Vol.13 新・農業人フェアからわかる新規就農希望者の傾向

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
2回に渡ってお届けしてきた"新・農業人フェア"。今回人気のあった窓口は、新規就農総合窓口でした。今回は、新規就農希望者の傾向について感じたことをお伝えします。

新規就農の総合的な窓口の一本化が必要

 今回のフェアにおいて、もっとも人気のあったのは、主催者側が用意したと思われる新規就農総合窓口だった。
総合窓口には、開場時から長蛇の列ができていた。その列に並んでいるのは、若い男女が中心。男女のカップルも以外に多かった。そこでその列に並んでいる数人に話を聞いてみると、自分の考えていることとやりたいことが、どの土地にふさわしいのか。現実的に考えれば、住居探しはどう進めるのかなど、具体的な質問が多かった。

 しかしながら全員が全員、現実的な一歩を踏み出すためのサポートを求めているのではないと感じたことも否めない。昨今のロハスや田舎暮らしブームのなか、ビジネスとしての新規就農ではなく、趣味としての農業を求めているという声もある。そのような趣旨の参加者も多数参加していたことを踏まえると、田舎暮らし用の専門ブースの必要性ではないだろうか。

 

新規就農とインターネットの関係

 新規就農を目指す人たちが最初にとる行動といえば、情報収集。その情報収集で多く使われているのがインターネットだと言われている。インターネット世界においては、検索エンジンなどを利用することによって、膨大な情報量のなかから情報を細分化することができるのが、その大きな魅力であると考えられているからだ。

そんなインターネット世界において、「就農」というキーワードの人気はどのようなものなのだろうか。以下は、yahoo!・ google・LiveSearchという日本でよく使われる検索エンジンにおいて、特定の月間で検索された検索ワードと検索数を調べた結果だ。(提供:SEMリサーチ/調査月2007年4月)

検索キーワード 月間検索件数
(予測値)
就農 2,658
新規就農 2,596
就農支援 678
新規就農相談センター 466
認定就農者 380
新規就農者 368
新規就農 田舎暮らし 292
就農支援 資金 252
定年 就農 134
農業新規 研修 100
就農支援 制度 90

 

[参考]

 

農業 求人 3,462
農業 研修 2,122
農業 経営 1,750
田舎暮らし 196,636
LOHAS 17,982
ロハス 98,474

 

 これらの情報を分析してみると、新規就農の「相談」は約550ポイント、新規就農の「支援」が約1500ポイント、そのうち「資金」に関してが約500ポイントとなる。なお上記のポイントは、月間で「就農」というキーワードを検索する全検索数を15,000ポイントに設定した場合のポイントである。あくまでも参考までの数値として捉えていただきたい。

 

 

新規就農フェアに期待したいこと

インターネットという限られた世界で新規就農を考えてみると、いろいろと面白いことがわかる。

インターネットというと、若年層にしか普及していないように思われがちだが、それは断言できないこともわかる。「定年退職」や「団塊世代就農」など、検索者の年齢を特定させるようなキーワードも500ポイント以上を得ており、検索数も上位に食い込んでいる。団塊の世代が退職を迎える今後、ますます検索数は増えそうだ。

インターネットをマーケティングや広報の一環として捉えるならば、就農のための説明会やセミナーの名称もひねりを加えたい。例えば、○○県の新規就農セミナーであれば、「○○県新規就農と田舎暮らしセミナー」などの名称に変更することや、それらの就農情報だけではなく、物件情報や農地情報、研修情報も付け加えたい。この裏づけとして、「就農物件」や「就農 農地」など、すでに就農を心に決めている検索者が欲しい情報は、物件や農地に関する情報であることを意味しているのだ。

これらの総合的なセミナーの実現には、各都道府県などが"ヨコのツナガリ"を強化することが必要となるが、「移住者を増やしたい」と考えるならば、新規就農したい人の目線に立った企画が開催されることが願われるだろう。

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