長中のレスタンダード株式会社。今後の展開が楽しみだ。

レスタンダード株式会社
代表者:岡本 和宏 スタッフ数:9名
設立:2011年3月 URL:http://www.inuki-ichiba.jp/
事業内容:
店舗に特化した物件情報サイトの運営、不動産仲介業

当記事の内容は 2012/9/25 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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