介護ビジネスで起業・独立 Vol.16 介護報酬と加算減額の対象について

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
ここまで介護保険 における指定居宅サービスごとの内容についてお話ししてきました。サービスを行った場合の介護報酬について少し言及しておきましょう。

介護報酬の計算

 サービス提供の対価である介護報酬はそれぞれ の指定居宅サービスごとの仕事の内容に応じて決められた「指定居宅サービス介護給付費単位数表」により算定します。この単位数に1単位あたりの単価を乗じ て計算します。また、計算した額に1円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てることになります。

 ここで1単位あたりの単価は原 則10円ですが、事業所の所在する地域によりさらに、その係数が定められています。

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例えば東京都の場合は下記のようになっ ています。

  地域区分 地域割合 単位単価
特別区 23区 1072/1000 10.72 円
特甲地 八王子市他 1060/1000 10.60 円
乙地 青梅市他 1018/1000 10.18円
丙地 大島町他 1000/1000 10円

参 考:厚生労働省が定める1単位の単価(平成12年2月10日厚生省告示第22号)

介護報酬の割引

 事業所ごとに、指定居宅サービスごとに介護給付費の百分率(%)による割り引き も可能です。

この場合、単位によって計算した額から割り引きし、その額をもとに国保連への保険請求額、利用者個人の負担額が決まります。こ の場合、意図的に利用者負担額のみを割り引くことはできません。また、一部の加算を割引の対象とすることもできません。

 例えば、訪問介護 や訪問入浴において、同じような時間帯に利用希望が集中するため、効率よく訪問出来ず閑散期における割り引きを予定すると、下記のような設定が可能です。

・ 時間帯による割り引き率の設定

・曜日による割り引き率の設定

・歴日による割り引き率の設定

 ただし、割り引き に合理的な理由のあること、特定の利用者に対し差別的取り扱いをしたり、利用者の選択を不当に歪めたりするものではないこと、そしてケアマネージャーの給 付管理を過度に複雑にしないことが条件になっています。

 ここで、介護報酬は介護保険制度がスタート後、改定を経て引き下げられることもあ りました。割り引きが経営上の負担にならないようご注意ください

介護報酬の加算

 それぞれ指定居宅サービスにおいて、特定のサービスを行った場合、もしくは人員体制が整っている場合、基本の介護報酬額に 加算が請求することが認められています。

 訪問介護の場合、先述の乗降介助のほか2人の訪問介護員などによる訪問や、夜間もしくは早朝の場 合又は深夜の場合などに認められています。

 とくに通所介護には機能訓練や、入浴介助、若年性認知症ケア、栄養マネジメント、口腔機能向上 訓練加算など利用者の身体状況に応じたプログラムやアクティビティに応じての加算が認めらえています。

 ただし、この通所介護の加算には人 的要件が加重されています。

 例えば機能訓練加算では指定通所介護を行う時間帯に1日120分以上、もっぱら機能訓練指導員の職務に従事す る理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師またはあん摩マッサージ指圧師を1名以上配置することとされています。

 事業 所の人員配置を検討のうえ人件費とのバランスも見て検討していく必要があるでしょう。

 また、要件を満たさない場合は減算 の対象となる場合があります。

 訪問介護において、訪問介護員等の資格が3級の場合には30%の減算となります。

 通所介護 においては、定員を超える受け入れや看護・介護職員の員数が基準に満たさない場合は同じく30%の減算となります。30%の減算は経営上、非常に大きな額 ですので計画的な人員配置や非常勤職員の補充、労働契約書へ退職時の規定をあらかじめさだめておくなど配慮も必要です。

  計画的な人員配置と加算の利用を心がけましょう。

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