在籍していた会社と同業種で独立する際の注意点

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

在職中に培った技術や顧客データを、独立後に利用すると元の会社とトラブルになる可能性があり、法律で罰せられると聞きました。
退職し同業種で起業する場合、エリアが同じであれば当然営業先もダブります。
また、在職中に得た人脈を使って起業したり、下請けを依頼することは法律違反になるのでしょうか?

回答

まず、顧客データの利用や在職中の発明を新会社で使用するのは、 確かに問題があります。 例えば顧客データは、旧会社の所有しているものであり、退職した個人がそれを持っているということは、簡単に言えば窃盗と判断されかねません。また発明を 使用する場合は、その権利が会社に属していれば、 たとえ発明者といえども、やはり個人が自由に使用できるものでもありません。
次に、類似した業種を起業し、営業エリアが重なる場合ですが、 まず、会社の就業規則や誓約書で、競業避止義務が課せられていないか確認する必要があります。
例えば、「退職後2年間は同業種に就職あるいは起業してはいけない」というような内容が就業規則にあり、 誓約書としてサインしていれば、トラブルになる可能性があるでしょう。 反対に、これらのものがなければ、 同業種を立ち上げることは何の制約も発生しません。
しかし、 憲法には「職業選択の自由」が定められています。
これは、就業規則等の制約があっても、これによって守られるべき旧会社の利益、 これによって生じる退職者の不利益の内容や程度、代償措置の有無や内容などを考慮し、その制限が必要かつ合理的な範囲を超える場合は、制約自体が無効となるということです。
したがって、まずは在籍していた会社の就業規則を確認してみてください。
なお、在職中に知り合った顧客のバックアップを受けたり、 ご自身の営業先に営業に行ったり、お付き合いのあった下請けに業務を依頼することについては、 不正な手段や方法を用いて旧会社の営業その他を妨害したのでなければ、 社会通念上相当とされる自由競争の枠内と考えられますので、不法行為が成立することはないと思われます。

起業マニュアル

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める