【事業再構築補助金】6000万円事業で採択された経営者がすすめる事業計画書の書き方

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

令和3年度の目玉補助金である「事業再構築補助金」。最大1億円の補助額で話題ですが、1次の採択率は36%という結果で、他の補助金と比べるとハードルは高めです。

今回、そんな狭き門を見事通過し6000万円の事業で採択されたドリームゲートアドバイザーの井出龍治さんに、どのようにして事業計画書を作ったのか、採択に至ったポイントはなんだったのか、教えていただきました。

井出さんは「事業が確かなものであれば3つのポイントをおさえれば難しい補助金ではない」と断言します。

これから事業再構築補助金の申請にトライする方はもちろん、他の補助金にも通ずるポイントなので、補助金獲得を考えている方は必見です。

井出さんが補助金申請にいたった背景

井出さんは、さいたま市で不動産会社とコンサルタント会社を経営するかたわら、飲食業の株式会社ホームダイニングという会社のオーナーをつとめており、今回の事業再構築補助金は、株式会社ホームダイニングの事業で申請しました。

不動産フリマアプリ事業立ち上げの資金として

株式会社ホームダイニングが補助金の対象となる事業(補助事業)で計画しているのは、不動産流通システム「不動産フリマアプリ」で、不動産を貸したい人と借りたい人をマッチングさせるビジネスです。

井出さんは、飲食関係者が仲介料なしに店舗を貸したり借りたり売買できれば、新型コロナウィルスの影響で大打撃を受けている飲食業界を支援できると考えました。

この不動産フリマアプリを構想しているときに事業再構築補助金を知り、資金確保の一助になればと申請を決意し、申請にいたるのです。

採択されるためのポイント1・事業計画書は「読み手」を意識する

井出さんは採択されるポイントの1つ目として、「事業計画書は読み手を意識すること」を挙げています。

この補助金を申請するとき、どのような事業再構築を行うかを説明する15ページ以内の事業計画書を添付しなければなりません。(1次公募当時の要件)

事業計画書の書式は任意ですが、次の4つの項目を盛り込む必要があります。

  • 補助事業の具体的な内容
  • 将来展望
  • 補助事業で取得する資産
  • 収益計画

この4項目から、補助事業が将来有望なものであると証明しなければならないことがわかります。

井出さんは「補助金をもらう為に事業計画をつくるという方も多くいらっしゃると思いますが、本来やりたい事業があり、そこに国の力を借りることで早期に投資回収ができるという考え方・進め方が望ましいと思います。」と話します。

初めて知る人に理解してもらう内容にする

井出さんは、事業計画書は、業界についてまったく知らない人に説明するつもりで書く必要があると言います。

補助金審査員が不動産業界の構造について知っているとは限らないので、不動産事情についてまったく知らない人にこのアプリの有用性を説明する事業計画書をつくる必要があります。不動産業界の裏事情もあえて盛り込みました。

数字は「根拠」を示す

事業計画書で最も重要なのは、この事業で利益が出ることの説明です。中小企業庁は、事業再構築補助金を獲得した企業に、営業利益が増えることや雇用が創出されることを求めています。

したがって事業計画書でも「●●だから、営業利益が増え、雇用が創出される」と書かなければなりません。「●●だから」の部分で、営業利益や雇用を増やせる根拠を示すことになります。その根拠はしっかりと示す必要があり、希望的観測ではいけません。

1ページ目に要件をクリアしていることを示す

井出さんは事業計画書づくりのテクニックとして、1ページ目に、自社が補助金の要件をクリアしていることを示すようにしたと言います。

事業計画書の1ページ目。赤線で囲った部分で、井出さんの株式会社ホームダイニングが、補助金の要件を満たしていることを説明しています。

事業再構築補助金を申請するには、新型コロナウィルスの影響で売り上げが減っていることや、事業再構築につながる事業を行うこと、付加価値を高めること、といった要件をクリアしなければなりません。

そのため、中小企業庁の申請書を審査する担当者は、まずは、申請者が要件をクリアしているかどうかチェックします。審査の担当者がチェックしやすいように、1ページ目に「要件をクリアしている」と書くことによって、要件確認の手間が省け、事業計画書をしっかりと読んでもらうことができます。

申請にあたり要件をクリアするのは当たり前と感じるかもしれませんが、実際に第1次公募の結果によると要件をクリアしていなかった企業が1割以上あったので、重要なポイントだと言えるでしょう。

いったん書き出したものを再構築する

事業計画書には「補助事業の具体的な内容」「将来展望」「補助事業で取得する資産」「収益計画」をその根拠とともに盛り込む必要があるので、情報やデータは膨大な量になります。

そこで井出さんは、事業計画書に盛り込むべき情報やデータを紙に書き出して、ホワイトボードに貼りつけていきました。

事業計画書の作成風景。情報やデータを紙に書き出して、ホワイトボードに貼ってから構成を考えました。

このように事業計画書に盛り込むべき情報やデータ書き出したあとで、ストーリー展開や説得力を持たせることを意識しながら再構成します。

また、事業計画書では書き込みすぎないことも大切で、補助事業に関係しない余計な情報やデータは盛り込まないようにする必要もあります。

この調整は意外に手間がかかりますが、一度で終わることはなく何度も再構成して読みやすい事業計画書にしていくことで読み手に伝わりやすい計画書になるのです。

このようにして、井出さんは事業計画書を読み手=審査員を意識して作成しました。

「審査担当者は初めてその事業を知ることになるので、読み解くことに苦労します。事業計画書のどこかに書いておけば審査担当者が読んでくれるだろう、と期待しないほうがよいでしょう。審査担当者に親切な事業計画書をつくってください」と井出さんは語ります。

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採択されるためのポイント2・情報収集を人任せにしない

井出さんが語る、事業再構築補助金採択に採択されるポイントの2つ目は「自分で情報を集めること(情報収集を人任せにしないこと)」です。

井出さんは自ら公募要領などに記載される要件はもちろん、公式サイトのFAQ(よくある質問と答え)にも更新されるたびに目を通し、さらに認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)は4者と会い、そこからも情報を集めました。

自ら手や足を動かして情報収集をした

井出さんはこの補助金のことを知ったあと、1次公募が正式に発表される前から様々なところで情報収集し、必要な準備を始めました。インターネット等で調べるだけでなく経営者仲間から聞いたり、ドリームゲートを含むコンサル仲間に聞いたりしました。またこの補助金は「ものづくり補助金に近い審査基準になる」という情報も得たため、ものづくり補助金の申請経験がある経営者からも話を聞きました。

銀行2行の他に商工会議所や中小企業診断士からも話を聞く

事業再構築補助金は認定支援機関から確認書を提出してもらう必要があるのですが、井出さんは認定支援機関である銀行2行の他に、商工会議所と中小企業診断士にも相談をしています。

4者それぞれの意見を聞き、自分なりの判断を加えて最終的に事業計画を策定しています。「それぞれの言うことを鵜呑みにせず、しっかり自身で得た情報をもとに判断することも大事です」と井出さんは言います。

採択されるためのポイント3・妥当な資金計画をしっかり立てる

井出さんの事業における申請から採択、そして補助金の振り込みまでの流れは以下のとおりです。

事前準備から補助金の受け取りまで1年以上かかることがわかります。そのため井出さんは、補助金を使っての事業は企業体力と時間が必要であると指摘しています。

企業体力とは、主に資金面のことを指します。補助金が振り込まれるのは補助事業の準備が終わり、運用がスタートしてからなので、補助事業に必要なお金は融資を受けたり自己資金を使ったりして用意しなければなりません。

運転資金、補助事業のための投資などを含めた資金計画が安心できるものか(無理はないか)、事業規模に対して過剰な投資になって実現不能な計画になっていないかという点も重要な審査項目です。

また補助金は、事業構想や収支見通しを練り、認定支援機関のサポートを受けて事業計画をつくり、申請〜審査を経て事業を開始してようやく手に入れることができます。相当な時間を費やすことになるので、企業や経営者はなんとかそれだけの時間をつくりださなければなりません。

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まとめ~確かな認定支援機関をここで探そう

ドリームゲートでは事業再構築補助金を必要とする企業や経営者をサポートする、確かな認定支援機関を紹介しています。ドリームゲートに登録している認定支援機関は2020年度に計23億円の補助金を、企業や経営者のために獲得しています。事業計画の策定から申請、そして中小企業庁が求める事業報告までサポートしてもらえるので、頼りになる存在になるでしょう。

ぜひ以下のURLから、自社にマッチした認定支援機関を探してみてください。

 

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