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58歳の女性の挑戦が予想を超える大反響!
世界初のソフトコンタクトレンズ着脱器具

執筆者:東 雄介  編集:菊池 徳行(ハイキックス)
更新日:2016年08月02日

月間2300個を売り上げる大人気商品。
シンガポールでも取り扱いスタート 展開している事業の内容・特徴

20160728-1世界で唯一のソフトコンタクトレンズ付け外し器具「meruru(メルル)」を展開する株式会社メディトレック。独自開発のシリコン製ピンセットとスティックにより、指で触れずにレンズの付け外しができるため、安全、清潔。コンタクト初心者やネイルなどで付け外しに困っている人の間で、この商品が大人気となっている。

1セットの価格は1980円。2013年6月に発売されてから3年が経ち、現在はコンスタントに月間約2300個を売り上げるヒット商品に成長している。2016年7月期の年商は4000万円を見込む。

販路は大手コンタクトレンズ量販店やドラッグストア、オンラインショップが中心。2016年5月からはシンガポールの東急ハンズ2店舗でも取り扱いが始まり、北米、南米、アジア圏からのオファーも届いているという。もっとも、「拡販を急がない」のが同社のポリシーだ。

「1人でも多くの方がコンタクトレンズを使えるように――という私の思いが、meruru開発の原点です。しかし、ピンセットの角度や幅、シリコンの硬さなど微妙な調整が必要な商品とあって、今も1つ1つ、私たち開発者が自分で検品してから出荷しています。世界展開も頭の片隅に置いてはいるのですが、やはり品質管理が第一です」

そう語るのは、同社の齊藤和子代表。起業時、齊藤氏は58歳。それまではコンタクトレンズの検査員として、都内の眼科で「コンタクトレンズの付け外し」の指導をしていた。

眼科に勤めるなか患者の悩みを知る。
一度は開発を諦めるが、震災で奮起 ビジネスアイディア発想のきっかけ

20160728-2眼科にて来院者にコンタクト装着を指導しながら、齊藤氏はしばしば悔しい思いをさせられていた。指を眼球に近づけるのが怖かったり、指での付け外しがうまくできずに、コンタクトレンズを諦める来院者が「15人に1人はいた」という。レンズをうまく付けられて喜ぶ来院者を見るのは、彼女の喜びでもある。「誰か、いい補助器具をつくればいいのに」と思わずにはいられなかった。「そんな折、夫から『じゃあ自分でつくってみたら?』と勧められました」

ものづくりの経験はゼロ。しかし齊藤氏には30年に及ぶ検査員としてのキャリアがあった。「どんな器具をつくればいいか、イメージだけは明確だったんです」。

100円ショップでシリコン素材の商品などの材料を買い込み、手作業で試作を開始。試作品を業者に見せ、簡易型のプロトタイプを制作してもらい、それをさらに修正。プロトタイプの製造・修正の作業には1回数十万円もかかったが、初めは思うように仕上がらない。一度は諦めかけたが、東日本大震災が転機となった。

福島から避難してきた女性が「水も貴重で、手を洗えるような状況じゃない。コンタクトレンズをつけられなかった」と嘆くのを聞いた。「やっぱり私がつくらなくちゃ、と奮い立ちました」。

満足がいく仕上がりに至るまで、およそ3年の歳月がかかった。トータルで投じたお金は約500万円。個人の蓄えから出したものである。それでもなお起業する意思はなく、「こんなものがあったらいいのに、という思いだけで突き進んでいたんです」。

起業への決定打となったのは、勤務していた眼科でのこんなやり取りだ。商品を置かせてもらいたいと持ちかけると「トラブルがあったとき医者として責任はとれない。コンタクトレンズがつけられない人なんて切り捨てればいい」と眼科医に拒否された。

「それを聞いた時、だったら自分で売るしかないと思ったんです」。だから今でも、販路は眼科だけではなく、大手コンタクトレンズ量販店やドラッグストア、オンラインショップの開拓に積極的というわけだ。

国内外の潜在需要は大きいが、
世界展開よりも「品質管理が第一」 将来の展望

20160728-3実は会社を設立した後も、国内のソフトコンタクトレンズ100数十種類でテストを行い、商品をリリースするまで9カ月にわたって改良に改良を重ねた。「95%のレンズが問題なく付け外しができたとしても、私は100%じゃなきゃいやだったんです(笑)」。

そしてついに「meruru」をリリースすると、ニッチで珍しい商品とあって、販売開始直後からメディアの取材が相次いだ。前述のとおり、販路もじわじわと拡大中である。改良の甲斐あって、今に至るまで目の障害など大きなトラブルは1件もない。

現在、国内のコンタクトレンズユーザーは1800万人ほど。そのうち42%が「装用するのが面倒である」、19%が「付け外しが難しい」と感じているという。まだまだ国内需要も掘り起こせる。

「最近はコスプレメーカーさんからも相談を受けているんです。コスプレイヤーの皆さんは、お化粧をして、付け爪をして、水のないところでカラーコンタクトの付け外しをする。清潔ではありませんし、付け爪ではレンズを破ってしまうかもしれません。そこでmeruruが役に立つ、というわけです」。

会社はまだまだ小さい。副社長として支える夫、営業やマーケティングを担う広告会社出身の社員などに支えられながら、齊藤氏自身は、今も品質管理に専心する。

「幸い、発売から3年経っても競合といえる商品が現れません。1人でも多くの方が安心してコンタクトを付け外しできるよう、私たちがなんとかしないといけない。でも、ものづくりの経験のない私たちは、何をするにもアマチュアです。きちんとした商品を出し続けることを一番に考え、地道に続けていきます」

株式会社メディトレック
代表者:齊藤 和子氏 設立:2012年8月
URL:http://meruru.biz/ スタッフ数:4名
事業内容:・ソフトコンタクトつけはずし器具「meruru」の製造および販売

当記事の内容は 2016/08/02 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事の執筆者

取材・文/東 雄介  編集/菊池 徳行(ハイキックス)

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