Vol.3 契約書が重要!法律を知ることからはじめる中国ビジネス

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
「中国ビジネスの 秘訣はコネ。人治の国だから契約書を作っても意味がない。私は政府の役人を知っているから任せない…」このようなセリフを耳にしたことはありませんか?市 場経済へと進んでいる今の中国においては、この発想は時代遅れです。人間関係は大事ですが、契約書はもっと大事です。法律を知る。中国ビジネスの鍵はそこ にあります。

契約書は誰のために作成するのか?

 日本の契約書を海外の契約 書と比べると特徴的な相違点があります。それは、どの契約書の最後にもこのような一文があることです。『この契約書に定めのない事項については双方が誠意 を持って解決する』…定めない理由は何なのでしょうか?いつも不思議に思います。

 契約社会といわれる欧米の契約書には、これでもか!これ でもか!というぐらい、かなり細かいところまで定められています。なぜなら、契約書にない条項は相手がたに一方的な解釈を与えてしまう危険性があるからで す。しかし、日本で契約書を作成するとき、多くの人は、どこからか手に入れた雛形の一部を適当に修正します。そして相手方に渡し、渡された側もサッと見て 押印をする。最後は金庫に入れてハイおしまい。何らかのトラブルでも発生しない場合、2度と日の目を見ることはありません。

 この感覚で海 外取引をはじめるのは、いうまでもなく、危険極まりないです。中国はみなさんの想像以上に法治国家です。中国で企業が営業活動をするには、すべて許可が要り ます。製造物責任法は日本のものより詳細です。日本にある法令のほとんどは、中国にも存在します。中国パートナーは権利意識を強く持っているため、契約書 に不備があれば躊躇なく主張してきます。契約書は、相手方へのけん制効果だけでなく、双方の意気込みと真剣さが反映されるのです。いい加減な契約書はいい 加減な結果を生むことをお忘れなく!

 

中国に三権分立制度は存在するのか

 もうひとつの注意点として、裁判の問題があります。中国は中 国共産党による事実上の一党独裁体制をとっています。立法機関として日本の国会に相当する全国人民代表大会が置かれ、行政機関として日本の内閣に相当する 国務院が、司法機関として人民法院が存在します。しかし、全国人民代表大会に権限が集中しているため、三権分立のチェック&バランスが機能しにくいのは本 当です。さらには、地方行政の裁量権が大きいために、中央政府との一貫性がないことも耳にします。そのような中、2001年のWTO加盟から市場経済への 移行を急速に進めている中国は法治国家への転換期に来ています。国際ルールに基づいた法整備は今も、これからも行われてゆくことでしょう。「人治の国」が 過去のできごとになる日も近いのかもしれません。

 

最新の情報をチェックし万全の 準備を

 中国の法制度は、短期間のうちにめまぐるしく改正されることがあります。特に、外商投資企業(外資企業)に関わる法律は頻繁に改 廃が繰り返されるので、追いかけるだけでも大変な作業です。中国の公報(日本でいう官報)やインターネットを使って最新の情報を得ることを、常に心がけて ください。次回は、進出準備についてお話します。

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