開催日:2007年3月11日 会場:東京・赤坂プリンスホテル
2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 関東エリア代表選
2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 関東エリア代表選
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2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 関東エリア代表選
2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 関東エリア代表選
2007/01/14 [大挑戦者祭2007エリア代表選] 関東エリア代表選
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プロフェッショナルオタク集団が提供する
セキュリティコンサルティング
コンサルティングという形のないものを提供するビジネスだけに、信頼性を得るためには、プレゼンテーション力が重要となります。さて、審査員の反応はどうでしょうか…?
現在、法人化に向けての準備を進行中というインターナショナルな4人組。海外でインターネットセキュリティ関連の仕事をしてきたというケイレブさん
らは、まず最初に、日本企業の情報セキュリティに対する意識が世界レベルで見るとまだまだ未熟であることに、警鐘を鳴らしました。さらに、いざというとき
に頼れる専門家が少ないことに気づき、そこにビジネスチャンスが存在すると確信し、起業を思い立ったといいます。悪質ハッカーの目線で企業のシステムのセ
キュリティレベルを検証し、改善点を提案するコンサルティング業務のビジネスプランは、腕に覚えのあるプロフェッショナル集団ならではのものです。パワー
ポイントをフルに活用して、具体的な数字や例を効果的に使いながら、株価の下落だけでなく、ブランドイメージにも大きく影響する情報漏えい問題の重要性を
訴えました。
「私達には大手企業にない、非常に洗練されたセキュリティの技術と知識と経験があります。これは絶対に負けません」と断言。国際的なシーンを渡り歩いてき
たビジネスパーソンならではの、意気込みと自信が伝わってきました。世界中に点在しているセキュリティのアナリストを集めてくることができるネットワーク
を持っているのも、国際色豊かな彼らのチームだからできることでしょう。
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研究者の利便性を追及した論文検索システムの構築で、バイオ研究を活性化
エントリー者である、株式会社バイオインパクト代表取締役杉原さんが、急遽来られなくなったため、同社執行役員の三谷慶さんがプレゼンターに。杉原さんは 昨年関東大会決勝まで勝ち進むも敗退。その時、ギャラリー席にいた三谷さんと意気投合し、一緒に起業したのだそうです。今回は、昨年の雪辱戦の意味合いを 込めての参加となりました。
「「生命」を問い続ける」が、バイオインパクトのコンセプト。杉原さんは起業までの5年間、バイオ研究分野における販売営業を経験してきました。そ して、たくさんの研究者たちと話をするうちに、研究環境の現実が見えてきたと言います。そして、1点明らかになったのが、この分野では意外なことに、まと もな情報メディアがないということ。研究者にとっては、新しい論文の情報がとても重要で、毎日のように論文検索が行われるのに、その検索サイトの数が少な く、利便性にあまり優れていないのだそうです。
そこで、バイオインパクトでは昨年末に「ATGCチェッカー」をカットオーバー。ただ、大きなデータベースから論文を引っ張るだけの既存のサービス とは違い、「論文の主旨を表示」「複数キーワードを同時検索」「最新バイオ関連ニュース」「メーカーニュース(広告)」といった、新たな機能を充実させま した。すると、開始からわずか60日で、平均50000PV/月を獲得。これは最大手のサイトの約25%に匹敵する数字で、用意した広告枠はすでに埋ま り、いくつか出稿を断るほどの状態なのだそうです。
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今後はさらに高額な研究機器を、ギャザリングで割引購入できるシステムや、各メーカーのサンプル配布、出稿している広告のキーワード検索など、新たな機能やサービスを追加し、さらなる利便性と、業界の活性化を目指します。
「生命」を問い続ける、ことを、バイオインパクトは直接研究に関わることで取り組むのではなく、研究者たちの研究環境を改善するという方向からアプ ローチ。環境が整えば、研究は効率化し、発展の速度も高まるはず。このサービスを使用するのは、主にバイオ研究者であり、一部の業界に限った印象を受けま すが、サービスが機能することで恩恵を受けるのは、日本中のみならず世界中の生命が対象なのです。![]() |
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メディカルレシピとレストランで、医食同源の予防医療を
病気を治す医療ももちろん重要ですが、予防医療が発達し、皆がそれに努めれば、そもそも病気にかかる人が少なくなる。だからこそ予防医療の発展と普 及に貢献したいというのが、原さんの事業プランの原動力になりました。原さんは現在明治大学農学部に在籍中。研究室で、自ら発生工学の研究を行っていま す。「医食同源」をキーワードに、原さんが考える事業プランが「医食連携による予防医療を実現させるメディカルレストラン in 大型医療施設」です。
現在は、遺伝子レベルで病気の原因などを解明できる、ゲノム医療の技術が向上。特にガンや成人病の予防に役立つそうです。毛髪や唾液より採取したゲ ノムデータから、オーダーメイドのメディカルチャートを作成し、それをサイト上の個人用ページにアップ。管理栄養士や飲食業界と連携して、おいしく食べて 病気を防げるメディカルレシピを販売し、さらにはそのレシピに対応した料理が食べられる、メディカルレストランを大型医療施設内につくりたいと考えていま す。このメディカルレストランでは、液体窒素、真空調理、乾燥室利用といった、特殊な調理技術を駆使して、メディカルチャートを作成していない人でも、体 にやさしい料理が楽しめるメニューを用意。健康を願う誰もが利用できる場所にしたいそうです。
「レストランはもちろん、ゲノム分析ができる施設や、チャート作成のシステム、有機野菜の仕入れやレストラン出店など、初期投資が莫大な金額になる のでは?」というネットイヤーグループ代表取締役 石黒氏の質問に、「今、自分が通っている明治大学農学部と提携できれば、研究室にある様々な設備やシステム、農園も借りることができます」と答える原さ ん。現在も大学で研究中であることが有利に働くわけです。
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「女性たちの関心が高いダイエットにも応用できないか」という、デジット株式会社代表取締役社長 舩川氏の新たな提案も出たところで、プレゼンは終了。
「僕の祖父がぜんそくで亡くなったんですが、実はぜんそくになりやすい遺伝子を持っていたというのが大きかったらしくて……。それが早くわかって、 予防治療ができていたら、もっと長生きしてくれたかもしれない。そんな風に救える人は、たくさんいるはずなんです」と、事業立ち上げのきっかけを語ってく れた原さん。もしもこの事業が成功したら、レストランまで足を運べない人のための宅配サービスを展開したいのだそうです。![]() |
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廃棄物が健康食品に生まれ変わる、シニア世代の挑戦
長年、生果物流通業に従事してきたという福澤さんは、産業廃棄物として捨てられるだけだったたまねぎの外皮に着目しました。私たちが思いもつかな かったような素材に注目したわけは?そしてその効果は?長野県からエントリーした、シニア世代の挑戦者・福澤さんのプレゼンテーションに、会場も興味津々 の様子でした。
日本人が忘れかけている「もったいない」という精神と、自身が経営する野菜加工工場で処理に困ったという現実的な問題から、たまねぎ外皮利用のため
の研究を始めたのが始まりだそうです。その結果、たまねぎの外皮にはケセルチンやフクロオリゴ糖といった健康素材が含まれており、中身の7~20倍の栄養
成分があることがわかったのです。このたまねぎ外皮を使って福澤さんが最初に開発したのは豚の飼料。「白豚が黒豚に変わった」と評されるほど、格段に味の
よい豚になったそうです。自然の素材を使うことで生物が本来持っている生きる力を発揮することができるのだと確信し、生活習慣病やメタボリックシンドロー
ムが気になる現代人の悩みを解消するべく、たまねぎ外皮を粉末化した健康機能性食品の開発にも着手しました。その結果に満足した福澤さんは、現在、りんご
ジュースの搾りかすや酒かすにも注目し、再利用の実験に取り組んでいるそうです。
「シニアベンチャーは人的なネットワークがあります。技術もあります。そして、そこそこの知識もあるのです。しかし残念ながら、古い人間なので縦割り志向
が強いのです」といった冷静な分析をしていました。そして、その分析の結果から、シニア層に不足しているマーケット拡大の支援・協力を呼びかける姿は、さ
すが長年のキャリアの重みを感じさせられました。
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環境問題の側面からも社会的意義のある事業に、審査員も興味津々。特に外食産業を営む審査員の方々からは、「カレーのルーに使いたい」「たまねぎ外 皮飼料を食べて育った豚を(うちの店でも)使わせてもらいたい」など、かなり具体的に業務提携を希望するコメントも飛び出していて、その事業の成功感度の 高さがうかがえる一面もありました。
見事、ファイナルステージへの切符を手にした福澤さんは、「高齢化社会の中で、やっと自分の求めていたものが見つかりました。団塊世代が、今までの 経験や知識を生かして、力を発揮できることを示せたのではないかと思っています」と語り、自らの仲間ともいえる、団塊世代へエールを送っていました。![]() |
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特許申請中の検索技術+音声認識で新たな検索エンジンを
東海大学発の学生ベンチャーとして、昨年末に設立されたばかりの㈱ロードソサエティ。若き企業家の目指すものは、まったく新しいタイプの動画検索エンジンでした。
インターネットのブロードバンド化に伴って、動画共用サイトやP2Pネットワークが登場したことによって、インターネット上の動画を楽しむのは今や
当たり前のこととなっています。しかし、インターネットで動画を検索してみても、なかなか自分の求めている動画に、ヒットできないのが今の現実といえま
す。
アニメが好きだという三島さん、「自分の趣味嗜好に合った動画を簡単に検索できるようにならないだろうか?」という個人的なニーズが、このビジネスプラン
を練る出発点だったそうです。その後、自身の所属している東海大学の特許申請中の検索技術の存在を知り、この技術と音声認識エンジンを組み合わせた動画検
索エンジンの開発を思い立ちました。動画内の音声を自動テキスト化することによって、従来のタグ検索ではヒットしなかった台詞や歌詞での検索を可能にしま
した。さらに、自分自身の趣味嗜好までも反映された検索結果が、表示されるという画期的な仕組みが完成したのです。この開発は、自分と同じように動画検索
に不満を持っていた友人、教授らとともに着手し、起業に至ったといいます。自らの経験によって不足していると感じたサービスが、実を結んだのです。
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一般ユーザーに無料でこの動画検索エンジンの利用を提供、広告の表示やアニメ制作会社などのコンテンツホルダー向けに、不正動画監視検索事業を行うというのが三島さんのビジネスプラン。
専門用語をなるべく使わず、開発中の検索エンジンのデモを見せながら具体的な例を多くあげての説明は、ITが苦手!という人にもとてもわかりやすいものでした。
身振り手振りを交えたり、客席にマイクを向けたりと、尊敬するスティーブ・ジョブズを意識したというプレゼンテーションパフォーマンスは、審査員に も大好評。たくさんの札があがりました。その内容は、「社長のキャラクターで販売協力の札を上げました」という審査員もいたほどです。まだ21歳という三 島さん、ジョブズを超えるカリスマ企業家になる日を楽しみにしています!![]() |
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宇宙ビジネスには「夢がある」。
しかしそれはもはや「夢ではない」。
ビジネスパーソンであろうと、主婦やセレブであろうと、お金を出せば宇宙に行くことが可能になる…。「宇宙旅行」というSFの世界にしか存在しない と思っていたものが、今、現実のものになろうとしています。とはいえ、そう聞いたとしても、私たちにはなかなか真実味が湧かないのも事実。しかし、「宇宙 ビジネス」という前人未到の分野に参入しようとする男の決意は固かったのです。そして、プレゼンテーションを通してその男のひたむきさに触れ、多くの人た ちがその可能性に魅了されていく様子が、印象的なステージになりました。
会場のモニターに宇宙船の映像が流れる中、「当社の制服です」というつなぎ姿で登場した山崎さん。彼が語りだしたビジネスプランは、未だかつてないほどの壮大なものでした。
国際宇宙ステーションの管制官をしていた山崎さんは、日本で2人目の女性宇宙飛行士である角野直子さんと結婚。妻を支えるために退職し、主夫業をこ
なすことにしたそうです。しかし、宇宙への夢を捨て切れなかった山崎さんは、子育てが一段落した昨年、㈱アストラックスミッションサービスを設立。壮大な
る宇宙を相手にしたビジネスを、始めようと一大決意をしました。
「宇宙であなたの夢を実現します」という事業プランのタイトル通り、民間宇宙船を利用して、宇宙でお客様のさまざまなニーズに合わせたサービスを展開した
いという山崎さん。自らが民間商業宇宙飛行士(ミッションコマンダ-)となって、単なる宇宙旅行の添乗だけではなく、宇宙でのCMや映画撮影、宇宙結婚式
など、あらゆる商業ミッションを実現していきたいと語りました。
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さらに、話が宇宙食や宇宙ウェアの開発・販売の話に及ぶと、山崎さんのプレゼンテーションに引き込まれた審査員たちのテンションもさらに上がり、「協力したい」という声もあがっていました。
「これからは(宇宙に)お金を払って個人で行くのではなく、出張費で宇宙に行くのが可能になるのではないかな、と思います」という言葉、山崎さんか ら飛び出したのには驚きです。それもそのはず、現在、アメリカで開発中のロケットプレーンXPは、2008年には民間宇宙旅行を開始予定。宇宙ビジネス は、もはや絵空事ではな区、私たちの身近なものになりつつあるのです。![]() |
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SNS式クチコミ学校情報サイトを大学全入制時代に向けて発信
今回、会場中を驚かせたのが脅威の高校生参加者。それが、株式会社情報プラネットの代表取締役、山本さんです。山本さんはなんと中学生の頃に個人事 業を立ち上げており、HP作成代行業や、株式予想サイトなど様々な事業に取り組んできたそう。今回は、高校生であるという自身の現在の立場を活かし、受 験・学校情報クチコミ共有サイトを考案しました。
少子化に伴い、近い将来、大学も全入制の時代になると予想されています。大学側も生徒獲得のため、様々な施設をつくったり、新しい学科を創設したり と、学校選びの判断材料も多様化。もはや、ブランドや進学率だけで選ぶ時代ではなくなります。そこで山本さんが有効だと考えたのが「クチコミ」形式。さら に、あらゆる書き込みがまとまりなく掲示され、書き手の素性が不明瞭で荒らされやすい掲示板ではなく、メッセージ機能で個人同士のやりとりがしやすく、荒 らされにくいSNSが、情報共有に最も適していると判断したそうです。確かに、SNSのメッセージ機能を使えば、Q&A方式で、自分がほしい情報 をピンポイントで手に入れることができます。
さらに、このクチコミサイトに付帯して、学校関連の商品販売、学校資料請求システム、検索連動広告などのビジネスプランが可能。
ユーザーへの情報提供に関しては、入試要項、学部情報、クチコミ公開などを無料で公開し、講義の動画、メルマガ、教授コメントなどを有料にと、一部から収益を得られるシステムが用意できます。
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すでに、大手情報会社が進学サイトを持っていますが、そことの差別化はアクセス率ではかる予定。クチコミするたびにポイントを加算したり、コミュニ ティがあれば、現在のSNSがそうであるように、1日に何度もアクセスする人が増加。そこが、閲覧のみの進学ネットと違う点です。
ビジネスプランはしっかり構築しつつ、やはり高校生の力では補えないところも多いそう。資金提供者、経営陣、プログラム技術者を求めているというこ とです。そんな山本さんに、審査員から業務提携が2本、資金提供検討が3本、オフィススペース提供検討が1本、計6本の札があがりました。「皆、投資した くなるよね」というのが、最後の株式会社エイチワイシステム代表取締役安田氏の総評。
卒業後は大学に進学し、勉強と事業を両立させる予定だそう。自身の学校選びの経験が生んだ新しいクチコミサイトが、山本さんに続く学生たちに活用される日も遠くはなさそうです。![]() |
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自身の研究テーマを用いて「夢の世界」の実現を志す!
SF映画に出てくるような3D画像が溢れる近未来的な世界。そんな世界を実現したい…という伊藤さんが提案するのは、三次元画像を使った広告事業。
「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『スター・ウォーズ』のような夢のある世界を実現したい」と、大きいながらもわかりやすいたとえで始まった伊藤さんのプレゼンテーション。
トップバッターということもあり、わずかに緊張も見られましたが、三次元画像技術は、東京大学大学院在学中である伊藤さんの研究テーマ。その技術を使って世の中を動かしたいという熱い思いが伝わってきました。
「3D広告なら商品の形や大きさがよくわかる。たとえば携帯電話がどのくらい薄いのか、あるいは旅行の広告ならばその場にいるような臨場感も感じることができる」。
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そして何より、三次元画像の広告利用を考えた理由は、「まだまだ一般に普及しているとはいえない三次元画像の認知度を高めるためには、多くの人々の目に触れる必要があると思うから」とのこと。
3D眼鏡などの特別な装置を必要とせず、長時間見ていても疲れることが少ないというこの技術を使い、将来的には静止画像だけでなく動画を用いて映画やゲームなどの開発を進めたい…と伊藤さんの夢は広がります。
審査員からは「広告だけでなく、交通標識などに使っても面白いのでは?」という意見も飛び出すなど、さまざまな展開が期待できそうです。![]() |
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特別な装置は必要なし!従来の方法のまま入力作業を簡便化
ビジネスにおいて、膨大な量のデータ入力作業が発生することは、しばしばあります。入力には、かなりの時間もかかってしまうし、入力ミスの可能性も 少なくありません。しかし人間というものはたとえ大変なことであっても、慣れてしまうとそれが当たり前と思ってしまいがちです。しかし今、一人の青年が、 この単純入力作業にかかる時間とコストを削減し、ビジネス効率を上げるという課題に立ち上がりました。
「皆さんは今、単純入力作業にどのくらいのコストがかかっているのか、ご存知でしょうか?」。声が大きく元気な印象の鎌田さんのプレゼンテーションは、そんな問題提起から始まりました。その答えは、なんと年間3兆2000億円もの数字に上るという。
橋梁のライフサイクルマネジメントシステムを設計・販売するために、東京大学大学院在学中に起業している鎌田さん。その際、大量のデータをパソコンへ入力
する必要が生じた時に、その手間とコストを何とか減せすことができないかと考えたのが、「AltPaper」だといいます。Wordのプラグインを使っ
て、アンケート用紙を作成。書き込みの終わった用紙をスキャナで読み込むだけで、サーバーで自動的にデータ化してくれるという画期的なサービスを開発しま
した。
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団塊世代に生きがいを、遊休農地に人材を、新事業がそれを叶える
この事業の発端は、豊田さんが300年も続くご友人の農家の現状を知らされたことにありました。知識も経験もないその友人は農業を放棄し、今は母親 が中心になって農業を営んでいるとのこと。しかし、やはり限界があるので、結局ほとんどの敷地が遊休農地になってしまっているのが現状だそうです。しか も、この深刻な事態が農家全体の問題になっていることを知った豊田さんは、遊休農地に従事する人材に、近年、定年退職を迎える、大量の団塊世代をマッチン グさせることを思いつきました。
審査員であるドリームゲート吉田さんからの、「遊休農地の問題に取り組んでいる企業はほかにもあるが、Farm Resortはどのように差別化を図るのか」という鋭い質問に、「今まで培ってきたエンターテインメントのノウハウを活かします」と元気に答えた豊田さ ん。トップバッターにも関わらず、まるでショーを見ているような動きと元気のあるプレゼンも、長年、世界的な大手テーマパークに勤務してきたという経歴を 聞いて納得。本格的な農作業、伝統的な日本家屋、囲炉裏、蔵、納屋、それら全てが豊田さんの目には「エンターテインメント」として飛び込んできたそうで す。納屋をゲストハウスにしたり、農地をテーマパーク化して人を集めたいというのは、豊田さんならではの狙いです。
さらに、手間ひまかけることに意義を見出だし、農薬を使用せずに野菜作りを行うことにより、出来上がった作物は貴重な無農薬野菜として、医療・治療施設に卸す予定。
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この事業プランには、深刻な遊休農地の増加から、企業の農地借り入れを許可した農地法のスタートも大きかったと言います。2005年にスタートした ばかりの若い法令ゆえ、今なら早期参入の優位性も獲得。また、厳しくなった農薬取締法も、無農薬農業にこだわるFarm Resortの農園事業には、逆に追い風になりました。
この事業が成功すれば、団塊世代の人々が、田舎暮らし、土いじり、新しい仲間との出会いを通じて、新たな生きがいを得られます。同時に農家の深刻な 人手不足、遊休農地の増加も解消、地域活性にもつながります。さらにはメディカル野菜を多く供給することで、薬に頼れない人たちに新たな治療の提案も可能 に。Farm Resortを中心に多くの人々が潤い、活気づく未来が待っています。![]() |
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メディカルレシピとレストランで、医食同源の予防医療を
宮内さんのチームが開発した携帯電話用アプリケーションツール「Whoo-La-Hoop」。そのアイデアのヒントは大きく2つあったそうです。
1つは、最近、携帯電話でのインターネット使用率が、PCを上回ったという点。そうなれば、携帯電話の広告ニーズは今後ますます高まっていくはずで す。そしてもう1点、現在大学生の宮内さんは、サークル内の連絡が全てメーリングリストで行われていることに不便を感じていました。例えば校内にいるメン バーで学食に行こうと声をかけたくても、メーリングリストでは、学校に来ていないメンバーにもそのメールが送られてしまう。同じような不便を抱えているグ ループは多いはず、これを解消できるサービスをつくれば、活用できる場は多いのではないか。これら2点の発想から生まれた「Whoo-La-Hoop」と は、コミュニケーションを目的とした、携帯電話待ち受け画面用アプリケーションツール。ユーザーがインターネットから「Whoo-La-Hoop」を無料 でダウンロードし、自分の趣味や、キーワード(先ほどの例ならサークル名など)を登録しておくと、GPS機能により、同じコミュニティのユーザーの位置情 報が、待ち受け画面に表示されるのです。そして、例えば同じ趣味の人と会ってみたいと思ったら、近くの場所にいるユーザーにメールでアクセス。
コミュニティ内でやりとりをするというのはSNSと同様ですが、「Whoo-La-Hoop」が大きく優れているのは、端末を携帯できるということ。つまり、いつでも、どこでも、会いたい時にすぐアクセスができるのです。
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このビジネスの収益は広告収入。「Whoo-La-Hoop」の特徴はユーザーの趣味と位置を特定できることにあります。共通キーワードは、通常趣 味となるものが多いと予想されるため、その趣味に関連した店や企業が、コミュニティメンバーに向けて広告を出す、もしくは近隣の範囲にいるユーザーに向け てのみ広告を出す、というように、大変高度にセグメント化された広告出稿が可能になるわけです。これら趣味の広告と位置の広告は1つずつ画面に表示される ようです。
ターゲットに設定しているのは、宮内さんと同じ大学生。まずはクチコミを狙ったり、様々なサークルにアプローチしていく予定だとか。「Whoo-la-Hoop」で、より手軽にコミュニケーションを広げてもらいたいというのが宮内さんの願いです。![]() |
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「好きでメシを食う」ビジネスモデルをスキーで実現させたい
宮園さんは壇上で展開する資料の最後を「スキな場所・スキな事でメシが食える環境の実現」で締めくくりました。今回宮園さんが発表したプランは 「Yukibito.com(ユキビトどっとこむ)」というスキー&スノーボードのポータルサイト。宮園さんは自身のスキーの経歴と、スキーに対する愛情 を糧に、この事業を進めたいと意気込みます。
自らを「スキー・プロシューマー」と名づける宮園さんは、約30年にもわたるスキー歴の持ち主。近年は、温暖化による雪不足、スキー場の閉鎖、そし て高齢化と、スキー業界には暗雲が立ち込めるばかり。これはスキー・プロシューマーとして黙っていられないと、スキーの再活性化に立ち上がったのです。
実は、スキーにはビジネスとしての魅力がたくさん備わっています。幅広い顧客層、スノーボードや温泉など、豊富な楽しみ方、保険などの周辺市場。ス キーはこれらのハブとなって機能できるものの、肝心なマーケット情報の取りまとめができるツールが存在していません。これでは消費者に情報が伝わりにく く、また、消費者のニーズも業者に伝わりにくい。そこで宮内さんは「プロシューマーの宝庫」「人が人を連れてくる習性」というスキーの強みを活かした、ス キー業界ならではの新しいマーケティングシステム「Yukibito.com」を考案したのです。
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「Yukibito.com」はプロスキーヤー、クラブ、プロシューマー、スクールを、スキーヤーネットワークとして収束。そしてコンテンツサービ スとして、スキー場、宿、スクールといった事業者のデータベースと、リフト券、宿の各部屋、レッスン、ツアーといった商材データベースをそれぞれつくり、 ユーザーが横断的に比較検討できるシステムを備えます。収益は各アフィリエイト、決済代行、販売管理、顧客管理で得るという仕組み。また、スキーを通して ユーザー同士がコミュニケーションをはかれるコミュニティコンテンツも用意。SNS型ブログ、ファンクラブ、各スキー場や宿のレビューを書き込める場所を つくる予定です。
将来は「Yukibito.com」発のイベント企画や、プロシューマーの育成、広告やマーケティング情報の提供を目指したいという宮園さん。大好 きなスキーのために、この事業を成功させたいという熱い想いが伝わるプレゼンでした。「Yukibito.com」が雪山に再びたくさんの人を呼び込む日 は近いかもしれません。