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知的財産:Vol.16 社会的変化とブランド名変更の背景


最近、大手メーカーが自社のブランド名を大きく変えるケースが、かなりの件数見受けられます。力を備えたブランド名を何故、変える必要があるのでしょうか?いくつかの事例をもとに、ブランド名変更の舞台裏を説明します。

陳腐化に対応した変更事例

 そもそもブランド名には、流行性やファッション性が織り込まれています。このため、あまりにも長い年月、同じブランド名を使い続けると、そのブランド名自体が陳腐化してしまう場合があります。

 一方で、時代の流れのなかで、変化を強いられるケースもあります。例えば、花王の月の顔のマークは、過去何回にも渡ってデザインの変更がなされ、現在の柔和な顔になっています。それ以外にも、松下電器産業は「ナショナル」を使っていますが、白物家電以外の分野では、「パナソニック」を導入し、新たなイメージ構築を行った経緯もあります。つまり、人間の自然の心理に沿わせるためには、ブランド名自体が進化していかないといけないのです。

 

ブランド名変更の裏側

 実際には、市場ニーズ以外の理由でブランド名を変更しているケースも増えています。例えば、「カネボウ」が「クラシエ」に変更する旨が発表されました。また、「ライブドア証券」が「かざか証券」に生まれ変わっています。皆さんは既にお気づきだと思いますが、このブランド名の変更には、市場心理以前に、会社側の裏事情が見え隠れしている感があります。従来のブランド名が抱えてしまった負のイメージを払拭するための意図が見えます。

 

会社側の裏事情での変更事例

 ブランド名の変更に関する二つの類型を示しましたが、いずれのケースにおいても市場の反応が気になるところだと思います。前者のケースの場合、積極的な意味での行動であり、市場では好感をもって受け入れられる場合が多いように思います。花王のようなケースの場合、マークが当たり前に存在するので、多少の変更を消費者が気がつかないのが実際のようです。ここまで消費者に馴染むブランドになってしまえば、これ以上の名誉はないと思います。また、前者のケースの場合、新しい新鮮なイメージを消費者に与えられる可能性もあります。

 

ブランド名の変更に対する市場の反応(後者)

 一方で、後者の場合はどうでしょうか?確かに企業側としては、「心機一転がんばります」という意思表示をしているかとは思いますが、消費者はそんなに素直には受け入れてくれないと思います。どうしても、過去を消し去る手段だと思われてしまうのも事実でしょう。そのあたりを考えると、必ずしもブランド名の変更がよいとも言えない気がします。

 

消費者が大切にしてくれるブランドを

 前者、後者、いずれにも共通しているのは、消費者が従来のブランドに懐かしさを感じ、そのブランド名が消えていくことを残念に思ってくれるかどうかが鍵だと思います。企業の不祥事が絶えない状況のなかで、それでもそのブランドを守って欲しいと消費者に思っていただけるような努力をしていかなければならないと思います。




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知的財産

加藤道幸

ベンチャー企業にとってタイセツな、会社名(商号)や商品・サービス名(商標)。法的な課題、考え方、活かし方、守り方など、事例を参考にわかりやすく解説します。

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