開催日:2006年3月11日 会場:東京・プリズムホール
ソルト・コンソーシアム株式会社 代表取締役 井上盛夫氏
株式会社バルニバービ 代表取締役 佐藤裕久氏
コーディネーター 株式会社ゼットン 代表取締役 稲本健一氏
メディアを賑わせている飲食業界のカリスマ3人が集まった。コーディネーターに株式会社ゼットンの稲本健一氏、パネリストとしてソルト・コンソーシアム株式会社の井上 盛夫氏と株式会社バルニバービの佐藤裕久氏を招き、飲食店を成功させるノウハウを語ってもらった。
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稲本:東京タワーの目の前にオープンした佐藤さんの店「ガーブ ピンティーノ」は本当にいいロケーションですね
佐藤:あの物件を見つけた時は、しびれたなぁ! 最高のロケーションだと思ったんだけど、アクセスが悪いせいか、店がオープンする前は誰も見向きしなかったな(笑)。
稲本:でもオープンしたら大当たり。すると途端にみんなが「あの店はいいロケーションだ」なんて言い出すんですよね(笑)。
佐藤:だから繁華街に出す必要はないんだよ。そういう場所は家賃が高いし、個人が店を出すのは難しい。でもアクセスが悪くても足を運びたくなるような面白い場所を探せば、成功するチャンスはある。
井上:やっぱり重要なのは自然かな。店から見える景色が最高だったら、お客は必ず来る。
佐藤:自分が「ここでやりたい」と強く思える場所を探すこと。理屈で物件選びはしないほうがいいね。
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稲本:飲食業は他のビジネスに比べて儲からない(笑)。私は先日、起業志望者のための学校で講義をしました。みんなお金払って通っているから、起業
する気満々なんだけれど、でも実際に起業する人数はきっと半分以下。その中で飲食業をまともにやれるのはその半分、そして5年後10年後続けている人は
1、2人だと思う。それだけ続けることは難しい。
佐藤:私も最初の店は本当に苦労したなぁ。従業員5人いるのに、ランチタイムに客が3人なんてこともあったし。借金がどんどん膨らんだけれど、逃げ道がな
かったなぁ。でもどん底を耐え抜いたら、ある日突然「この店はなんとかなる!」という強いエネルギーが生まれた。それ以来、物事が上手く運んでいったんだ
よね。でもその要因はハッキリしないんだけどね(笑)。
井上:飲食業はお客様相手の仕事だから、そういう強いエネルギーって伝わるんだと思うよ。
稲本:崖っぷちに立ったことがある人は強いですよ。成功するなら一度は崖っぷちに立て!
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稲本:飲食ビジネスを立ち上げる人や、これから起業しようと志す人たちにメッセージをお願いします
井上:飲食業はサービス業ですから、お客様にサプライズや感動を与えることが需要。それができれば、店の評判はクチコミで広がっていきます。
佐藤:例えば、カップルのお客様が来たとする。その二人の会話を耳にして、彼女が今日誕生日であることを知った時、あなたは何をするか? 何もしないなら、飲食業はやめたほうがいい。でも店から何かサービスしたいと思うなら、飲食業に向いていると思う。
稲本:肝心なのはサービスしたいと思うことですよね。だから、これから起業しようかと思っている人たちは、勉強しすぎないでほしい。それが感性を鈍らせるから。
井上:そう。市場動向とか、流行とか考えなくていい。自分がやりたい店を作ればいい。
稲本:キーワードに翻弄されず、「時代を作る!」という強い信念を持って挑んで欲しいですね。
ゲスト審査員
(株)サイバーエージェント 藤田 晋氏
GMOインターネット(株)熊谷 正寿氏
タリーズコーヒージャパン(株)松田 公太氏
(株)テイクアンドギヴ・ニーズ 野尻 佳孝氏
(株)フォーバル 大久保 秀夫氏
ブックオフコーポレーション(株)坂本 孝氏