500万円を調達するために必要な自己資金額は?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

独立し、美容室の開業を計画しています。 公的機関から創業融資を受け、500万円を調達したいと考えています。

自己資金はどのくらい用意すればよいのでしょうか?自己資金50万未満で500万の借り入れは可能でしょうか?

 

回答:自己資金を増やすか、総投資額を低く抑える工夫が重要です。

この質問への回答者

上野 光夫(うえの みつお) / 株式会社 MMコンサルティング
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方にはうってつけのアドバイザーです。

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公的制度の創業融資は、日本政策金融公庫のものと、都道府県や市区町村による「制度融資」があります。

自己資金の割合は、日本政策金融公庫では「総投資額の10分の1以上あること」が要件です。総額で500万円かかる場合で、自己資金が50万円であれば、残りの450万円までが融資金額の上限ということです。

じっさいは150万円くらいの自己資金があると、500万円の融資を実現できる可能性が高まります。総投資額が650万円、自己資金が150万円、融資金額が500万円という構成になります。

ですので、自己資金が50万円ですと、500万円の融資を受けるにはちょっと少ないと思います。最近は自己資金について厳格に審査されます。 また制度融資のほうがもっとハードルが高く、3分の1くらいの自己資金がないと、審査はとおりにくいでしょう。

 

可能でしたら、身内の方などから返済不要の支援をいただけると、かなり前進します。 先日は、20代の女性が美容室を開業するために、自己資金は50万円しかありませんでしたが、親御さんから100万円を支援してもらい、500万円の融資が実現しました。

いっぽう自己資金を増やすことが難しいようなら、総投資額を減らすことを検討をする必要があります。 融資金額が300万円くらいでなんとか足りそうだったら、350万円の総投資額にして、自己資金50万円、融資金額が300万円で申請した方が、審査に通る可能性は高まります。

 

次に、創業融資を活用するために、金融機関の審査にパスするコツをお伝えしておきます。 融資担当者がチェックするポイントは、「財政状態」、「経営者としての資質」、「事業の見通し」という三つの視点です。

 

①財政状態

本人の財産がどれくらいあるか、逆に借入金などの負債はどうか、という点です。当然、預金などの財産は多いほうが、負債は少ないほうがいいということになります。とくに財産は、同居家族名義も含めて積極的に情報開示すると高評価につながります。

 

②経営者としての資質

「この事業をする経営者としてのスキルやノウハウをもっているか」という観点です。大切なことは、経歴書に「今回の事業と関係する経験を積んでいる」ことが明確にわかるように記載することです。

 

③事業の見通し

これは、「創業計画書」で示すべきポイントです。 予定しているビジネスの内容については、相手が中学生でも理解できるように、分かりやすく記載することがコツです。金融機関の担当者は、金融のプロですがビジネスのプロではないので、目新しいビジネスなどには詳しくないのが普通だからです。

また、収支の見通しについては、「絵に描いた餅」と思われないように、できるだけ客観的に見て「なるほど」と納得してもらえる根拠を説明する必要があります。

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