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大挑戦者祭2007 レポート

開催日:2007年3月11日  会場:東京・赤坂プリンスホテル

中部エリア

DSを活用した音楽検定事業

2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 中部エリア代表選

団塊世代と後輩をつなぐコミュニティサイト「熱民」

2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 中部エリア代表選

食卓に笑顔とサプライズを運ぶ「幸福の種」

2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 中部エリア代表選

大学の助教授と学生で設立した会社が作る、新しい奨学金制度

2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 中部エリア代表選

「感性日本語学習システム」

2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 中部エリア代表選

「あなたは落とし物で困ったことはありませんか?」

2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 中部エリア代表選

いつでも気軽に利用できる「こころのコンビニ」で、日本中の悩みをライブで解決

2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 中部エリア代表選

DSを活用した音楽検定事業


「子どもたちがもっと楽しみながら、たくさんの音楽を知ってくれたら…」そんな願いと夢を込めた、DSを活用した音楽検定事業でエントリー

「さて、この音楽はどこの国の音楽でしょう?」
ベートーベンをイメージしたべー博士からクイズが出され、モーツァルトをイメージしたモー様が答えを解説する。そんなクイズ形式の楽しい音楽学習を、子ど ものための音楽検定に発展させたいとエントリーした有村さん。ステージにはニンテンドーDSを手にした小学6年生のお子さんとともに登場。ピアノの先生ら しい、よどみのない明るい口調に加え、お子さんが会場に降りてDSを見せて回ったり、ラジカセを使って音楽クイズを紹介したりと、工夫を凝らしたプレゼン で会場の笑顔を誘っていました。

「ピアノ教室でこれまで120人ほどの生徒を教えてきましたが、子どもたちが家庭であまりに音楽に親しんでいないことが、ずっと気がかりでした。そ こで、もっと音楽を知ってもらいたいと、クイズ形式の勉強会を実施したところ、とても好評だったので、これを使って楽しみながら検定がとれるようにできな いかと考えたんです」。
『三重県女性起業家コミュニティ』のパートナーである房川真理さんと二人三脚で事業計画をブラッシュアップし、大人気の

DSを活用することで、子どもたちが自分から遊ぶような感覚で学んでくれるスタイルを考案。数年後には検定事業から、作曲コンテスト開催や著作権を管理するなどのマッチング事業へと大きく発展させていきたいと考えています。

審査員の方々からは「この形式で検定をとるのは難しいのではないか」「検定という言葉を使わず、ゲーム感覚でいった方がいいのでは」など、さまざまな意見がありましたが、名学館の佐藤さんからの「資金提供」の札と、セミファイナル行きのチケットを見事手にした有村さん。
「どう評価されるかとても怖かったのですが、いろんな方からアドバイスをいただき、とても勉強になりました。熱い思いだけでなく、それを発信していくことが大事なんですね。まだまだ未完成ですが、必ず実現しようと思います」と話す、輝く笑顔が印象的でした。


有村敦子氏
ピアノ教室主宰。およそ20年のキャリアを持ち、子どもたちの音楽教育に携わる。IT講師の房川真理さんと『三重県女性起業家コミュニティ』として活動するなかで『子ども音楽検定協会』を立ち上げ、エントリー。小学6年生と中学生の母親でもある。

団塊世代と後輩をつなぐコミュニティサイト「


世界初! Web2.0で世代間の知恵の還流をかなえる
団塊世代と後輩をつなぐコミュニティサイト「熱民」

「現場に立って、世の中のためになる仕事を手がけたい」。2006年春、浅見さんはソニー本社事業戦略部の統括課長という恵まれた環境から飛び出し て独立。そして40ものビジネスモデルを考案しました。そのなかのひとつが、今回エントリーしたコミュニティサイト「熱民(あたみ)」です。

団塊世代700万人が定年を迎えることから、さまざまな問題が叫ばれている昨今。インターネットを通じて団塊世代の余暇と意欲を役立て、その問題の 解決に一役買おうというのが、この「熱民」です。「今年は団塊ビジネスが熱い!」と始まったプレゼンテーションは、抜群の説得力で7分間が短く感じられる ほどでした。

「彼等の経験や知恵は社会の財産。初心者でも使いやすいコミュニティのなかで人生ブログとしてその財産を公表してもらうことで、世代間のコミュニ ケーションにも発展させていきたいです」と意気込む浅見さん。「ここで先輩の波瀾万丈の人生経験を読み、個人的に相談することで、現役世代は勉強になった り、勇気をもらったりできるし、団塊世代は自己実現や社会貢献、お小遣い稼ぎもできる。みんなが幸せになれるんです」。

応募からこのプレゼンまで時間があったため、試運転で立ち上げてみたところ、パソコン教室を運営するNPOや団塊向けのフリーペーパー、懐メロのサイト、生命保険、住宅ローンなどから引き合いが殺到しているのだそう。

「さらに、この還流サイトをパッケージシステムとして、企業の現場向けに販売する方向でも進めています。現場のノウハウやアドバイスなどの交流が簡単にでき、コスト効率もいい。こちらも引き合いが来ています」。

完成度の高い浅見さんのプランにメンター審査員も絶賛。「一度聞いたら忘れないネーミングがとてもいい」「社会性が高いので、行政からアプローチするとさらにビッグになるのでは」と評され、販売協力、資金提供、業務提携の札が上がりました。

落ち着いた存在感あるプレゼンでファイナリストに選ばれた浅見さんは「みなさんがいろんなご意見や励ましをくださるから、世に出ていけるんだと思います」と感激。ビジネスの成功を誓っていました。


浅見彰子氏
熱民株式会社代表。工学士。ソニーで技術・企画・組織運営・導入・他社との協業といったネット事業のあらゆる側面を経験。2006年春に退社し、独立。中学生の母であり、地元熱海での地域活動に参加するなど「ふつうの主婦」感覚も大切にしている。

食卓に笑顔とサプライズを運ぶ「幸福の種」


一粒一粒に刻まれた文字から幸せが生まれる。
特許技術と日本文化への思いを武器に、チャレンジ!

米、穀物、豆類の一粒一粒に文字やイラストを刻印できる「微細加工刻印技術」を使ってビジネスプランを展開している岡田さん。今までにない技術と、意気込みがはっきりと伝わる鮮やかなプレゼンテーションで注目を集めました。

縦3ミリ、横5ミリの赤米に「ありがとう」の5文字が鮮明に刻めるこの技術は、国内の特許を取得し、国際特許も申請中。米や大豆をはじめ、アーモンド、ピスタチオ、コーヒー豆など、粒状のさまざまな食材に対応できるとあって、メディアでも取り上げられました。

「私は技術畑の人間ではありません。経営コンサルタントを通して、企業の売上アップに何か良いアイディアはないかと考えていたときに思いついたの が、この刻印技術なんです」と話す岡田さん。実際、落花生を名刺にした食べられる名刺「タベルメ」や、「おめでとう」と刻んだ豆を使った赤飯など、思わず 顔がほころぶ商品を誕生させ、すでに引き合いも来ているそうです。

岡田さんのプランをさらに魅力的にしたのは、日本の食文化や良き言葉の伝承を大切にしている点でした。言葉に言霊があるように、文字にも文字心(も じだま)があると考え、刻印機のことをレーザーマーカー「しあわせくん」と命名。刻む文字も「ありがとう」「おかげさま」「おめでとう」「幸せ」「元気」 「健康」など、人を幸せな気持ちにするものをセレクトしています。「これを食べることによって、身体の細胞から元気になれるんです」。

そのメッセージ性のあるポリシーとオリジナリティあふれるプランに、メンター審査員も共感。「すばらしい技術ですね」「方向性に共鳴できます」「もっと高く売りましょう」と、販売協力、資金提供の札が次々と上がりました。

「元祖健康食品の豆類などに、私たちが開発した特殊技術で文字心(もじだま)をプラス。それによって、笑顔や幸せ、健康を全国に広め、どんどん幸せの種まきをしていきたいです。本日は本当にありがとうございました!」


岡田薫彦(くにひこ)氏
株式会社ありがとう取締役。大型量販店地区統括マネージャーを経て独立、ショップ経営に携わった後、人材育成、販売促進コンサルタントに。2006年株式会社ありがとうの設立に参加、商品企画、営業を担当している。

大学の助教授と学生で設立した会社が作る、新しい奨学金制度


学生よ、もっとビジネスにふれよう!
大学の助教授と学生で設立した会社が作る、新しい奨学金制度のカタチ。

静岡大学助教授の佐藤さんは、学生とともに設立した「株式会社デザインルール」でエントリー。優秀な学生のモチベーションを高め、さらにそれを企業の人材不足解消に役立てる、アメリカ型のメリットスカラシップの輸入を目指してプレゼンテーション開始!

「最近、経済的な理由で大学にいけない若者が増えています。また一方で、大学に通っていれば、優秀な成績を修めなくても卒業できるという側面もあり ます。能力を活かさないままなんとなく大学生活を過ごしている学生たちがもっとやる気を出せる環境、そして学びたい人が学べるという環境を作れないか、と 考えたのが今回のプランです」。

協力企業からの援助を得て奨学金制度を立ち上げ、学生に学費を貸し出し、そのなかから優秀な3割の学生には返済を免除。「借りる」から「もらえる」 になることで、学生は勉強するモチベーションを維持することができ、冠スポンサーになった企業は、知名度・好感度アップと優秀な学生の獲得、社会貢献がか なうといいます。「学生のうちに企業とコミュニケーションが取れるのも魅力です。社会からの反応が学生をやる気にさせる。学生と協力企業との幸せな関係が 作れると思うんです」。

大学助教授と学生が協力して作り上げたビジネスプランに、メンター審査員からは「NPOでやってはどうか」「出資する側のメリットが伝わりにくいの で、学生側からだけでなく、企業側のバリューを考えて」など、経営者らしい意見が出ましたが、ドリームゲート・チーフプロデューサーの吉田さんからは資金 提供検討の札が上がり、実現へ一歩近づいたようです。

「今回は経営する側の方々の意見が聞けて、とても参考になりました。大学内とビジネスシーンとは雰囲気が全然違う。大学に閉じこもってばかりではいけないと、あらためて実感しました。さらに外に目を向けて、学生とともにがんばっていきます!」


佐藤哲也氏
静岡大学 情報学部情報社会学科 助教授。三和総合研究所、三和銀行、東京工業大学大学院研究科助手を経て、現職に。2006年9月に産学連携環境として株式会社デザインルール」を学生とともに立ち上げ、大学関係者限定のSNS「つながル!」を運営中。


シーンに合わせて簡単に日本語学習問題を作れるソフトウエア
「感性マルチメディア・エンジン」で大学院生が勝負!

感性工学とは、人と人とのやりとりからものを作り出す学問のこと。信州大学の感性工学科で視聴覚教育を研究するグループが開発したのは、その仕組みを利用した外国語学習のための問題作成ソフトウエア。その名も「感性マルチメディア・エンジン」です。

これは、コンピュータ内の映像や音声ファイルと質問項目を打ち込んだファイルを指定するだけで、10個のテスト問題を簡単に作ることができるというもの。今のところ試作品のレベルですが、最初のターゲットは、日本への留学生の6割を占めるといわれる中国人です。

「日本語学習の研究をするなかで中国人留学生と話す機会が多いのですが、中国での日本語の教科書は古くて、今の日本人の日常会話ではないとか、文章 と白黒のイラストで構成された読み書き重視のものが多く、話す・聞くというコミュニケーションの部分が学びにくいという声をよく耳にしたんです。そこで、 聴覚・視覚に刺激を与える音声や映像を使った問題を簡単に作れたら、教材不足が解消するのでは、と考えました」。

今まではこういった教材を作るには手間と時間がかかっていましたが、これがあれば、シチュエーションやレベルに合わせてナチュラルな会話問題がすぐ に作れるとのこと。また、今までのeラーニング用のテキストと違ってキャパシティはないので、無限の素材を使用できるのも魅力です。

実はこの日、代表の田中さんが風邪で欠席するというアクシデントがあり、急遽ステージに上がった山田さんは、やや戸惑い気味。「どこで流通していく か、落としどころを考えて」「インターネット上でフリーでやったら?」などのアドバイスから「まだ若いんだから、ビジネスを大きく考えよう!」「経営者に なるなら、這ってでも来なきゃ!」という叱咤激励まで、若者への期待を込めた言葉が飛び交いました。

「学校内でしか発表をしたことがなかったので、アガってしまいましたが、いい経験になりました。経営者の方々の意見はさすが。いただいたアドバイスをもとに、さらに研究を進めたいです」と山田さん。一流のビジネスの場に初めて触れて、いい刺激を受け取った様子でした。


田中裕樹氏(プレゼンは山田隆介氏)
信州大学 繊維学部 感性工学科 マイケル・ハニウッド研究室所属。研究のなかから生まれた外国語学習ソフト「感性マルチメディア・エンジン」をひっさげて学生3人グループでエントリー。

「あなたは落とし物で困ったことはありませんか?」


「あなたは落とし物で困ったことはありませんか?」
財布をなくして困った体験が、新たなビジネスプランを生み出した!

キャッシュカード、クレジットカード、運転免許証、保険証……。財布には、現金のほかにも重要なものがたくさん入っています。それらは、なくなると 困るものばかり。個人情報の漏えいにもつながりかねません。長崎さんは、ご自身が実際に財布を紛失したときに、たくさんの解約や再発行手続きをしなければ ならず、本当に大変な思いをしたのだそうです。「そのとき、インターネットや携帯電話の技術が発達した現代で、どうしてこんなに困惑する出来事が起こるの か、避ける方法はないんだろうかと考えたことが、このビジネスプランのきっかけになりました」。

長崎さんが提案するのは、財布を落としたときに携帯電話が警告してくれるシステム。携帯電話に受信チップを組み込み、財布には携帯電話と通信できる Blue tooth送信チップがついたカードを入れることで、設定距離から離れると、「落としました!」と携帯電話が知らせてくれる便利なものです。特許も出願済 みで、携帯電話各社やメーカーなどとのロイヤリティ契約を目指しています。さらに、通行中の地域のセキュリティ情報を携帯電話でキャッチできたり、欲しい 商品がお店に入荷していることを教えてくれる『もうひとつの目』になることも視野に入れているといいます。
「かなり規模が大きい話ですし、私の得意ジャンルの技術とも違う。資金も技術も不足しているのが現実です。私が形にするのは難しいかもしれませんが、実現すれば世の中のためになるので、誰かが役立ててくれれば…」と長崎さん。

審査員からは「発想はいいけれど、大手が考えていそうだから、もうひとひねり欲しい」との指摘もありましたが、「売れそうだから作るのではなく、価 値あるもの、必要なものを作りましょう!」と大きな声で元気よくプレゼンを締めくくった彼に、「がんばれ!」とたくさんのエールが贈られました。

「世の中のために」と考える28歳のチャレンジは、まだまだ続きそうです。


長崎光芳氏
フォーディメンションポケット代表。パソコンソフト開発の仕事を経て、2006年10月より通販商品、代理販売をメインとしたネットショップ事業を運営。 また、パソコンプログラムデザイナーとしても活動する28歳。得意ジャンルとは違うが、世の中のために発案したいとエントリー。

いつでも気軽に利用できる「こころのコンビニ」で、日本中の悩みをライブで解決


いつでも気軽に利用できる「こころのコンビニ」で、
日本中の悩みをライブで解決、欧米並みのメンタルヘルス普及率を目指す!

カウンセラーの松井さんのプランは、24時間年中無休で、いつでも気軽に利用できるインターネット・カウンセリング・サービス「相談どっとコム」。「あなたに一番近い、こころのコンビニがここにあります」をキャッチコピーにした会員制のサイトです。

「鬱症状や自殺、いじめに悩む子どもたちなど、こころの悩みは増える一方です。しかし、カウンセリングは、利用することで周囲に病気と思われてしま うなど、敷居が高いんですね。日本のメンタルヘルスへの意識は、欧米と比べて10年から20年は遅れているといわれていますから…。そこで、現状を少しで も良くしたい、もっと気軽にメンタルヘルスを利用してもらいたいという思いで、インターネットでいつでもつながる、このサイトを立ち上げました」。

利用者は会員登録し、1分100円のポイントを購入しますが、Webカメラとチャットを使うライブチャットシステムを用いることで、通信料は無料。 また、いじめや家庭内のことなど誰にもいえない悩みを相談してもらおうと、18歳以下を無料にし、現在、賛同してくれるカウンセラーとともに運営していま す。

実はこのようなインターネットでのカウンセリングは、アメリカでは何年も前から普及しているサービス。しかし、日本では、まだまだ風当たりを感じて いるといいます。メンター審査員からも「意義のあることだが、有料にするのならブラッシュアップが必要」「アメリカにあって日本にないわけは?」など、日 本で普及させることの難しさを指摘する意見や質問が出ていました。

「懐疑的な意見が出ることは承知ですが、敷居の低いメンタルヘルスサービスを目指していきたいんです。これからは、カウンセラーの数・質をさらに充 実させ、将来的にはメンタルクリニックなどの医療機関への橋渡しにもなれたらと思っています」と熱く語る松井さん。プレゼン後の懇親会でも「普及のために は、認知度が必要です。ぜひ、御社の目立つところにポスターを貼ってください!」と会場でポスターを配る姿が見られました。その熱意によって日本人の悩み が軽くなる日も近いかもしれません。


松井晋一郎氏
有限会社こころ工房代表。産業カウンセラー。2002年より開業。去年9月より「相談どっとコム」の運営を開始する。