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スタッフもお客様も“ぬいぐるみ”?
新感覚のおもてなしが熱烈な支持

執筆者:佐々木 正孝  編集:菊池 徳行(ハイキックス)
更新日:2017年02月07日

ぬいぐるみを家族として考える
「ヌイグルミスト」が顧客 展開している事業の内容・特徴

20170207-1ぬいぐるみのスタッフが、ぬいぐるみをお客様としておもてなしする「やわらかん’s café」。対価を支払うのはぬいぐるみの所有者だが、サービスを受けるのは所有者のぬいぐるみ、というユニークなサービスだ。

カフェを訪れた(郵送された)ぬいぐるみはウェルカムドリンクで迎えられ、ケチャップで名前を書いたオムライス、自家焙煎コーヒーが提供される。夜はぬいぐるみスタッフの怪談で盛り上がってお泊り。ぬいぐるみたちの旅の模様は、随時専用Facebookページにアップされ、所有者はお泊り体験の模様をチェックできるのも好評。旅が終われば、お土産、フォトアルバムを携えて、ぬいぐるみが所有者のもとに帰るという2泊3日のスケジュールで毎回満員の大盛況だ。

プラン価格は4968円。月6組の完全予約制だが、募集を開始するとあっという間に枠が埋まる人気ぶり。ニッチなサービスながら、スタンプカードを発行するほどの安定した人気を誇る。おもちゃメーカーでぬいぐるみを開発してきた鈴木公子さんがサイトの旅やイベントの企画、集客、運営、おもてなし、撮影まですべてのサービスをワンストップで手がけている。

「プランの内容は月替りで、カフェもマメに模様替え。リピーターの方も楽しんでもらえるように工夫しています。カフェの予約情報を常時チェックしてくれている方が全国に250名ほどいらっしゃいます。そんなぬいぐるみが大好きな“ヌイグルミスト”の方に素敵な体験をもっと提供していきたいのですが、私が育児中なのでお客様を絞っているため、なかなか枠を広げられないのが悩みです」

鈴木さんがファン100名に実施したアンケートによると、ぬいぐるみは「家族」と答えた人が59%。所持しているぬいぐるみ数は54%が16体以上で、一緒に過ごした時間が16年以上に及ぶという人が41%という結果に。ぬいぐるみを生活の一部、家族の一員として愛するそんなヌイグルミストが「やわらかん’s cafe」の潜在顧客なのだ。

ビジネスコンテスト入賞で手応えを得て、
ぬいぐるみカフェサービスが始動 ビジネスアイディア発想のきっかけ

20170207-2カフェオーナーであり、サービスを構築した鈴木さん自身も筋金入りのヌイグルミストだ。このサービスの背景には、ぬいぐるみを大事なパートナーとして過ごしてきた豊かな時間がある。

「小さな頃から公園に連れて行ったり、母親に怒られた時に話をきいてもらったり、そんな大事な存在がぬいぐるみでした。しかも、社会人になってからも、一緒に通勤したり、出張に連れて行ったり(笑)。勤めていたおもちゃ会社にも、そこまでのヌイグルミストは少なかったんですが、ブログを始めると、同じようにぬいぐるみを愛し、生活を共にしている人がたくさんいることがわかりました」

同好の士とつながることで、ヌイグルミストの連帯が生まれた。そしてある時、長年連れ添ってきたぬいぐるみをクリーニングサービスに出した鈴木さんは、きめ細かいケアに目を見張る。自分が体験していなくても、大事なパートナーが受けたサービスが喜びになる。それは新鮮な驚きだったという。

「そのクリーニング店は、ぬいぐるみを魂があるものとして丁寧に扱ってくれました。到着すると専用掲示板に写真をアップ。お洗濯の合間に公園に連れて行ってくれたりするんです。自分のぬいぐるみがケアしてもらって、どんな様子なのかが手に取るようにわかることがこんなに感動するなんて。素敵な思いをほかのヌイグルミストにも味わってもらえないかな? と考えたのが発想の原点です」

当時はおもちゃメーカーに在籍していたので、ぬいぐるみが旅行に出るパックを新規事業として企画立案。社内稟議を通して旅行会社に持ち込むが、「人員が実際に動かないプランはビジネスにならない」とあえなくお蔵入りに。諦めきれなかった鈴木さんだが、退職後にビジネスコンテストに同アイデアを応募したところ、何とファイナリストに選出。多くの賞を獲得して手応えを得た。

「そこで私が子どもを授かりまして、サービス業態を再考。自宅でもできるぬいぐるみカフェというカタチにブラッシュアップしました。出産、育児と平行しながらWebデザイン、サイト構築を猛勉強。ぬいぐるみの撮影は学生時代に写真部だった腕を生かしました。こうして、独力でやわらかん’s caféを立ち上げることができたんです」

オフラインイベントも大好評
ぬいぐるみ好きが連帯するサロンも目指す 将来の展望

20170207-3サービス開設1周年を迎えたタイミングで、原宿のカフェを借り切ってユーザーとの交流イベントを開催。カフェのリピーターであるヌイグルミストがリアルに交流する機会もつくった。オフラインイベントは全国から30名以上が集まって大盛況。今後は家庭とのバランスを考えつつ、サービスの拡充も視野に入れているという。

「子供が幼稚園に通うようになり、月6名の枠も倍ぐらいに増やせるメドが立ちました。海外からの問い合わせも増えてきているので、英語も勉強中。いずれは対応したいと思っています。ヌイグルミストの潜在ボリュームを考えたらまだまだ伸びしろもありますが……あくまで私が目配りできる範囲でサービスを広げていけたらと思っています」

ぬいぐるみ好きの孤独を味わってきたからこそ、ファン同士の交流もバックアップしたい。
ブロガー、ヌイグルミストがWeb上で集えるサロンの構築も準備しているという。

20170207-4「ぬいぐるみが好きなだけなのに『周りから変に思われるのでは……』という不安、コンプレックスを抱えているのがヌイグルミストたちです。ビジネスとしての利益は小さいですが……私がカフェを開いたり、交流スペースをつくったりすることで、そんな人たちの不安、悩みを少しでも解消できれば」

全国、そして世界に広がるヌイグルミストの共感を結ぶ「やわらかん’s cafe」。鈴木さんは、今日も笑顔でぬいぐるみたちを迎え入れていく。

やわらかん’s café
代表者:鈴木 公子氏 設立:2015年7月
URL:http://nuigurumicafe.com/ スタッフ数:1名
事業内容:ぬいぐるみのエンターテインメント、オンラインサロンのサービス提供。

当記事の内容は 2017/2/7 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事の執筆者

取材・文/佐々木 正孝  編集/菊池 徳行(ハイキックス)

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