2018年10月22~24日虎ノ門ヒルズで行われた第6回イノベーションリーダーズサミット(ILS2018)のメインイベント、大企業とスタートアップのマッチングプログラム「パワーマッチング」において、大企業から人気のスタートアップ「ILSTOP100」をご紹介します。

工場・倉庫の生産性向上に貢献する「Life Analyzer」。
次の一手は、ホワイトカラーの業務効率化!

企業紹介

執筆者: 髙橋 光二 編集:菊池 徳行(ハイキックス)

工場作業員の生産性を10~20%アップ!
設備の最適化でコストダウン25%が目標

事業や製品・サービスの紹介

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人やモノの稼働状況や動線を把握・改善することで、工場や物流施設、オフィスワークなど屋内作業の生産性向上につなげるシステム「Life Analyzer」を提供している、ライフラボラトリ株式会社。「Life Analyzer」の仕組みは、次のとおりだ。

加速度・ジャイロ・気圧センサーを搭載したウェアラブルセンサーやスマートデバイスを、スタッフのポケット、フォークリフト、無人搬送車に取り付け、それらの動きをセンシングするとともに、柱・棚・天井に取付けたBluetoothビーコンからの電波強度を測定し、その位置を推定。人やモノが「いつ」「どこで」「何を」しているかの情報を取得し、そのデータ分析により作業や動線を見直すことで、生産性の改善に貢献する。

例えば、ある生産効率が低い工場作業員の動線や移動距離、ヒートマップ分析をした結果、平均データと比較して1回の移動距離が長く、かつ多頻度であることが判明。ほかの作業員が先の工程まで見越して、1回の移動で複数のモノを順番にピックアップしていたところ、その作業員は工程ごとにモノをピックアップするたびに移動していたのだ。そのことがわかった結果、効率的な動き方の指導・改善に役立てることができたという。

ウェアラブルセンサーの場合は、データをまとめて後で分析する形となるが、スマートデバイスの場合は、その位置をWi-Fi/LTEでリアルタイムに管理者に通知し、その場で指示が出せるメリットがある。工場のレイアウトや収納位置、作業の最適化により、総動線を短縮することで、1人当たりの生産性を10~20%高めたり、フォークリフトなど設備の必要数を最適化し、コストを25%削減する導入効果目標を掲げている。

位置測位技術において、価格競争力が
圧倒的に高いBluetooth LE方式を採用

対象市場と優位性

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国内の屋内位置情報システム市場の規模は、2016年度の14.3億円から2018年度は30.7億円、2020年度は52.5億円、2022年度は78.5億円と、右肩上がりで拡大することが予測されている(矢野経済研究所調べ)。

主な屋内位置測位技術としては、「Life Analyzer」が採用しているBluetooth LE測位のほかに、UWB(超広帯域無線)測位、可視光測位、カメラ画像測位などが挙げられる。これら4方式を比べると、乾電池式のBluetooth LEと可視光は、電源工事とネットワーク接続が不要という設備工事面での大きなメリットがある。かつ、製品価格面ではBluetooth LE以外は1000万円程度と高額であるのに対し、Bluetooth LEは180万円と圧倒的に安い。

一方で、測位制度の面では、Bluetooth LE以外の誤差が1mのところ、Bluetooth LEは2~3m程度と不利な状況にある。そこで同社は、PDR(歩行者自立航法)という所持者の移動量と移動方向を推定する技術を加えて補正することにより、1m程度の誤差に精度を高めることに成功。他方式の製品に比べ、同程度の品質で圧倒的な価格競争力を持つ製品に仕上げることで、大きな競合優位性を実現したのだ。

富士通のベンチャー支援制度を利用し創業。
“富士通ロゴ”の信頼性で大手への導入に成功

事業にかける思い

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同社代表取締役の鈴木和浩氏は、起業するまで31年間、富士通でウェラブルセンサーの研究開発などに従事していた。そこで「Life Analyzer」の原型となる技術を開発し、大手運輸会社と実証実験を行ったことで、サービス化できる感触を得る。

「最初は富士通の社内での事業化を模索しましたが、ハードとソフトが一体化する事業はハードルが高かった。そこで、資本を出資してもらえる社内ベンチャー支援制度を利用して、起業することに。また、自分が経営の主導権を握れるよう、希望の出資比率を提案。これも認めてもらうことができました」

ちなみに、同制度では、製品やサービスに富士通のロゴマークを使用でき、販売に関しても富士通の支援が受けられる。

「名もなく信用もないベンチャーに、これは非常に大きなメリットがありました。結果、設立2年半で大手企業を中心とした11社への導入が実現しました」

しかし、製品の金型をつくるために多額の製作費が必要となり、その資金確保には苦労した。結果的に経済産業省の補助金を940万円得られたほか、日本政策金融公庫、地方銀行から1500万円の融資を得てクリアすることができたという。

現在、「Life Analyzer」の用途は、工場や物流倉庫であるが、国内での数は限られている。そこで同社では、ホワイトカラーの生産性向上ニーズに着眼。「Life Analyzer」のデータ分析技術を活用して、パソコン操作のログデータを基に、スタッフのムダな作業を解析するサービス開発を行っている。

「定型的な業務を割り出して、自動化につなげるといった使われ方活用方法を考えている」と鈴木氏。日本のホワイトカラーの生産性は先進国の中で最低レベルとされており、同社はその問題解決に成長戦略を描いている。

ライフラボラトリ株式会社
代表者:代表取締役 鈴木 和浩 氏 設立:2015年8月
URL:http://www.lifelabs.co.jp スタッフ数:3名
事業内容:
IoTに関する研究開発および製造・販売
これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名:
富士通株式会社から200万円
ILS2017 大手企業との商談数:
5社

当記事の内容は 2018/7/24 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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