開催日:2006年3月11日 会場:東京・プリズムホール
株式会社グロービス/グロービス・グループ代表/
グロービス経営大学院 学長/
グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 堀 義人氏
経済を活性化させるため、ベンチャースピリットを持った起業家の活躍が望まれている。米国のハーバード・ビジネス・スクールへの留学をきっ
かけに、起業の魅力を知ったという株式会社グロービスの堀義人氏。日本とアメリカの違いを交えながら、ベンチャースピリットとは何か、そして事業を成功さ
せる条件について講義した。
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アメリカでは起業家が尊敬されるし、能力のある人は皆、事業を興している。しかし日本では、収入や身分が安定している職種への憧れが強く、能力のあ る人材は官公庁や大手企業に集まっていた。堀氏も例にもれず大手商社に新卒で入社。米国のハーバード・ビジネス・スクールへ留学するまでは、起業を考えた ことはなかったという。「しかしMBAを取得する過程で、ベンチャーの面白さに目覚めた」と堀氏は振り返る。
ハーバードの卒業生には、有名起業家が数多く名を連ねている。株式会社ローソンの新浪剛史社長、楽天株式会社の三木谷浩史社長など、成功者が多いの
が特徴。そこで、堀氏は「ハーバードに匹敵するビジネススクールを作り、日本にもベンチャー教育を広めよう」と決意する。一人でも多くのベンチャー起業家
を育て、日本を変えていこうという大きな志を掲げた。1992年にグロービス・マネジメント・スクールを設立し、2004年には、日経産業新聞で発表され
た「ビジネススクール調査」のランキングで見事3位にランクイン。「ハーバードに匹敵するビジネススクール」というのも現実味を帯びてきた。
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堀氏は目標達成すること、成功することの条件を挙げた。一つは、出会った人との縁を大切にすること。事業を一人で興すことは難しい。しかし仲間を増やして、多くの人間の力を結集させれば、大きな事業が可能になる。
二つ目は、“勝つための5つの法則”を見極めて戦略を練ることが重要だという。それは、事業分野においてある程度のシェアを確保できること、関連業 務が発生し事業範囲が広がること、事業展開をスピードアップすること、物事を事実のみで判断せず、イメージや認知度を参考にすること、外資系企業の参入も 考えグローバルな視点で考えること。
そして最後は事業の哲学や理念、使命感を自分の言葉で明確に表現し、それを書き出すこと。書くという作業は、それを浸透させるために必要不可欠だと堀氏は力説する。
堀氏は聴講者に向かってこう締めくくった。「自分の可能性を狭めるのは自分である。できないと決め付けず、自分の能力をとことん鍛えて欲しい。そしてそれを活かして、事業を興してください!」とエールを送った。ゲスト審査員
(株)サイバーエージェント 藤田 晋氏
GMOインターネット(株)熊谷 正寿氏
タリーズコーヒージャパン(株)松田 公太氏
(株)テイクアンドギヴ・ニーズ 野尻 佳孝氏
(株)フォーバル 大久保 秀夫氏
ブックオフコーポレーション(株)坂本 孝氏