新鮮・安心な野菜がいつでもオフィスで食べられる! 新サービス「OFFICE DE YASAI」が登場!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

ハンディサイズで食べきりサイズの野菜がいつもオフィスに補充されるサービスが登場
展開している事業内容・特徴

oder-1現代人は野菜不足だ。特に都会で活躍するオフィスワーカーは、食事の多くがコンビニやファーストフードという方も多いだろう。健康のためには野菜も取らなければいけないと思いつつ、 ついつい手軽な食事で済ませてしまう・・・。肉や脂っ気が多いメニューが中心のそのような食生活になりがちだが、なかなか改善するのが難しい。

そんな、オフィスワーカー、ひいては現代人の野菜不足を一気に解決してしまいそうなサービスが登場した。それが今回紹介する「OFFICE DE YASAI(オフィス・デ・ヤサイ)」。運営は株式会社KOMPEITO(コンペイトイウ)というベンチャー企業。オフィスのヘルシー化を実現すべく2013年12月に登場したばかり。

ビジネスモデルはシンプル。安心・安全・新鮮な野菜を、各オフィスに設置した専用冷蔵庫に定期的に配達。費用は食べた野菜の分しかかからず、他の費用は一切不要。野菜はハンディサイズのものを小分けにパックしたもの。手軽にオフィス内でつまめるサイズなのがポイントだ。

現在、配達している野菜はミニトマト、ミニきゅうり、切り干し大根、金柑(3月で終了)を中心に、イチゴやじゃがバター、ミニにんじんなども本格導入に向け一部顧客で展開をしている。農業の世界ではその名を知られる「宮崎太陽農園」「宮崎県綾町 Handmade綾」「鹿児島県日置市 つは農園」「北海道士幌町 夢想農園」といった農家から出荷されており、味は折り紙付きだ。また、農薬・化学肥料を最小限に抑えた農法で生産されているため、安全・安心。さらに生産者からの直送のため 、何より“鮮度”がバツグンなのである。

野菜の代金は100円から300円程度。ジュースやお菓子と同程度の金額で新鮮野菜をオフィスでつまめるのが嬉しい。またその小さな見た目も愛らしく食べるのが楽しい。

口の中で甘味と酸味が弾けるミニトマト、小さなからだに瑞々しさがあふれるミニきゅうりなどは忙しいビジネスパーソンの朝食にもピッタリで、一口ほおばれば、ねむけ眼とぼやけた頭をすっきりとリフレッシュさせてくれることだろう。

同サービスにはいくつのプランが設定されている。企業側が野菜をすべて買い取り、従業員には無償で提供する「ヘルシーオフィスプラン Regular」。従業員の野菜購入料金を企業が半額負担する「ヘルシーオフィスプラン Lite」。従業員が野菜を購入した際に料金箱へ代金を入れておく「ヘルシーオフィスプラン Personal」の3つ。各プランともに小型冷蔵庫や料金箱の貸出・メンテナンスは無料となっており、導入コストに一切費用がかからないので手軽にサービスを検討できるのも魅力だ。

取材をした2014年3月中旬時点では、サービスインを果たしてからまだ3ヵ月ほどだが、すでにクライアント企業は約30社を超えており、契約企業のほとんどは都心部エリアだそうだ。まだ本格的な広告・宣伝を行っていないが、すでにこれだけ反響があることが、如何にオフィスワーカーが野菜を欲しているかを証明している。また、同社によれば企業買い取りのプランを採用する企業が想定以上に多く、企業サイドも従業員の健康について真剣に考え始めている証拠だろう。

スタッフは同社代表の川岸 亮造氏を含め5名(インターン、ボランティアスタッフ含む)。各企業への配送は自分達で行っているが、サービスの引き合いが順調に増えているため、もっと効率的でスムーズな配送スタイルを模索しているとのことで、例えば都内各地にある食品工場などの冷蔵庫や倉庫を間借りして、よりジャストタイムな配送を実現させる計画を進めている。

農業コンサルティングに対する問いから起業。トマトのかぶりものでブレーク!?
ビジネスアイデア発想のきっかけ

order-2OFFICE DE YASAIを展開させる株式会社KOMPEITO代表取締役の川岸 亮造氏の前職は、日本能率協会コンサルティングで経営コンサルタント。農業界でのビジネス自体はコンサルタント時代に思いついた。

川岸氏が能率協会に在籍した頃、社内では農業関係を主軸とした第一次産業向けのプロジェクトの研究がおこなわれていた。直接、研究には携わっていなかった川岸氏だが、農家や農業法人向けに従来のコンサルティングモデルを適用するのは難しいとの疑問を抱いていた。

「フィーを受けコンサルを行いクライアントの利益を上げるというのがコンサルティング会社のビジネスですが、コンサルを依頼するような農家・生産者は極少数だと感じました。日本全国に生産者の方々は大勢いますが、高額なコンサルフィーを払えるような規模の生産者はいないでしょう。
そこで、生産者と消費者を直に結びつけられるようなサービスを考案し提供した方が、生産者の利益につなげられるのではと考えて起業しました。そうして個人向け直販ビジネスやマルシェ営業などを経てOFFICE DE YASAIが生まれました」と川岸氏は話す。

川岸氏は起業に向けて、上述の研究に携わっていた同期の渡邊 瞬氏(現:株式会社KOMPEITO COO)と共に、起業への思いやビジネスアイデアを練り上げていった。川岸氏と共に創業することを決意した渡邊氏を創業メンバーに迎え、2012年9月に株式会社KOMPEITOを設立。資本金は300万円。それぞれの貯蓄から資本金を出しあった。

当初にスタートさせた事業はWebを使った野菜の個人向け宅配サービス。ユーザーは全国に“かかりつけ”の農家を見つけられ、農家は不特定多数の消費者に自らの野菜をPRできるプラットフォームサイトである。このサービスは好評を得たが、ビジネスモデルとしてはネックがあった。

それは、配送手数料である。「こだわりを持ち生産する農家さんの言い値を下げることはできない。しかし送料を含めるとどうしても販売価格が高額にならざるを得ません。高額でも構わないから良い野菜を求めたいと考える消費者も確かにいましたが、すでに『オイシックス』や『らでぃっしゅぼーや』といった野菜宅配サイトの大手を利用している方がほとんどで、ビジネスとして展開していくのは厳しい領域でした」と、川岸氏は当時を振り返って語ってくれた。

その後、送料の問題を解決すべく同社は店頭販売に着目、酒屋などの軒先を借り野菜を売った。配送リスクをなくしたこのサービスで、事業は軌道に乗るかと見えた。が、しかしである。ここでも、新たな課題が待ち受けていた。在庫の問題である。

客足は言わずもがな、天候や曜日によっても左右される。しかし、抱えた在庫を売り切らなければ野菜は鮮度が落ちる。鮮度が落ちた野菜は当然、売れない。同社は販売日を調整するなどして対策を行ったが、なかなか抜本的が解決に至ることができなかった。

そこで打開策として思いついたのが野菜の共同購入サービス。ある程度まとまった量をグループに販売することで配送と在庫のリスクを回避できる。川岸氏は、企業やママサークルへ営業を開始したが、これが転機となった。もっと、手軽に食べられる良い野菜はなのか? という声が多いことに着目した氏は、そのまま食べられる野菜を提供したらどうかという着想を得、さらにそのような野菜であればオフィスワーカーに必ずニーズがあるだろうという実感も得た。

そうして、2013年6月から供給体制の構築や地道な営業活動・テスト販売などに励み、半年間後の2013年12月にOFFICE DE YASAIをリリースした。なお、このOFFICE DE YASAIのビジネスモデルで、サムライインキュベートの榊原健太郎氏から投資も受けている。

これまでの事業で培ったコネクションもあり、同サービスは順調な滑り出しを見せた。また、サイボウズ超会議やbstyle OpenLabなどのイベントに協賛でミニトマトを提供したりなどと積極的なPRが功を奏し、さまざまな引き合いが増えていった。

ユニークなのは、川岸氏はPRや配送で企業へ出向く際、トマトの被りものをする。同サービスのブランディングからはじめたことと言うが、この愛らしい姿が、非常に人気を集めている。(実際、この取材も、たまたまトマトの被り物をした川岸氏の写真を担当者がネットで見たことがきっかけだ。)

オフィスワーカーに健康を促すだけではなく、生産者がもっと潤えるように
将来への展望

このサービスで面白いのは、本来は市場に出回らないような規格外の小さな野菜が、高い付加価値を持つ「商品」になっているという点だ。同社は今後。提携農家とともに商品開発を進め、ラインアップの充実とサービスの拡充をめざしていく予定だ。

近々では、オフィスのレンジでチンするだけでじゃがバターがつくれる「ミニじゃがいも」や、とびきりフレッシュな「いちご」などを予定されている。また、今現在は構想の段階だが、後々には冷蔵庫に各地方の名産品を置き共同購入の場として機能させることも検討している。つまり、アンテナショップならぬ、オフィス内の冷蔵庫を“アンテナルーム”化するプロジェクトだ。

さらに、川岸氏は長期的で壮大な展望を持っている。以下は川岸氏の弁。
「私たちが事業を展開させることで、ユーザーが健康になり生産者も潤う、すべてがwin-winである基盤を構築していきたい。そのためにはまず生産者の利益向上も欠かせません。まだ農業には、合理化できるポイントがあります。その部分に前職で培った経験とノウハウを上手く介入すれば、生産者の仕事の効率化と利益向上だけでなく、さらには新しい雇用も生み出せるのではと感じています。農業全体を活性化させられる一つのモデルとしてサービスを邁進させていきたい。」

川岸氏とのインタビューの最後に、印象的な言葉があった。それは、「今まで、消費者の顔を知る由もなかった生産者に、野菜がどこでどんなオフィスワーカーに消費されているのかを伝えると、非常に喜んでもらえる」というものだ。

現代人の野菜不足とともに、近年、高齢化や生産者減少が著しい農業の衰退は深刻な問題である。地方の生産者と都会で激務に励むオフィスワーカーの架け橋となる同サービス。現代人の食生活そして農業、双方が抱える問題にメスを入れる素晴らしいソリューション事業である。

株式会社KOMPEITO
創業者:代表取締役 川岸 亮造氏/COO 渡邉 瞬氏 設立:2012年
URL:http://www.officedeyasai.com/ スタッフ数:5名(インターン、ボランティアスタッフ含む。随時募集中)
事業内容:日本のオフィスを健康にする「OFFICE DE YASAI」の企画・運営
・農産物マッチングサービスの企画・運営
・食に関するイベントの企画・運営

当記事の内容は 2014/4/4 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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