「歩きスマホ」「ながらスマホ」問題も解決!
声で返信できるワイヤレスイヤホン「APlay」

IoT

執筆者: 松元 順子 編集:菊池 徳行(ハイキックス)

大切な情報を声でやりとり。
移動時間を快適にするイヤホン 展開している事業の内容・特徴

170720_1 イヤホンジャックが廃止された「iPhone 7」の発売以降、Bluetoothを使ったワイヤレスイヤホンのユーザーが急増している。そんななか、ハンズフリーで返信できるワイヤレスイヤホン「APlay」を開発したのが株式会社ネインだ。

「APlay」は、音声操作システムにより情報やメッセージが読み上げられ、声で返信もできるイヤホン。Androidアプリ「APlay」と連携することで、カレンダー、天気、路線情報、ニュース、LINE、Twitter、Facebookメッセンジャーなど、あらゆる情報を音声で聞くことができる。日本語音声による読み上げは、HOYAサービスの音声合成エンジン「VoiceText」を採用。騒音化でも聞き取りやすい音声を実現している。

音楽、ポッドキャスト、通知履歴再生など、今聴きたい音声に切り替えが可能。通勤中やランニング中でも、音楽を楽しみながら、スマホを取り出す手間なく、メッセージを聞いて素早く返信できる。また、イヤホンのボタンを押すだけで「いいね絵文字」を送信でき、詳細を伝えたい場合は音声入力で返信するなど状況に応じた使い分けも可能だ。

「音楽を聴きながら、情報を聞くことができる点が『APlay』の最大の特徴です。Bluetoothの高音質コーデックであるaptXにも対応するなど、音質にも徹底してこだわっています。最も大切にしているのは、ユーザーが音を聴いたときにハッピーがどうか。『この価格でこの音が楽しめるなんて』と喜んでいただけるような“価格と音の満足感のバランス”を追求しつつ、その時代のトレンドにあった音づくりをしていきたいと考えています」(同社代表・山本健太郎氏)。

2017年7月現在、「APlay」はAndroid版のみであるが、今秋にもiPhone版が発売される予定だという。

カーナビ領域の知見とAI技術で、
ストレスのない生活を実現 ビジネスアイディア発想のきっかけ

170720_2同社代表の山本健太郎氏は、北海道大学で人工知能分野を専攻した後、パイオニア株式会社に入社し、カーナビの企画・開発を担当。北米、欧州のイノベーションアワードを受賞するなど、コネクテッドカー領域で世界を牽引してきた人物だ。

「前職で世の中のトレンドや新しいネットワーク技術を日々追求していくなか、2012年くらいからIoTというキーワードが出てきて、すべてのものがインターネットにつながる時代が来ると直感。そこで、組織の一員としてではなく、自分の力で新たな時代を切り拓いていきたいと考え起業しました。また、普段から車の運転中にスマホの着信に対応できないことがストレスだったのです。例えば、待ち合わせに遅れそうなときに『あと何分で着きます』と自動で応答できたら便利だなと思ったりしていました」

2014年11月に同社を設立。2015年3月にスマートウォッチ対応のコミュニケーションアプリ「NAIN」をリリースした。起業当初の予想を超え、VCからの出資や政策金融公庫からの融資などで順当に資金を確保できたことから、よりコンセプトを磨き上げて、大きなビジネスを狙うという方針に転換。そこで2016年10月に新たに開発したのが「APlay」だ。

着想から開発までの期間はわずか半年。中国でデザインされたモデルをカスタマイズすることで、低コストかつスピーディーに商品化を実現した。

36歳で起業した山本氏。学生時代から起業家を夢見ていたが、心のどこかに迷いがあり、周りの人に度々相談していた。そこで「そんなに起業したいならすればいいのに」という知人の一言に後押しされ決断したという。

「起業はバンジージャンプのようなもの。迷ったときは、勇気をもって一歩踏み出した方がいい。自分の描く世界をつくるために自らアクションを起こすことができるという経験は、ほかでは得られないものだと思います。今後何かあったとしても、経験という資産を生かして次につなげることができると考えているので、会社員時代よりもむしろ安定しているとも言えますし、充実した人生を送ることができていると実感しています」

テクノロジーの力で、
幸せな社会の創造を目指す! 将来の展望

170720_3同社のメンバーは現在6名。カーナビ開発を通じてAppleやGoogleとも仕事をしてきた専門性の高いメンバーが集う。山本氏曰く、「近未来の世界を具体的にイメージできる想像力をもった人材が揃っている」とのこと。そんな彼らが目指すのは、どんな世界なのだろうか。

「今や小学生でもスマホを持つ時代になりました。しかし、テクノロジーの進化に伴い、歩きスマホが問題になるなど、ある意味、ものに支配されている時代になっていると感じます。私たちが目指すのは、もっと“人間らしい幸せ”を感じられる世界をつくること。旅行に行ったり、おいしいものを食べたり、大切な人と目を見て話したり。そんな自由で心地良い時間をテクノロジーの力で増やすことができればと考えています」

現在、日本最大級のファッションイベント「ガールズアワード」が運営する「GirlsYell」との共同プロジェクトを実施。10代に人気のモデルとコラボし、よりファッション性を追求したNewバージョンの「APlay」を展開している。「トレンドに敏感な若い世代の方々とともに、新しい世界をつくっていきたい」(山本氏)。

2017年3月には、「Amazon Alexa」を搭載した「APlay Pulse」という新しいコンセプトモデルをリリースした。同製品は「離れて暮らす恋人の存在を身近に感じられるデバイス」。片耳に装着してヘッドホンのボタンを押すだけで、パートナーとの音声メッセージをやり取りできるというものだ。アメリカ・テキサスにて開催されたテクノロジーと音楽の祭典 SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)でも展示発表を行った。

「今後はより認知拡大に努め、ワイヤレスイヤホンにおいてAppleに次ぐ2番目のポジションを狙いたい。製造の仕組みなどをより工夫していくことで、ユーザーに感動を与えられるような商品を生み出していきたいです。将来的には、あらゆるモノにAIを導入し、面倒な作業がすべて自動化される世界を実現したい。たとえば、テレビの前に座ると自動的に見たい番組が映ったり、イヤホンを付けるだけで好きな音楽が流れたりするような環境をつくっていきたいですね。もしかしたら、車やテレビをつくるかもしれませんよ」

株式会社ネイン
代表者:山本 健太郎 氏 設立:2014年11月
URL:http://www.nain.jp/ スタッフ数:6名
事業内容:IoTサービス、ハードウェア商品の企画・開発・販売

当記事の内容は 2017/07/20 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。