会社員を続けながら副業として起業すべきか、会社を辞めて個人事業主になるべきか、悩んでいます。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

現在会社員として勤務していますが、個人事業としてそろばん教室を開きたいと考えています。少しでも収入を確保しながらそろばん教室をおこなうには、どちらの方法が良いのか、アドバイスをいただけましたら幸いです。

 

(1)このまま会社に勤めながら、個人事業を立ち上げる場合

役職手当を返上し、平社員として勤務を続けて個人事業をおこなう。個人事業(そろばん教室)で、役職手当分の収入を確保(さらにアップ)する。

 

(2)会社を退職し、個人事業主として仕事をする場合

個人事業主として、現在の会社と業務提携をする。個人事業でそろばん教室を行う。

 

回答:売上がきちんと上がりそうか、不安はないかといった点から判断しましょう。

この質問への回答者

森 滋昭(もり しげあき) / 森公認会計士事務所
誠実な人柄とわかりやすい説明で、多くの起業家や中小企業の資金繰りや資金調達の支援をされている森アドバイザー。資金調達や資金繰りでお悩みの際にお勧めのアドバイザーです。

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1.ビジネス面

すでにそろばん教室をされているのであれば、どれだけの売上が見込めるのか、ある程度予想がつくかもしれません。まったくの未経験であれば、(1)の副業状態がいいのではないでしょうか。

もし完全に独立すると、ほぼ無収入という期間がある程度続く可能性があります。会社に勤めながらそろばん教室を運営できれば、一定の収入を確保しながら事業を成長させることができます。副業が軌道に乗った段階で、完全に独立されてもいいのではないでしょうか。

 

2.税務面

【所得税】

個人事業として開業すると、所得税では「事業所得」という扱いになります。 会社員の場合、個人事業として開業したとは認められず、税務上は副業とみなされます。所得税では「雑所得」という扱いになります。もし会社員が事業所得で申告した場合は、税務調査の対象になりやすいようです。

個人事業主の事業所得は、会社員の場合の雑所得と比べて、大きなメリットが3つあります。

  1. 青色申告控除 事業所得の場合、青色申告の届出を提出すると青色申告控除として65万円が控除されます。
  2. 損益通算 事業所得の場合、損失を給与と相殺できます。
  3. 損失の繰越 事業所得の場合、損失を翌期以降3年間繰り越して、翌期以降の利益と相殺できます。

 

【給与所得控除】

会社員としてもらう給与については、「給与所得」となります。給与所得では、経費の支出との見合いで給与所得控除が一定金額引かれて、所得税が少なくなるメリットがあります。

 

【社会保険】

会社員を継続する場合、社会保険は変わりません。個人事業主になる場合は、国民健康保険と国民年金に加入することになります。保険料は各市区町村により計算方法が異なりますし、所得や家族構成などによっても変わります。

会社員の場合は保険料を半分会社が負担してくれています。個人事業主の場合は全額自己負担です。そのため、個人事業主になり国民健康保険に加入すると一般的には保険料が増えます。

 

結局、そろばん教室でどれだけ売上が上がり経費になるのかによって、どちらが税務上メリットがあるかは異なります。税務上のメリット・デメリットよりは、売上がきちんと上がりそうか、不安はないかといった点から判断しましょう。

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