現役東大生7000名、早・慶大生1万名ほか、首都圏3万人の学生が登録する「t-news Web」

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執筆者: ドリームゲート事務局

東大生の約半数が登録するメディア。大学生に特化したビジネスで年商7億円!
展開している事業内容・特徴

 tomonokai東大生7000名以上、早・慶大生1万人ほか、難関大学の学生3万人以上が登録する「t-news Web(http://www.tnews.jp/ )」というWebメディアをご存じだろうか。

同メディアを運営するのは株式会社トモノカイ。1992年に東大の学生サークルとして始まり、2000年には株式会社東大家庭教師友の会として法人化。2009年に株式会社トモノカイと名称を変更して現在に至る。

 「t-news Web」は、大学生向け総合情報サイトである。家庭教師や塾講師などのアルバイト情報、サークル情報、履修登録など大学生活に役立つ情報のほか、留学情報やスキルアップ、就職活動に関する情報も提供している。

配信されるアルバイト情報は、塾講師や家庭教師情報のほか、高校に派遣されて指導するチューターや大学入試の試験監督など、ユニークなものも。時間単価が高いアルバイトはもちろん、学生にとっても自己実現につながる、やりがいのある仕事が多いのが特徴だ。なかには、東大の二次試験レベルの採点といったアルバイトまである。大学受験の採点などは特定の時期に集中するが、誰でもできるというわけではないので、東大生にピッタリの仕事というわけだ。

同社が運営するメディアは「t-news Web」だけではない。塾講師専門の求人情報サイト・口コミサイト「塾講師ステーション(http://www.juku.st/) 」「塾講師ネット(http://www.juku.net/)」、教員を目指す学生向けのサイト「教員ステーション(http://www.kyoushi.jp) 」なども展開している。

 同社の強みは学生へのリーチ力。人材×教育という事業ドメインでビジネスを展開しているが、2013年4月現在で年商は7億円ほど。社員数20名、インターンスタッフ数40名という規模だ。学生向けメディアというニッチな立ち位置ながら、圧倒的なシェアを確立しているのだ。

個別指導市場の拡大に乗って急成長。「学生」を軸にユニークな取り組みを続々と展開
ビジネスアイデア発想のきっかけ

同社の事業が大きく伸び始めたのは2003年頃。学習塾の世界で「個別指導」と呼ばれる形式のサービスがスタートし始めた時期だ。2013年現在、学習塾の市場は1兆円ほどといわれているが、そのうち4000億円が個別指導に当たるという。

そうしたなか、同社の持つ難関大学に在籍する現役学生へのリーチ力が、個別指導の市場拡大とマッチした。個別指導では、講師一人一人の質が最大の付加価値。当然だが、国内最高峰となる東大生に教えてもらいたいというニーズは強い。だから、東大生を多く抱える同社に塾講師の斡旋依頼が集まるわけだ。

東大生向けのサービスからスタートし、徐々に他の国立大や早慶大といった有名私立大の学生にもネットワークを広げ、2013年4月現在では難関大を中心とした現役学生3万人が登録する巨大メディアに成長した。

同社は、日本に来る留学生の支援事業も展開中だ。たとえば、中国人留学生を百貨店に派遣し、百貨店のスタッフに中国語や中国人の嗜好・特性を教える研修ビジネスもスタート。生活費を稼ぐだけでなく、彼らの成長につながるようなアルバイトや経験を提供している。

さらに、旅行代理店最大手のJTBと提携し、「大学体感プログラム」という、主に修学旅行内のオプションとして全国の中高生を対象とした大学生による座談会等の企画を企画し実施。また、講談社と提携し受験漫画として人気になった「ドラゴン桜」のモバイルサイトなども運営していた。

同社がプロデュースした書籍で「東大生が選んだ勉強法」(PHP文庫)は25万部を越すベストセラーだが、これも出版社と同社が共同で仕掛けたビジネスだ。

もちろん、既存の大手学習塾や大手教育系出版社などとも提携してビジネスを展開している。「国内の教育関連企業とは、ほぼすべて何がしかの取り組みをしている」と、取材に応じてくれた同社取締役の原口陽一郎氏は言う。ニッチなテーマで市場に圧倒的なブランドを築き、そこを中心にさまざまな事業展開を行う――ベンチャー企業の事業展開モデルとしては、教科書ともいえる好例だろう。

日本発の世界的教育サービスの確立を目指す!
将来への展望

こうして「東大」ブランドを中心に事業を展開してきた同社だが、「今、規模的に壁にぶち当たっている感じだ」と、原口氏は語る。

今後の戦略として、中→高→大→社会人という成長プロセスに合わせた事業展開を模索しているそうだ。まだ手探り状態だが、ヒントは世界進出に成功している「公文式」や「ベネッセ」といった教育ビジネスにあると見ている。つまり、属人的なビジネスから「コンテンツ・ビジネス」への転換だ。

2016年までに年商20億円、さらに2020年までに世界に打って出るサービスの確立をし、2030年には世界的なブランドを確立する計画だ。

日本発の世界的なビジネスは、高品質・高機能なハードウェアや素材、ゲームビジネスなどがあるが、サービス分野ではまた目立ったものは少ない。しかし、敗戦後、何もないところから世界2位の経済大国まで成長した秘密の一つに「教育」というキーワードは欠かせないだろう。国内では「詰め込み教育」などとも揶揄されるが、現実として日本の教育を受けて育った人材が世界中で売れる製品や革新的なハードを生み出してきたことは事実だ。

こうした日本の教育を「サービス業」としてグローバルに展開していきたい――というのが同社の展望。日本発の世界的教育サービスがかたちになることを、ぜひとも期待したい。

株式会社 トモノカイ
代表者:徳岡 臣紀 スタッフ数:社員数 20名、インターンスタッフ数 40名
設立:2000年4月7日 URL:http://www.tomonokai.net/e/
事業内容:
1.家庭訪問による学習指導業務
2.労働者派遣業務
3.有料職業紹介業務
4.市場調査および情報提供サービス
5.教育サイト運営

当記事の内容は 2013/4/4 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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