成約率、驚きの 65%!願い事投稿サービスに50日間で1000万円分集まる「WishScope(ウィッシュスコープ)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

Facebookアプリが願い事をかなえてくれる?
展開している事業内容・特徴

wishscope1「売ります」、「買います」、「手伝って」、「教えて」、「仲間募集」――。なんでもござれの願い事投稿サービス『WishScope』がリリースされたのは、2011年12月のこと。

FacebookのAPIを使って開発されたアプリである『WishScope』は、Facebookアカウントを持っている人なら、誰でもすぐにログインして使える。

その使い方はとても簡単だ。1クリックでログインして、まず1行だけの簡単な願い事を書く。これがタイトルになる。次に、「売ります」「買います」「手伝って」「教えて」「仲間募集」の項目をチェック。投稿先コミュニティ(カテゴリーに相当)、報酬の「あり」「なし」「相談に応じます」を選択し、さらに予算が決まっていればそれも記入。解決までの期限を設定すると、次の画面が願い事の詳細を記入する画面。画像を掲載したい場合は、同時にアップロードする。

これで願い事は完了。そして、このサービスがユニークなのはここからだ。「ヒーローレコメンドエンジン」という機能があり、願い事を投稿してしばらくすると、「おすすめのヒーロー候補が見つかりました」というメールが届く。

ここでいう「ヒーロー」とは、投稿された願い事に関連しそうなキーワードを登録しているユーザーのことで、解決してくれる可能性の高い人を自動的にリストアップしてくれる。これにより、願い事の解決をただ待つだけでなく、レコメンドされたヒーロー候補に直接相談することもできる。急いでいる願い事の場合に嬉しい機能だ。

そして、実際に願い事を解決したユーザーは、「ヒーロー」として認定され、評価が付与される。この評価が蓄積されていくと、『WishScope』の中での信用力が高まるという具合だ。信用力が高いユーザーほど目立つ構造になっているため、人助けをする人ほど自分が困った時にも誰かに助けてもらいやすくなる、という効果もある。

2011年12月にリリースされたばかりのサービスだが、2カ月弱で3000人のユーザーがつき、これまでに750件の願い事が投稿されているが、注目すべきはその成約率。実に65%の願い事が実際済みというから驚きだ。規模はまったく違うが、「売ります・買います」の国内最大手・Yahooオークションの成約率が13%程度とされており、65%という成約率は驚異的ともいえる。また、『WishScope』の流通額の合計は、50日間で1000万円を超えた。

願い事として多いものは「教えて」。これが約30%ほどで、残りの「売ります」、「買います」、「手伝って」、「仲間募集」がそれぞれ15%くらいの割合。面白い解決事例としては、大手ソーシャルゲーム会社が、『WishScope』使ってエンジニア2名の採用に成功したケースもあるそうだ。ちなみに、ドリームゲート事務局でも試しにライター候補やアルバイト募集で使ってみたところ、すぐにいろいろな反応が届いた。かなり使えるサービスだ。

彼女の欲しいものを知りたかった。ディズニーを退職して起業した若き起業家
ビジネスアイデア発想のきっかけ

wishscope2『WishScope』を運営するザワット株式会社は、2011年5月に誕生したベンチャーだ。創業者は3名。それぞれが資金を持ち寄り、500万円でスタート。その後、サイバーエージェント・ベンチャーズほか、数人の個人投資家からの出資を受け、現在の資本金は2000万円となっている。

代表の原田大作氏は、株式会社サイバードで携帯サイトの開発に携わった後、ウォルト・ディズニーに転職。ディズニーでは、コンテンツの企画やソーシャルサービスの立ち上げに従事し、同社初のソーシャルゲームのプロデュースも担当している。

『WishScope』のアイデアは、原田氏が付き合っていた彼女とのやりとりから生まれた。「彼女が欲しいものや望んでいることが、すぐにわかれば楽なのに」と考えたことがきっかけとなったそうだ。

このアイデア自体を思いついたのは2010年の2月。そして、米国で流行していたクラシファイド広告やソーシャルグラフなどを研究しながらビジネスモデル研究する中で、創業者の一人であるエンジニアの山本氏とふとしたキッケカで出会ったことも、起業への後押しとなった。

山本氏がSNS上に掲載した「ギターのパーツを交換したいというメッセージを、原田氏がたまたま見つけて交換を申し出た。ほかにも候補者がいたが、なぜ自分に連絡してきたのだろうと不思議に思った原田氏は、その理由を山本氏に聞いた。原田氏のSNS上のプロフィールに欲しいものとして「一緒に起業を目指せるプログラマー」と書いてあったのを見かけて、山本氏自身も「起業しようと考えていたので声をかけた」という答えだった。

二人は、ギターのパーツの交換だけでなく、双方の願い事情報によって結びついたわけだ。そして、この実体験から、「願い事の解決が大きなサービスになる可能性がある」と確信し、『WishScope』のサービス開発が始まるのである。

その後、原田氏のサイバード時代の同僚で、エンジニアの鈴木氏(現CTO)の参画が決まり、『WishScope』の創業メンバーがそろうことになる。

世界最速で、願い事がかなうプラットフォームづくりを目指す!
将来への展望

起業時に想定していたユーザーの行動・体験は想定どおりで、あとは登録ユーザー数を急速に伸ばして行くことが課題。当面の目標は2012年内に、ユーザー数15万人を超えること。さらに2014年には月間のアクティブユーザーを170万人にまで持っていく計画だ。ビジネスモデルとしては、「売ります」「買います」の手数料と、企業が人材採用の場として活用する際の手数料、その他B to B to C型広告の3つを予定している。

もとから世界を視野に入れた戦略で、リリース当初から英語版をメインに開発している。日本語版は英語版をもとにした「ローカライズ」だ。また、モバイル端末の位置情報と連動して、近くの願い事をすぐ探せる、解決できる仕掛けも実装。例えば「シンガポールにいます。美味しいチキンライス屋を教えて欲しい」というような願い事がすぐにかなうようなサービスに育てたいそうだ。

インタビュー中に「チップが組み込まれたコンタクトレンズをとおして見ると、人の頭の上に『Wish(願い事)』情報が表示されているような世界が実現したら楽しくないですか」という未来像を語ってくれた原田氏。今はSF小説の中の世界のようだが、ここ数年の技術革新を目の当たりにすると、我々が生きている間にそんな世界が実現してしまいそうな予感がする。若き起業家が思い描く未来が、実に楽しみである。

ザワット株式会社
代表者:原田 大作 社員:3名
設立:2011年5月 URL:http://www.wishscope.com/
事業内容:
ソーシャルメディア・アプリケーションの開発・運営
メッセージ:
国際感覚のある女性マーケッター、およびiPhoneアプリ開発者を募集中。国内ではブルーオーシャンのクラシファイド広告市場、一緒にナンバーワンを狙いましょう!

当記事の内容は 2012/2/23 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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