好きなものに囲まれる夢を実現!
オタク向け「痛部屋プロデュ―ス」とは

企業紹介

執筆者: 松元  順子  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

独自性とインパクトが成功の鍵!
オタクのニーズを顕在化したビジネス
展開している事業の内容・特徴

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©ゆめ

日本のマンガやアニメは、“クールジャパン”といわれ、海外での人気も高まっている。そんな日本のサブカルの魅力を世界中に発信すべく、オタクに特化した「痛部屋プロデュ―ス事業」を展開しているのが、株式会社SO-ZOだ。この独自のビジネスモデルを紹介しよう。

「痛部屋プロデュ―ス」は、BtoBとBtoC双方で事業を展開。BtoBのサービスは、ホテルや外国人向けゲストハウスなどの物件を、マンガやアニメの作品をテーマとした「痛部屋」に改装。壁紙、カーテン、寝具などのインテリアの製作から工事までを一貫して行うというもの。インパクトのある「痛部屋」をつくることで、宿泊者のSNSなどによる拡散を狙い、集客につなげるというものだ。

BtoCのサービスは、アニメやマンガの作品をモチーフとした壁紙やカーテン、布団カバーなどのオリジナルグッズで、個人の部屋をトータルプロデュ―スするというもの。好みのアニメキャラクターを自家用車にペイントした「痛車(いたしゃ)」同様、「好きなモノに囲まれていたい」というオタクのニーズを存分に満たしたサービスとなっている。

同社は2014年の設立から順調に事業を拡大。今年の3月には、グッズ持ち帰り可能な「モンスターハンタークロス コラボルーム」を相鉄フレッサイン東京・京橋にオープン。5月にはTVアニメ『薄桜鬼~御伽草子~』とのコラボルームを、サンシャインシティプリンスホテルにオープンするなど、次々と新しいサービスを生み出している。

こうした成功の要因を、代表の王冉氏は次のように分析する。「当社が展開するビジネスは、1.独自性がある。2.ビジュアル的にインパクトがある。3.サービス内容がわかりやすい。という3つの特徴があります。そのため、プロモーションしやすいという点が成功につながったのではないでしょうか」。

ビジネスコンテスト優勝を機に学生起業。
「サブカル」という趣味を仕事に
ビジネスアイディア発想のきっかけ

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もともと「モノづくりが好きだった」という王氏。「いつか自分のアイデアをカタチにして世の中に広めたい」という思いがあったという。2010年に母国・中国から早稲田大学に留学。創造理工学部総合機械工学科に在籍し、3D製図ソフトを使って車、飛行機や、IoT(Internet of Things)のデバイスをつくったりしていた。

その後、大学の「ベンチャー起業家養成講座」を受講し、3年次のビジネスコンテスト優勝をきっかけに起業。自己資金500万円からのスタートだったが、コンテスト優勝の特典として、オフィスを無料で借りられたり、ベンチャーキャピタルからの出資を受けられたりなど、ビジネスをしやすい環境を得ることができたという。

起業するうえで最も苦労したのが、版権の取得。出版社やアニメ制作会社に交渉を持ちかけるも、「実績がない」と断られることもしばしばあったという。しかし、そんな言葉に屈することなく、「どんな問題も解決できないことはない」との強い信念をもって、粘り強く交渉を続けていった。その結果、約30名の漫画家やイラストレーターとのコラボを実現するに至った。

そもそも理系出身でありながら、サブカルに特化したビジネスに挑戦しようと思ったのは、なぜなのだろうか。「モノづくりビジネスにおいて、他社との差別化を図るためには、商品の『使用価値(機能性)』ではなく『付加価値』が重要であると考えました。独自性があり、なおかつデザイン性などの『付加価値』があるものは何かと考えた時に、サブカルという分野に行きつきました」と王氏。

また、中学生の頃から『少年ジャンプ』を愛読。『ワンピース』や『ドラゴンボール』などのマンガが好きだったことから、「好きなことであれば、ずっと探求心をもち続けられる」と思ったことも理由のひとつだという。経営者としてのモットーは「仕事を仕事と思わないこと」。日頃から何事も“楽しむ”ことを心がけているという。

目標は、3年後に年商10億円!
日本に“痛部屋文化”を根付かせたい
将来の展望

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©和遥キナ

衣食住のなかで、世界に比して日本が最も遅れているのが「住」の分野だといわれている。欧米や中国では賃貸住宅でも自由に改装するのが当たり前であるのに対し、日本は「原状回復義務」があるため、“自分好み”に部屋を改装するのは難しい。こうした慣習を打破すべく、不動産会社と提携して、「自分好みの部屋をつくるカルチャーを日本に根付かせたい」と王氏は語る。

今後は、アニメやマンガだけでなく、アイドルや猫など扱うジャンルを広げていくことで、「世の中の人がもっと楽しめる社会をつくりたい」とのこと。また、さらなる事業の拡大を目指し、中国の大手旅行会社と提携したり、自社ホテルを運営したりするなど、海外展開も視野に入れている。

2016年5月には、ゲーム好きな人向けに好みのソーシャルゲームのグッズが無料で定期的に届く新サービス「2.5BOX」をリリース。「3年後の年商10億円」を目指し、今後も様々な挑戦を続けていく計画だ。さらに「起業に向いているか向いていないかは、やってみないとわからない。後悔するくらいなら、失敗を恐れずにチャレンジしたらいい」と起業を目指す若者へのアドバイスもいただいた。

最後に王氏にとって「仕事とは何か」と聞いてみると、「生きる意味そのもの」という力強い答えが返ってきた。熱い志と諦めない心をもった若き起業家の今後の動向に注目だ。

株式会社SO-ZO
代表者:王冉(おうぜん)氏 設立:2014年4月
URL:http://so-zo.co/ スタッフ数:16名(契約社員を含む)
事業内容:
・アニメ、マンガ、ゲームに特化した空間プロデュース・インテリア商品の企画、製造、販売

当記事の内容は 2016/05/26 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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