2017年10月23~25日虎ノ門ヒルズで行われた第5回イノベーションリーダーズサミット(ILS2017)のメインイベント、大企業とスタートアップのマッチングプログラム「パワーマッチング」において、大企業から人気のスタートアップ「ILSTOP100」をご紹介します。

ロジスティクス4.0時代の先駆者に!
ロボット導入で物流業界を革新する

企業紹介

執筆者: 東 雄介 編集:菊池 徳行(ハイキックス)

各種物流オペレーションを
ロボットにより省人化・効率化する

事業や製品・サービスの紹介

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労働力人口の減少が進むなか、とりわけ人海戦術を頼みにしてきた物流業界では、各種物流オペレーションの省人化・効率化が急務となっている。この課題に「ロボティクスとIoTによる自動化」というソリューションで切り込むのが株式会社PALだ。

創業からこれまで、物流業務における人材派遣サービスと、物流センターの受託事業(3PL事業)で成長を遂げた同社。広範な物流オペレーションのなかでも、何をどこまで、どのようなプロセスで自動化するのがもっとも効率的か、豊富な経験知を蓄積してきた。

同社が掲げるソリューションの1つ、「ロジテックソリューション」は、例えば荷物を運ぶ、保管する、梱包するといった各種オペレーションについて、ロボットの導入による最適化を支援するもの。また「ロジIoTソリューション」は、荷物にセンサやデバイスを取り付けることで、リアルタイムの管理・情報収集を可能とする。

「ロジスティクス4.0」が叫ばれ、各種テクノロジーによる物流業界の革新が進む昨今だ。国内物流におけるロボティクス市場は640億円規模ともいわれ、2035年頃には1兆5000億円規模へ急拡大するという予測も。PALが目指すのは、ロジスティクス4.0時代のおけるリーディングカンパニーである。

ファンドの活用でロボット導入時の
顧客の費用負担をゼロに!

対象市場と優位性

同社は2017年、不動産ファンドを運営する燦キャピタルマネージメントとタッグを組み、機械・ロボティクス事業への投資を実施するロジテックファンドを設立した。

これは顧客企業が初期投資を負担することなく、物流センターの自動化を果たす仕組みである。通常、3PL事業者が物流オペレーションの自動化を提案する際、ロボット導入費用を負担するのは顧客企業。この点で、3PL事業者と顧客企業の利益は相反していた。同社の問題意識は、この利益相反関係を解消することにある。

顧客企業や物流企業から資金を集めてファンドを組成し、PALが各物流センターに最適なロボティクスを選定、それをファンドが購入する。PALはロボティクスの利用料金をファンドへと支払う。ロボット導入により作業コストを削減できるため、顧客企業の費用負担は導入前と据え置きに。こうして顧客企業の負担を軽減すれば、ロボット導入は業界ぐるみで加速する――これがPALの描くロジスティクス4.0の青写真だ。

ロジテックファンドはまた、競合他社にはない同社の優位性でもあるだろう。現在、同社は昨年対比120%増の増収ペースが続く。提案件数のみに限れば昨年対比200%増というから、注目度の高さがうかがい知れる。

自社の成功を呼び水とし、
物流業界全体の変革を加速させたい

事業にかける思い

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同社代表の辻有吾氏が物流業界で起業したのは2000年のこと。だが、ロボティクスへと舵を切ったのは4年ほど前だ。

「これまで人海戦術で食べてきた物流企業に、自動化の波が押し寄せる。これは脅威です。かつて製造業が装置産業化したことで下請け企業がどんどん潰れていきました。同じことが物流でも起きるはず。でも、そこで恐れをなして逃げるのか、勇気を持ってロボティクスに踏み出すのか。ベンチャースピリットがあるからには、踏み出すべきだと思ったのです」

無論、物流業界のロボット化が一足飛びに実現するとは楽観していない。「例えば、荷物のパッケージが変更されるだけで、ロボットアームで掴めなくなるということが往々にして起きる。物流現場の課題は物流のみで解決できるものではありません」と辻氏。

そのうえで、辻氏は期待を込めてこう語る。「私たちの活動が呼び水になり、競合となる大手物流企業の参画を促すことで、日本の物流オペレーション全体の変革を一気に加速させたいですね。そうすれば物流の現場で働く人たちの苦労も減らすことができる。そこまで含めた業界の刷新が、私たちの社会的使命だと考えています」。

株式会社PAL
代表者:辻 有吾 氏 設立:2000年12月
URL:https://www.pal-style.co.jp/ スタッフ数:90名(アルバイト・パート含む約1600名)
事業内容:
物流オペレーション事業、物流ロジスティクス支援事業
これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名:
非公開
ILS2017 大手企業との商談数:
5社

当記事の内容は 2018/7/31 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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