2018年10月22~24日虎ノ門ヒルズで行われた第6回イノベーションリーダーズサミット(ILS2018)のメインイベント、大企業とスタートアップのマッチングプログラム「パワーマッチング」において、大企業から人気のスタートアップ「ILSTOP100」をご紹介します。

からだを優しくつつむジェル式マットが、
最高に良質な眠りと快適な睡眠環境を実現!

企業紹介

執筆者: 松本 美菜 編集:菊池 徳行(ハイキックス)

赤ちゃんから高齢者まで利用できる、
機能的な「ジェルトロン」の寝具

事業や製品・サービスの紹介

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株式会社パシフィックウエーブの主事業は、ジェル状立体格子型寝具、「ジェルトロン」の研究開発および、製造、卸販売。「ジェルトロン」とは、もともと米国で宇宙船内用衝撃緩衝材として作られたジェルを、同社の代表取締役の田中啓介氏が改良・改善したもの。現在、寝具関連の製品に使用している。

「ジェルトロン」の素材は、ミネラルオイルとポリマーだ。簡単に洗濯できるため衛生的で、その用途は通常のベッド用マットレス、介護用マットレスをはじめ、まくら、ベビーまくら、車いす用のクッションなど、実に幅広い。独自の多層一体構造にすることで、通気性を保ち、季節を問わず、年間を通して使い心地が良い。体形に合わせて形状が変化する柔軟性も併せ持つ。

また、独自のマットレスオーダーメードシステム「e-MOS」が好評だ。利用者個々の寝姿勢や健康状態を調べるとともに、身長・体重や腰回りなど、体形の計測データに基づき、利用者にとって最適なジェルトロンの硬さを提供。体を「頭・肩」「腰・尻」「脚」の3つのポジションに分け、それぞれ6種類の硬さ、216パターンの中から、自然な寝姿勢が保てる硬さに調整するという。経年による体形の変化があっても、このシステムがあれば安心して使い続けられるというわけだ。

体の動きに合わせ、ジェルが変化。
ずれ、ねじれ荷重の問題を解決

対象市場と優位性

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国内のマットレスに用いられている主な素材は、ウレタンフォーム、春雨構造体樹脂、ジェルタイプなどがある。その中にあって、「ジェルトロン」の最大の特徴は、「ずれ」を吸収できるという点にある。内部のジェル素材が、寝返りや縦・横ずれなど、どの方向に体が動いても、ずれる力を吸収してくれるのだ。そのため、体と「ジェルトロン」の接地面の摩擦熱が抑えられる。皮膚表面の毛細血管が圧迫されにくく、血行障害が軽減されるため、介護が必要な高齢者などの床ずれ予防や改善につながるのだという。

同社の介護用マットレスと一部の製品は、介護保険適応福祉用具に指定されている。そのメリットがあるため、医療施設、介護施設などのほか、在宅介護でもレンタルが可能。現在の利用者は約30万人にのぼる。しかし、「ジェルトロン」による「床ずれ」予防などに対する高い効果、正しい知識や認識が広まれば、さらにユーザーの拡大に弾みがつくと田中氏は指摘する。

一方、高齢者向けのみならず、同社の枕部門において、「ベビーまくら」も高い需要がある。生後3カ月、6カ月ほどの乳幼児健診時に、「子供の頭の形が良いと褒められる」という母親の声が相次ぎ、そのことが口コミで広まっているのだ。枕本体を丸洗いできるという利便性も、同社の製品が高い評価を得る要因となっている。

お客様の喜びが自分のゴール。
65歳までに事業の集大成を図りたい

事業にかける思い

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田中氏の実家は、家具店を経営していた。米国留学時代にウォーターベッドに出会い、良質な眠りについて研究をするようになり、日本のウォーターベッドブームを推進、特に東京ベッドやシーリージャパンにウォーターバッグの提供などを行った。1999年、スプリングを使わないマットレスメーカーが集ったアメリカの展示会で、「インテルジェル」という格子型をしたジェル素材に出会い、水のような浮力に近い睡眠を得られるのではないか」と直感、ライセンス契約を申し出た。

その後、「床ずれ防止マットレス」としても開発してきたが、通気性に課題があったため、試行錯誤の末、改良を重ねた結果、現在の「ジェルトロン」を完成させた。同社はすでに、自動車シート用クッションも開発済みだ。それとは別に、シート本体の中に組み込み一体化させた「難燃性ジェルトロン」の国内特許も取得、現在、国際特許も出願中。「国際特許が取得できれば、今後は、海外の自動車・鉄道・航空機業界に向けて、当社の製品を展開したい」と田中氏は意気込む。

「私は金儲けよりも、まず目の前の一人のお客様にジェルトロンを使っていただき、生活の改善に役立ててほしい。そのために最良のソリューションを提供し、お客様のお喜びを実感することが私のゴール」

田中氏は現在61歳。「65歳を一区切りとして、商品開発や事業拡大への取り組みを集大成としてまとめ、自分の仕事を完了できるようにしたい。そのプロセスの中でIPOも構想しています」。そう語る田中氏の頭の中には、その先の夢も描かれているのではないだろうか。

株式会社パシフィックウエーブ
代表者:田中 啓介 氏 設立:1994年11月
URL:http://geltron.jp/ スタッフ数:30名(2018年3月現在)
事業内容:
二層一体型の立体格子型グミ状ジェル「ジェルトロン」を活用した床ずれ予防マットレスなどの製造・卸販売。
これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名:
複数の金融機関、ベンチャーキャピタリストの原丈人氏など(投資額は非公開)
ILS2017 大手企業との商談数:
6社

当記事の内容は 2018/6/12 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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