コラム:小さな会社が金融機関から信用を得るための極意

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 成長資金調達部会



事業成功に欠かせないものの代表例として、“お金”を挙げることができます。
いくら素晴らしい商品・サービスであっても、会社にお金がなくなってしまっては、事業を継続することはできません。

今回のコラムでは、事業継続に欠かせない“お金”をショートさせないために、小さな会社が金融機関とどの様に付き合うべきかについて解説をします。

小さな会社が付き合うべき金融機関とは

まず、これから起業される方や起業後の方に一番馴染みのある金融機関は日本政策金融公庫(以下、公庫)です。公庫は、100%政府出資の政策金融機関で民間金融機関が行う融資を補完することを目的にしています。すなわち、創業1.2期でも条件が整えば、融資を受けることができます。

次にお勧めなのは、地元の信用金庫、信用組合です。年商が数百万から1億くらいの会社や個人事業主は、信金信組が力になって下さいます。地銀は年商1億〜20億規模でないと相手にしていただけません。メガバンクは最低20億以上です。覚えておいて下さい。

次に、公庫と信金から継続的に融資協力を得るために必要な極意についてご紹介していきます。

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金融機関との信用を築く極意

創業1.2年目は、公庫の創業融資が融資を受けやすいです。
それから信金信組の創業融資もあります。区や市の制度融資を利用します。このダブル融資がお勧めです。

創業後、継続的に融資を受けるならば、金融機関の信用を作る必要があります。

信用を得るために大事なこと。
それは、定期的な資料提出と決算説明。具体的には、【融資3点セット】【支店長への決算報告】です。
融資審査の8割は決算書の内容で決まります。ほか1割が資金繰り、1割が事業主の資質です。

決算書を補完しパワーを与えるのが、【融資3点セット】です。

    【融資3点セット】とは、
    ①実態BS
    ②資金繰表
    ③銀行別借入残表

です。

決算が終わったら、何をすべきか。何もしない人が9割です。それはNGです。
上記①②③を作り、A4 1枚の決算説明書を書いて、支店長にアポイントです。

そして、銀行融資を専門にしている税理士と事前打ち合わせをして、銀行に同行。支店長に決算報告のプレゼンです。
銀行はあなたの行動を待っています。気後れする必要はありませんし、もしアフターコロナ融資を受けたいなら、気後れしている暇はないはずです。あなたにその気迫はあるでしょうか?
赤字でもよいので、来期の着地を誠実に説明することが大事です。

また、月の営業利益の半分以内で借入返済が可能であることは、非常に重要です。つまり返済原資です。
利益には税金が隠れています。消費税もあります。月の営業利益で返済が賄えない場合、雪だるまになります。経営改善計画が必要です。
毎月の返済金額をより小さくする借換えや、原価、人件費、家賃、高額な固定費の低減、不採算事業(店舗・商品)からの撤退が必要になってきます。

複数の金融機関から融資を継続的に受けるために有効な方法

複数の金融機関から借り入れがある場合、『③銀行別借入残表』の提出が有効です。
金融機関は他行との融資取引状況を知りたい。そして融資残高のシェアを気にします。心地よいメイン行のシェアは45~55%。1行が70%とか80%を占めたら危険かもしれません。サブ行が『メイン寄せ』をする可能性があります。つまり撤退です。サブ行はメイン行の融資スタンスを見ています。

そして、【3行取引】公庫+信用金庫+信用金庫からバランスよく借りる。を推奨します。

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【融資3点セット】の使い方

現在金融機関では、アフターコロナに向けた融資制度を設けてます。
例えば公庫は10年間返却不要、利息のみの資本性劣後ローンを出しています。これは信金の協調融資が条件になります。しかし、アフターコロナの融資審査。当然ハードルが高いです。

したがって金融機関からの評価を上げる必要があります。

その極意は、先にも述べたとおり支店長への決算報告です。その際に【融資3セット】を持参し、融資時の面談交渉に臨むことが重要です。

    【融資3点セット】
    ①実態BS
    ②資金繰表
    ③銀行別借入残表

資金繰表の効果

みなさん、資金繰表と聞きイメージがわきますか?
資金繰表とは、月別に現預金の収支を集計した表です。要するに、現預金の出入り、先行きの過不足の状況を把握するための資料です。

これを毎月作成し、先行きを予測することで、資金調達が必要な時期を把握することができます。
当月までの実績把握と、先18ヵ月の預金残高のシミュレーションです。

【融資3セット】の内、みなさんが作成を苦手とするのが資金繰表です。毎月資金繰表を作って業績の振り返りをしている社長は10%もいないだろうと思います。
金融機関は決算書や試算表のほかに、この資金繰表を見て、先行きの預金残は潤沢なのか、厳しいのか、追加資金はいくら必要か、または撤退すべきかを判断します。

またコロナ融資を受けた会社は、据え置き期間終了後、毎月の返済が始まり、月の営業利益の半分以内での返済が必要となります。これは創業融資を受けた方、これから受ける方にもあてはまります。資金繰表を作るのに欠かせないのが毎月の試算表です。

金融機関と信用を築くためには何が必要か。アフターコロナは間違いなく、融資審査ハードルは上がります。
理由は簡単。コロナ融資を受けた飲食業、小売業。据え置き期間終了後、V字回復を果たせないであろう過半数の事業主は、毎月の返済が厳しくなることが目に見えています。つまり金融機関は業績の悪い会社には追加で融資は行いません。

継続融資が必要ならば、資金繰表。これは必須となろうかと思います。

この記事の監修者
青山 浩司(あおやま ひろし)
白金青山綜合会計事務所 代表税理士
■銀行融資専門税理士。
創業融資、信金、保証協会、プロパー融資、公庫資本性劣後ローン、短期継続融資(当座貸越)、コロナ融資。『金融機関と信用を築く極意』を正攻法でご指導する財務顧問をご提供しています。
■当方独自のメソッド【融資3点セット】とは。
①実態BS ②魔法の資金繰表 ③銀行別借入残表
そして銀行支店長への決算報告に同席。
■資金は最強の武器。創業したかた。融資が必要なかた。ぜひご推薦ください。お役に立てると思います。
■【年商億の会】
年商3億を目指す経営者の勉強会を主宰。売上アップを図る交流会も不定期で開催。

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