あらゆるサイトにコーディネートを掲載できる「COCODEMO(ココデモ)」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

アパレルECのO2Oトレンドとして注目されるコーディネートASP「COCODEMO(ココデモ)」が登場。
展開している事業の内容・特徴

20160322-1ECとスマホの普及により、人の購買行動は劇的に変わった。欲しいもの探しと買い物は、今やスマホがあれば完結する世の中だ。ウインドウショッピングはもう、スタンダードではないのかもしれない。

それを特に象徴するのが、アパレル業界ではないだろうか。一昔前でいえば、試着なしのファッションアイテムの購入に抵抗を持つ人もいたと思われるが、現在では、ZOZOTOWNやyoox.com、楽天、Amazon等々での購入が当たり前になっている。事実、アパレルECの市場規模は、家電/AV機器ECと首位を争うほど大きく、また今後も継続的な成長を続けると見られており、2020年には2.6兆円(※)に達するという。
※) 経済産業省「日本ファッション産業の海外展開戦略に関する調査」より。
http://www.meti.go.jp/press/2014/07/20140716002/20140716002.html

この、近年来高まり続ける消費者ニーズの争奪戦に勝つために、アパレル会社はさまざまな工夫を凝らしているが、昨今その有力な戦略として注目を集めているのがO2Oだ。オンラインとオフラインをつなぎ、EC・リアル店舗双方に顧客を循環させる戦略である。

今回紹介するのは、そのアパレル業界のO2Oに向けたサービス、ITベンチャー「株式会社CLAVES」の「COCODEMO(ココデモ)」だ。あらゆるサイトに埋め込み可能なコーディネート掲載ASPである。

同サービスは、リアル店舗が運営する既存ECに気軽にコーディネートカテゴリを付加できるといったもの。具体的には、「ショップ店員のコーデ画像」、「各コーデアイテム詳細」を掲載できるようになり、例えば、複数のリアル店舗を運営している場合、各店舗スタッフが同じデザインのファッションアイテムを着こなした画像を一画面上に掲載することができる。これにより、従来のECのネックであった「体型の違いによるサイズ感」や「各コーデによる雰囲気の違い」をユーザーへ明確に発信することができ、回遊率やCVRの向上を見込むことが可能だ。

また、スタッフのコーディネート掲載は、スタッフ自体のブランディングにもつながる。オンラインからリアル店舗への従来の集客方法のひとつにスタッフブログが挙げられるが、その作成労力と成果がマッチしているのかは不明な部分が多いという。一方、同サービスでは、コーデという個々のスタッフのアピールポイントが明確で、「このコーデの店舗スタッフに、実際にアイテムについて聞いてみたい」という気持ちをユーザーに喚起させやすい。また、アクセス解析を用いれば、個々のスタッフや店舗ごとの成果も把握可能で、運営会社としてみれば、例えばインセンティブといった、モチベーション向上のための仕組みも構築しやすいメリットがある。さらに、コーディネート掲載ページには、SEO対策とリンクしたテキスト掲載も可能。EC運営上、欠かせない機能も充実している。

さて、ここで気になるのがアパレル業界におけるコーディネート掲載自体のニーズだが、フロントランナーのZOZOTOWNほか、ユナイテッド・アローズやマルイなどのアパレル大手も参入し、トレンドになっているそうだ。また、ユーザーサイドも、リアル店舗のスタッフの着こなし画像を、ファッション雑誌の代わりと位置付けているユーザーが多いそうで、最近では、ECと連動した、芸能人やショップ店員のコーデ画像のアイテムを購入できる「WEAR」、自分のコーデをアップできアイテムも購入できる「コーデスナップ」などといったアプリも登場し人気を博している。

こう聞くと、今後のアパレルECでコーディネート掲載がスタンダードになりそうだが、実際のところはまだ障壁は高いそうだ。それが、コストである。CLAVES社によれば、導入は自社開発か、あるいはECサイトベンダーによる提供が多いそうで、大手クラスでないと導入は手軽ではない状況にあるという。それゆえ、魅力を感じているものの導入に踏み切れない会社も少なくないという。

だが、COCODEMOは導入についても、イニシャルコスト25万円〜、月額5万円〜。これは、EC/リアル店舗も展開しEC売り上げが年間数千万円クラスの会社から導入メリットを感じられるコスト感だという。また、あらゆる既存EC形態に導入でき、管理もスマホ操作でスタッフにストレスをかけず運用可能なことを見れば、興味を引く会社は多いだろう。

2015年7月のベータ版ローンチと日が浅いため、実績は1ブランドのみとなるが、現在、あらたに3社と導入について話が進んでいるそうだ。

自分が最大限の力を発揮できる分野を模索し、見つけたIT分野。ゼロからのたたき上げでスキルを培い、EC業界にビジネスチャンスを見た。
ビジネスアイディア発想のきっかけ

20160322-2CLAVES社の事業は多岐にわたる。COCODEMOのようなASPサービスの開発やECサイトの構築を行う「開発事業」、EC売り上げ向上からシステム構築の選定等のサポート等といったコンサル業務の「グロースハック事業」、クライアントのサイトおよびサービスにおける課題を解決する「高難度開発事業」、IT技術を駆使してあらゆるコミュニケーション・ソリューションサービスの開発を行う「どこドア事業」の4本の柱を持ちさまざまなビジネスを展開している。

また、取引先もアパレルやスポーツ業界から、日本の伝統品を扱う小売業、大学サークルまで多種多様。さらに、国内では扱える会社が数社しかいない、海外で普及しているECオープンソース「Magento」の使い手でもある。2013年設立の若いベンチャーながら、あらゆる実績を持ち、数少ない技術を持つ同社。これから見れば、さぞ早い時期からIT技術を培ってきた人物が同社を起業したのだろうというイメージがあるが、代表の堀内文雄氏はゼロから経験を積み重ねて起業したのだそうだ。

起業のいちばん最初のきっかけは、家庭環境からだという。父が大病院の医師で2人の兄も医師という環境の中で、医学界では父親を超えることができないと感じ、学生時代に自分の目指すべき道を模索した堀内氏。そこで、思いついたのがビジネスの世界であり、起業家を目指すことだった。

分野をITに定めたのは、可能性を感じたからだという。まだ掲示板が主流の時代のこと、大学生だった堀内氏は、めまぐるしく変わるネットの世界に興味を抱いた。ただ、ITはあまり得意ではなかったそうで、その技術を体得し起業に備えるべく、インターンで、大手企業向けERPパッケージソフトの開発・提供などを事業とするワークスアプリケーションズへ入社した。当時から起業に至るまでを堀内氏はこう話す。

「もともと、知識がなかったので、ゼロから学ぶ気持ちでワークスアプリケーションズに入社しました。そこで、約6年間ノウハウを蓄積し当社の設立に至るのですが、入社当初はITの知識を学ぶのはもちろん、必ず自分の起業にも役立つと、新規事業立ち上げの部署に入れてもらえるように努力していました。研修で成果を出すことで願いが叶い、その部署に在籍。総じて4つの新規事業の立ち上げにたずさわることができ、本当にさまざまな経験を積むことができました。特に、勤務中の最後のプロジェクトは現在の当社の事業のきっかけになっています。社内で前例のないECコンサル事業だったのですが、”コストがかかっても売り上げに貢献できればよし”とされる世界に魅力を感じました。そして、売り上げを上げるためにあらゆる創意工夫をしていくということに、やりがいと面白みも覚えていました。また、EC業界の仕組みをつぶさに知ることができ、確実な成果をあげることもできたので、自分のビジネスにしようと決めました。」

さらに、前職時代のECコンサルでの、さまざま業種の会社との出会いも現在の事業に活きているとのこと。同社は、前述したように取引先の業種を限定しないのも強みとしており、それぞれの案件で気づいたアイデアを蓄積。シームレスに展開して、これまでの実績を築いてきたそうだ。

目先の事業拡大よりも、スキルのさらなる向上と最高のチームづくりに注力し、日本一のサービス提供会社をめざす!
将来の展望

同社は、あと2年ほどは、会社のスケールなど、大きなアクションを起こすよりも、各業界の動向を見ながら、会社としてさらなるスキルを磨くとのこと。実績から得るノウハウの集積とスキル向上を重ね、来るべきタイミングで各業界により適したサービスを提供していきたいとしている。

一方で、COCODEMOでは、現在アパレル業界だけでなく、他の業界からも引き合いがあるそうで、それぞれの業界に対するローカライズも検討している最中。同社は、例えばインテリア業界など、トータルでコーディネートした方がユーザーに魅力が伝えられる業界はさまざまに想定できるとのことで、今後はそういった提案も積極的に行なっていくそうだ。また、「どこドア事業」では、HR系の領域で大型プロジェクトも推進中だという。

取材の最後に、将来の展望を伺うと、「日本一のチームをつくり、世界中にサービスを提供すること」だと、堀内氏は語ってくれた。

「私が大のサッカーファンというのもあると思いますが(笑)、世界に通用するサービスを提供できるのは、日本一のチームを持つ会社だと考えています。現在私達が日本にいるのであえて”日本一”としています。ありがたいことですが、現在、11人の優秀なスタッフがおり、先日はシンガポールからインターン志望の学生もやってきました。精神論に聞こえてしまうかもしれませんが、私は、ビジネスの根底となるのは、優れたビジネスモデルではなく、まずよい会社づくりだと思っています。みんながやりがいをもって働ける場所であること。そのために、社内基盤の構築をことさら重視してきました。これからも、そういった取り組みに務めながら、大きく優秀なチームをつくり、みんなで世界をめざしていきたいと思っています。」

株式会社CLAVES(クラベス)
代表者:堀内 文雄氏 設立:2013年4月
URL:http://claves.co.jp スタッフ数:
事業内容:
・ECシステム構築および周辺開発事業
・グロースハック(コンサルティング)事業
・高難度開発事業
・どこドア事業
・Webデザイン

当記事の内容は 2016/03/22 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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