開始1カ月で130社が利用中!コネを視覚化した新しい人材獲得サービス「ウォンテッド」

サービス業

執筆者: ドリームゲート事務局

本格リリース後1カ月で130社が利用中!新しい人材獲得サービスは「コネ」を視覚化? 展開している事業内容・特徴

wantedly1昨今、「ソーシャルリクルーティング」という言葉をよく耳にするようになった。大学生が就職活動をする際に、Facebookを積極的に活用しているが、そのほかにも、twitter、mixiなどのソーシャルメディアを使った採用活動を「ソーシャルリクルーティング」と呼ぶ。

そして、日本初のソーシャルリクルーティングサービスといわれているのが、「ウォンテッド」である。「自社の社員からの紹介で面接を受けに来る応募者には優秀な人材が多い」という声に着目し、この「コネ」をネット上で可視化したところがユニークなポイントだ。

人材を求める企業の採用担当者は、まず「ウォンテッドリィ」のアカウントを取得する。登録は無料だが、有料版では複数のアカウントが使い分けられるなど、高機能になっている。登録後、採用担当者は、求める人材が興味を持ちそうな「プロジェクト」を企画して登録する。

さらに、自社の社員にも「ウォンテッドリィ」への登録を依頼する。そうすると、掲載されたプロジェクト情報が社員のアカウントを通じて、社員の知人・友人にも「拡散」されることになる。そんなプロセスで、プロジェクトに興味を持った人材が、エントリーしてくるという仕組みだ。

登録されているプロジェクトは、採用を全面にうたったものではなく、例えば、「はてなの凄腕エンジニアに開発裏話を聞きたい人募集」「クックパッドのエンジニアとWeb技術について話したい人募集」といった、気軽にエントリーできそうなものが多い。一見すると、採用活動とは思われないカジュアルさもポイントだ。

収益源としては、利用企業から月額利用料を得るパターンと、実際に人材獲得に成功した際の成果報酬の二つ。

ちなみに、成果報酬についてもユニークな仕組みを取り入れている。ある企業への入社を希望する人材が、その会社に在籍している社員へ自分の推薦状を依頼できるのだ。そして、当該の人材の獲得が決まれば、推薦状を書いた社員にも報酬が支払われる。確かに、入社の審査や条件が厳しい大企業にとって、既存社員からの推薦状は、大きな信頼材料になるはずだ。

アイデアはあるけどつくれる人が見つからない。だから、自分でつくってしまった! ビジネスアイデア発想のきっかけ

wantedly2「ウォンテッドリィ」の創業者は、仲暁子氏。彼女は、2008年に京都大学経済学部を卒業後、ゴールドマン・サックスからFacebookの日本法人を経て、2011年に起業した。金融ビジネスからキャリアをスタートした仲氏は、中学生時代から自分でホームページをつくるなど、Webの基本的な仕組みは理解していた。しかし、本格的なWebサービスの開発については、もちろん素人である。

事業アイデアはあったものの、それをかたちにしてくれるエンジニアをいくら探しても出合えない。また、いざ出会えても、うまく説明ができなかった。そうした日々が続くなか、「自分で勉強してつくったほうが早い!」と決断。プロトタイプの開発をスタートし、2011年9月にリリースした「ウォンテッド」は、瞬く間にネット業界で話題となり、すぐに1万人以上のユーザーが集まった。

その後、「ウォンテッドリィ」のビジネスモデルに興味を持った優秀なエンジニアが少しずつ集まるように。そして、開発チームができ上がったタイミングで、プロトタイプの「ウォンテッドリィ」を、大規模なサービス展開に耐えられる仕組みに改善。2011年12月に、クローズド・ベータ版というかたちで再リリースした。

この時すでに「ウォンテッドリィ」のサービスに興味を持った3社のベンチャー企業がクライアントになっており、その3社と協議を進め、2012年1月に正式版をオープンさせた。

仲氏は、インターネットの最初の10年はyahooのようなポータルサイトの時代、その後の10年がgoogleに代表される検索エンジンの時代、そして、これからの10年はソーシャルの時代になるとみている。彼女の前職はFacebookだが、ソーシャルネットワークサービスの爆発的な勢いの成長を目の当たりにして、「ウォンテッドリィ」の起業を決断したのだ。

現在、仲氏が代表として主にマーケティングを担当し、もう一人の役員である萩原氏が財務・管理などのバックオフィスを担当。ほか、開発担当エンジニアが2名と、最近参画したコンテンツ制作と営業を担当する女性の計5名というチーム編成になっている。

同社の採用基準にもユニークだ。職種にかかわらず、全員何らかのかたちで「コードが書ける」ことが条件なのだという。実際、第寮の仲氏はユーザー・インターフェイスなどのフロントエンド側の開発を、財務担当の萩原氏はサーバ・エンジニアとしての仕事も兼務している。

ちなみに、起業後に苦労した点を聞いたところ、「受託仕事依頼の誘惑に負けない」という答えが返ってきた。実際、企画の仕事を受託し、2カ月ほどその仕事をしていたそうだが、そんなことに時間をとられていては自社サービスの開発・成長が遅れるだけだと気づき、以降は受託仕事をすべて断っている。しかし、起業後の資金が減る一方な経営状況のなか、その誘惑に打ち勝つのが大変だったと語ってくれた。

人と企業にとって、究極の“適材適所”が実現する世界をつくりたい! 将来への展望

現在、英語版の開発も進めており、春先にはアメリカへの営業もスタートさせる予定だ。2012年2月時点での登録会員数は1万3000人。2012年中には法人会員1万社、登録会員数50万人を目指す。そして、この秋までに単月黒字化、2013年には累損を一掃して、単年度黒字を達成する計画だという。

「ウォンテッドリィ」の目指すところは、本当の“適材適所”を実現すること。これまでの日本企業は、ある程度余裕があったため、人材が多少のミスマッチを起こしても許容できていた。しかし、長引く不況や経済のグローバル化に伴い、日本経済全体が地盤沈下するなかで、余裕がどんどん失われている。そうした状況下では、人材のミスマッチは、企業側にとっても働く側にとっても不幸でしかない。

仕事が楽しければ、人生も楽しい。そして、楽しい仕事を続けるためには、“何をやるか”よりも“誰と働くか”が重要。例えて言うなら、これまでの人材採用はいきなり「結婚」を迫るようなものだった。結婚前にお互いを知る機会やデートを重ねて徐々に親しくなるのが当然。そうした自然なプロセスがなかったこと自体がおかしいのだ。

優秀な人材といわれる人材であっても、A社では活躍できるが、B社ではまったくダメというケースは珍しくない。それは能力のミスマッチというよりも、組織風土や人間関係といった、見えない要素のミスマッチが大きい。そういった要素も含めた最適化を図るのが、「ウォンテッドリィ」のサービスの基本理念であり、役割だと仲氏は信じている。

ウォンテッド株式会社
代表者:仲 暁子 社員:5名
設立:2011年1月 URL:http://wantedly.com/
事業内容:
ソーシャルリクルーティングサービス「ウォンテッド」の開発・運営。

当記事の内容は 2012/3/6 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。