“組織で読むべき”ニュースをAIが提案。
チームの情報感度の底上げに貢献する

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 東 雄介 編集:菊池 徳行(ハイキックス)

国内外3万以上のメディアからAIが情報収集。
リリース後、半年で500社以上が導入

事業や製品・サービスの紹介

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モバイルニュースアプリの利用者は急拡大、2019年度末には5410万人になると予想されている。しかしニュースアプリは数あれど、その多くは個人がターゲット。チームとして読むべき情報を収集する術がこれまでなかった。個人の趣味嗜好はバラバラでも、チームとして読むべき情報は同じであるはずだ。

ストックマーク株式会社が提供する「Anews」は、企業・チームで読むべきニュースを人工知能(AI)がインターネット上から自動で収集、提供するニュースクリッピングサービスだ。チームが設定したキーワードやユーザーの閲覧履歴をもとに、国内外3万以上のメディアから30万記事を収集。その中からチームにとって最適なニュースを配信してくれる。いわば、そのチーム専用のニュースキュレーションサービスとして機能するわけだ。

PC、スマートフォンなど、どんな端末からも閲覧可能。利用価格は月額2万9800円からだが、3キーワード/3ユーザーまで利用できる無料プランも用意した。2017年4月の正式リリースから半年あまりで、すでに経済産業省、帝人、セブン銀行、博報堂、三菱商事、リクルート、サントリーといった大手企業を中心に500社以上が導入済み。現状、基本的には、営業、経営企画、リサーチ、人事、広報、マーケティングといった部署単位での導入だが、全社導入を決めるクライアントも現れている。

情報感度の低い社員にもニュースを
読ませるインセンティブを用意

対象市場と優位性

ホワイトカラーは、日々の業務に追われながらも業務時間の2割を情報収集に費やしているといわれる。しかし従来、企業・チーム内の情報収集の仕組みにはムダが多かった。本来、チームにとって重要な情報は全メンバーが即目にするべきものだが、現実には個人任せ。新聞や雑誌、ニュースアプリ、RSSといった個人向けサービスによる情報収集を経て、そこからチームで情報共有をするという非効率なフローを余儀なくされていた。

既存のニュースクリッピングサービスを利用しても、膨大なニュースの中から「本当に欲しいニュース」を掘り起こすのは容易ではない。また、マネジャークラスと一般社員、情報感度の高い社員と低い社員では、情報収集に対する意欲に大きな差が存在する。「読んで欲しい」と思ってリーダーがシェアしたニュースをメンバーが本当に読んだのか、チェックできなかった。

「Anews」は、こうした課題を解決してくれる。第一に、「Anews」に実装している最新のアルゴリズムがチームに最適なニュースを配信、一元管理する。キーワードを含んだ記事に限らず、関連度の高い記事をAIが選んでくれるほか、AIがチームの利用行動を学習するほどにチームの興味関心を理解、レコメンドの精度も増していくという。

第二に、管理者権限のユーザー向けに、他ユーザーがいつどの記事を読んでいるのかを可視化、チェックできる機能を実装した。未読記事があればリマインドによって情報の閲覧を促す。こうして、メンバーに記事を読むインセンティブを持たせることで、チーム全体の情報収集力を底上げできるというわけだ。

新たにAIコンサルを開始!
AIを活用できる土壌を日本企業に醸成

事業にかける思い

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ストックマークは、同社のCTOを務める有馬幸介氏が在籍した東京大学大学院情報理工学系研究科におけるAI・ディープラーニング研究をベースにスタートした会社だ。

CEOの林達氏と、有馬氏の2人は東大を卒業後、それぞれ別の大手企業に就職。非効率な情報収集から抜け出せないビジネスの現場を目の当たりにした。2015年に同社を創業し、個人向けブックマーク管理アプリ「StockMark」を最初にリリース。「Anews」は、そこで培った技術を社内の情報共有に生かしたものだ。

「googleニュースでもヒットしないような良質なニュースが揃う」と、すでに多くのクライアントから評価は上々。だが、同社はニュースクリッピングサービスだけに留まるつもりはない。クライアントもまた「AIで何ができるのか」模索している最中だ。今後は「Anews」の利用者拡大を進めつつ、AI関連の新規事業の立ち上げもサポートする。

2018年2月にも新サービスをローンチする予定だ。それが「AIアルケミスト」。

「日本企業にはまだAIを活用できる土壌がありません。10を100にするような旧来のビジネスと違って、AIビジネスはゼロを1にするような発想が必要。そのための人材、組織、風土作りをお手伝いするコンサルティングサービスです。プロジェクトリーダーとして、これまで企業とAIをつないできた元日本IBM のメンバーが新たにジョインしました。今年の当社の活躍に、ぜひ注目していてください」(林CEO)。

ストックマーク株式会社
代表者:林 達 氏 設立:2015年4月
URL:https://www.stockmark.xyz/ スタッフ数:7名
事業内容:
AI技術を活用したニュース配信およびブックマーク管理サービスの運営
これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名:
特になし
ILS2017 大手企業との商談数:
7社

当記事の内容は 2018/3/6 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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