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大挑戦者祭2005 レポート

開催日:2005年2月11日(建国記念日)  会場:東京国際フォーラム

一円起業

2003 年の2月から開始された資本金1円起業の制度も、2月11日の時点で利用数は2万件を突破しました。そのうち、資本金が文字通り「1円」の会社も977 社。……1月時点で申請段階のもの含めて1000件を超えていたので、今はもう1000社を突破していることと思われます。では、この「資本金1円起業」 をどう活用したら、よいスタートが切れるのでしょうか――。



増田氏 ここにいらっしゃった方の多くが、資本金1円の起業に興味を持たれていることでしょう。この制度を実際に活用されている3名の方に来ていただきました。
・有限会社ディナーラッシュ代表取締役の木下三郎さんは、2003年の7月に資本金1円で会社設立。埼玉県所沢市で「三ニ六」という和食店を経営されています。高校を卒業してからずっと修業を続け、念願のお店を開かれました。
・サポタント株式会社代表取締役の 床美幸さんは、資本金200万円で、制度開始直後の2003年3月に起業。大手メーカー勤務を経て、大阪産業創造館と いう財団法人で創業やIT関連の支援を担当。現在は、セミナーの運営や人材派遣などの会社をやっておられます。
・有限会社クレース・プランナーズ代表取締役社長の正門律子さんは、2003年4月に資本金1円で会社を設立。大手航空会社の客室乗務員や大手ホテルのお 仕事など一貫してサービス業に携わってこられました。現在はその経験を活かされて、マナーや語学の研修ビジネスをやられています。 さっそくですが、皆様が起業しようと思われた動機をお聞かせください。



木下氏 父が学校給食やお弁当の調理・配送などの会社を経営していたからかもしれません、飲食業はとても身近で、高校を卒業すると飲食店で修業を始めました。そんな環境でしたので、「将来自分のお店を持つ」ことは昔から考えていました。
床氏 会社員時代の仕事は確かにやりがいもあり、一メンバーとしての達成感もありました。でも、「これでいいのかな?」とどこかしらで感じていたのも事実です。まるで、靴下の上から足を掻いているような……むず痒さをいつも感じていました。
ある時会社で担当した、情報修整や人や仕事の調整業務を通してコーディネートの楽しさを知り、これだとばかりに、2000年の春に独り立ちしました。
ブライダルコーディネーターを始め、結婚式の閑散期に売り込みに行った大阪産業創造館での講座が結構当たりました。
正門氏 会社を設立したのは2年前、27歳の時です。やりがいのある職場でしたが、社員の積極的な意思表示に応えてくれない点に不満が残り、独立したいと思いました。
増田氏 三者三様ですね。昔から考えていた方がいらっしゃれば、ふと思い立った方もいらっしゃいます。また、自分の天職を突き詰めるためなど。
では、この資本金1円からの起業制度がなかったら起業のタイミングはどうなっていましたか?
正門氏 あの時期(2003年4月)の起業は無理でしたね。ただ、「経営」への興味から、起業の意思はあったので、300万円貯まり次第、起業しただろうとは思います。買い物が大好きなので、なかなか貯まらなかったかもしれませんが(笑)。
増田氏 融資・出資してもらうという選択肢は考えられませんでしたか?
正門氏 お金を出したら口も出すというのが通例ですよね? 周りにあまり振り回されたくはなかったので考えませんでした。
増田氏 木下さんは、どうですか? 飲食店は個人経営でも不利ではないと思うのですが―。
木下氏 仮に資本金1円の制度がなかったとしても、個人事業から始めて300万円貯まった時点で法人化したと思います。法人格があれば税金を効率的に納められますし、他にも、法人経営にして甘えがちな自分自身に厳しくあろうという意図もありました。
床氏 私の事業には株式会社の形態が最適だ、というアドバイスを周囲からいただきました。個人事業でも特に問題なかったはずですが、制度がなければないで設立準備期間を設けて挑戦していたと思います。でも、1000万円はさすがに厳しいので助かりました。
増田氏 資本金の200万円は床さんがご自身の出資ですか?
床氏 はい。全財産をはたきました。今は、身内からの出資を募っている感じです。
増田氏 この制度がなければすぐには独立できなかった点は、お三方に共通ですね。早ければいいというわけではありませんが、早くから経験を積めるようになったことは大きなメリットと思います。
しかし、その一方でここで聴講されている多くの方が「資本金1円で何ができるの?」と思われていることでしょう。みなさんいかがですか?



正門氏 結論から言えば何もできません。交通費すら払えませんから。私が起業したのはあくまでメディア戦略のためです。話題になれば無料でPRしていただけると思いました。
増田氏 膨大な広告費を省けるだけでも確かに大きなメリットですね。では、同じく資本金1円で起業された木下さんは?
木下氏 やはり正門さんと一緒で、1円で法人格を取得したことでテレビ・新聞・雑誌に取り上げていただくなど、宣伝効果がありました。
増田氏 法律が動いた時はかならずニュースになります。お2人は先んじることで、うまく事業を宣伝なさりました。
皆さん資本金1円で何かをやろうというより、メディア戦略的な側面があったわけですね。では、確認会社(資本金1円制度を利用して設立した会社)であることのデメリットはございましたか?
正門氏 特にありませんでした。あえて言うなら普通の会社を作るよりも手続きが1行程多いくらいです。
増田氏 あくまで噂としての話ですが、確認会社だと銀行が口座を作らせてくれないという話を耳にしますが?
木下氏 いや、そんなことはありませんでした。ディナーラッシュの名義で銀行に口座を開設しております。
正門氏 私も全くありませんでした。
増田氏 では、あえてデメリットを探していただくとして何かございましたか?
一同 (無言)。
増田氏 資本金1円で起業されることのデメリットは特にないということですね。むしろ、木下さんと正門さんのお二方に関しては、マスコミにも取り上げてもらえた……。床さんは資本金200万円を用意されたわけですが、逆に資本金1円でないからこそのメリットなどございますか?
床氏 全くないです。むしろ、お2人の話を聞いて、1円で起業すべきだったと反省しているくらいです(笑)。お金が無いなら無いで、知恵を絞るべきですね。
増田氏 確かにその通りです。起業家にとっての武器は「お金」よりも「知恵」ですよね。では、お金に代わる、ご自身の強みとは?
木下氏 私の住んでいる所沢は、人口こそ33万人超ですが、大人が落ち着いて食事できる空間が全くありませんでした。ターゲットを30代~50代の方に絞り、それに合わせたお店作りを心がけました。
飲食業は、「内装」「料理」「接客」のどれか一つ欠けてもいけません。みなさん外食して不愉快になった経験っておありですよね? ミスはどうしても生じま す。その一瞬、お客様に不愉快な思いをさせてしまったとしても、最後は必ず笑顔になるよう努力を惜しんではいけません。
増田氏 狙ったエリアでの差別化を図り、オンリーワン化するということは、あらゆる業種で応用の効く成功の秘訣ですね。では、床さんは?
床氏 行動力が自分の強みだと思っています。企業の中にいると、人の承諾を仰がないといけません。でも、社長の私が全速力で走れば、みんな走ってついて来ざるを 得ませんよね? 以前、ある方から教えていただいたことですが、「100回やれば1回は成功する」。100回やるには、やはり何よりも行動することが重要 ですので。そういうスタイルです。
増田氏 なるほど、タイムイズマネーですから、お金がなければどんどん行動したら良いという発想ですね。正門さんは?
正門氏 会社員時代の友人との付き合いが今も続いていることです。たくさんの優秀な方が私をサポートして下さっています。登録スタッフも現在約35名に達しました。こういったネットワークはお金では決して買えないものですよね。
増田氏 木下さんの戦略、床さんの行動力、正門さんの人的ネットワーク。これらは全てお金では買えない「武器」です。まさに自分の持ち味をフルに活用されていると いうことですね。「資本金1円の起業制度」は資本金に代わる経営資源を持っているからこそ活用できる制度なのであり、資本金の敷居が低くなったから誰でも 起業できる、というような単純な話ではありません。これは勘違いしてはいけないと思います。

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