起業・経営FAQ:日本政策金融金庫で債務が残っていますが、コロナ融資をうけられますか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

25年前、会社に日本政策金融公庫で600万円の焦げ付きがあります。
コロナ融資申込書と経営計画書(予想P/L・予想B/S/資金繰り表等)を添えて申し込みをしても、コロナ融資は無理でしょうか?

回答:厳しいですが、融資に繋げられる可能性はあります。

この質問への回答者

上野 光夫(うえの みつお)/株式会社 MMコンサルティング
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。

プロフィールを見る >>

「25年前、会社に日本政策金融公庫で600万円の焦げ付きがある」とのことですね。
たしかに従来の常識で考えると、そういう場合の融資は困難です。
しかし、今は事業をしっかりと継続されており、コロナ融資という特別な制度がありますから、信用を回復するチャンスといえます。とはいえ、かなりハードルが高いのは事実です。
普通に申し込みをする形では、まず無理だと思います。

そこで、融資につながる可能性がある方法をご説明します。
まず、以前の「焦げ付き」が、どんな経緯だったかです。
また、今経営されている会社なのか、別の会社なのか、そのあたりも関係します。
ご自身が連帯保証人になっていたとすると、以前の「焦げ付き」について、解決する姿勢が必要です。
たとえば、「残っている元金分は支払う」という条件で、新規のコロナ融資を申し込みすることです。

最近は、その前の分について、いくらかお支払いはされていますでしょうか?
それとも日本政策金融公庫から督促などはなく、そのままの状況でしょうか?
それにもよってやり方が異なってきます。

もし、支払いをされているなら、日本政策金融公庫へ電話されて、元金がいくら残っているのかを確認するのがいいです。
そのうえで、その元金分+αを事前に完済できる方法を検討したほうがいいです。
あるいは、日本政策金融公庫から督促などが来ていない状況でしたら、おそらく債権の償却処理がなされていると思います。
その場合でも、元金等の残高を確認したほうがいいですが、注意しなければならないのは、日本政策金融公庫に「現状は事業をできている」という事実が伝わりますので、判断が難しくなります。

私のクライアントで、過去に別会社で焦げ付きがあり、毎月5万円ほど支払っている社長がいました。
その人は、焦げ付き分の元金+αを事前に一括返済する条件で、今経営している会社で、融資を受けることができました。
そうした事例もありますので、可能性はゼロではありません。

いずれにしましても、過去の分がどれくらい残っているのか、確認してみることをお勧めします。

また、ご承知だと思いますが、コロナ融資は銀行や信用金庫など、民間金融機関でもやっています。
民間金融機関は、日本政策金融公庫とは別ですので、直接日本政策金融公庫の焦げ付きがあるからNGということはないと思います。
信用保証協会の保証が条件になりますが、もし信用保証協会にはとくに焦げ付きなどがなければ、融資を受けられる可能性があります。

この機会に、日本政策金融公庫の信用を回復できるといいですね。

起業マニュアル

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める