起業・経営FAQ:営利目的ではない起業。会社形態や、賛同者の雇用はどうするといいでしょうか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

私は福岡で個人事業主として中国語スクールの運営をしております。

そこで最近よく聞くのが、在日外国人、特にアジア系が日本語力不足によるコミュニケーション上の誤解やトラブル、生活していく上での不便性など多くの問題を抱えているということです。

日本へやってきた外国人が、日本人との摩擦や誤解などにより、日本を嫌いになってしまうケースも多々あります。国に帰りたくても借金などがありかんたんには帰れず、そうした摩擦を緩和できるサービスを提供できたらというのが、今回の起業の目的です。利益を上げることよりも、人助けの精神で取り組みたいと思っています。

この計画に賛同してくれた同士はすでに3人集まっています。
この方達の雇用形態についてはどのようにすべきでしょうか。

また、この構想は新規事業となるのですが、別途会社を起こし人を雇うべきか、それとも今の英語教室の新規部門として扱っていったほうがいいのか、またはNPO法人などにしたほうがいいのかをご相談させていただきたいです。

回答:営利目的の事業とは分けて設立し、賛同者とは雇用関係にない形態が安全でしょう。

この質問への回答者

中野 裕哲(なかの ひろあき)/起業コンサルV-Spiritsグループ
『マネーの虎』を見たことで、起業関係の仕事を目指し、現在その分野で活躍中の中野アドバイザー。熱い気持ちと明るく親しみやすい人柄で多くの起業家の支持を得ております。起業時の相談にお勧めです。

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さて、今回のご相談ですが、上記のような事業立ち上げに際して「どのような法人形態」ではじめるのか、また、「同志のお三方との関係性」というところかと思います。

まず、今回の事業は利益より人助けの精神でということですので、生活の基礎となる収入源である中国語スクール(個人事業)とは明確に分ける意味でも、法人の新設をおすすめします。

また、その法人格ですが、公益性が多分にある側面から株式会社などよりNPO法人や一般社団法人などを思い浮かべたのではないかと思います。
ただ質問者様が候補としていたNPO法人は登記前に県知事の認証が必要で、一定以上の期間と手間がかかります。
また、社員(株主のようなもの)が10名以上必要であったり、クリアしなければならない要件が株式会社などよりは多いのが特徴です。
ですので、そこを突破するだけの相当の労力がかかりますので、ハードルが高いということをご認識いただきたいです。

一般社団法人については、デメリットもあります。
とくに各種の補助金などが使えないケースもあり、利益より公益性を優先するのであれば、補助金の選択肢はより広く残しておきたいところです。

株式会社などであっても「利益より人助け」の活動はできますので、今回のケースではNPO法人や一般社団法人である必要性はないのではないかと思います。

次に、同志であるお三方との関係性ですが、設立当初は出資が絡まない関係性をお勧めします。

例えば、以下のような方法です。
1)株式会社の取締役(株主ではない)
2)始めは業務委託契約(いわゆる外注先となります、雇用関係は無し。それでも対外的には創業メンバーやパートナーなどとうたえます。)

従業員としての雇用関係があると、最低賃金をクリアした給料を支払わなければならず、資金繰り上の負担が増えてしまいます。
「利益より人助け」という意味で同志であるならば、従業員としての雇用は馴染まないような感じがいたします。

質問者様のご資金で株式会社などを立ち上げ、最初はパートナー(外注先)として創業メンバーに加わっていただくのが身軽で負担にならないのではと感じます。
パートナー(外注先)であれば、利益が出た際の分配も容易ですので、「利益と人助け」のバランスもとれるのではないでしょうか?

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