リリース8カ月で買取商品数6万8000件以上を掲載、3000件以上の口コミが集まる買取価格比較サイト「ヒカカク!」

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執筆者: ドリームゲート事務局

ユーザー側に立った買取情報サイト「ヒカカク!」が急成長している理由
展開している事業・特徴

20150728-1もはや、我々の日常生活に欠かせないアイテムとなったスマホやタブレット。最新機種が登場するたびに乗り換えるユーザーも多く、それを促進するキャンペーンが頻繁に行われている。古い機種を通信キャリアの下取サービスに出したり、あるいは機種変更後、中古買取店に持ち込んで売ったという経験を持つ読者もいるかと思う。

しかし、外装が剥げていたり、画面がひび割れていたりすると、買取価格は思った以上に安くなるが、実はそうしたスマホやタブレットでも高額買取してくれるケースがある。業者によってその買取価格の幅は大きく、場合によっては数倍もの差がつくのだ。

今回紹介する「ヒカカク!」は、スマホやタブレット、デジカメといったデジタルガジェットの買取価格情報を専門に集めたサイトだ。2014年10月にスタートし、取材を行った2015年7月時点で8カ月が経過したばかりだが、すでに買取商品数6万8000件以上を掲載 、口コミ件数も3000件以上と急成長をしている。

価格の比較サイトといえば「価格コム」や「比較.com」が有名だが、「ヒカカク!」の人気のポイントは、買取価格情報に特化している点、水没品、画面割れしたものや、ガラケーなど古い携帯でも高く買ってくれる情報を揃えている点にある。通常そうした品は、買取をしてくれないか、非常に安い価格しかつかないケースが多い。しかし、「ヒカカク!」では予想以上に高い買取価格が提示されている。

例えば、画面が派手に割れているiPhohe5Sを例に挙げると、普通の買取相場だとジャンク品扱いで2000円程度のところが、同サイトでは1万4000円という買取価格(※1)を案内している。 実にその差は1万2000円だ。もちろんすべてのスマホやタブレットが高額買取されるわけではないが、この情報を知っているだけで得した気分になる。
(※1) 【液晶割れok】ジャンクiphoneの買取価格を比較!液晶

高額買取ができる一番の理由は、情報掲載させる業者を小規模業者に絞っているから。大手の業者は、潤沢な広告宣伝費をかけて、自前で買取サイトなどを運営している。しかし、小規模の買取業者に、そのコストはかけられない。そこで「ヒカカク!」は、そうした小規模業者の買取情報を集めて、サイトで掲載する。つまり、彼らの集客を代行することで、広告にかけるコストをセーブさせ、買取価格を高く設定してもらうというわけだ。

また、小規模買取業者は「修理」も行っていることが多く、ジャンク品を買い取って修理すれば、高値で販売することが可能だ。また、中古のスマホなど、機種によっては人気が高いものがあり、すぐに売れるから在庫リスクも低い。

「ヒカカク!」の収益源は、買取業者からの広告掲載費と買取成立時の仲介手数料となっている。具体的な手数料率は非公開だが、運営元である株式会社ジラフの麻生輝明氏によれば、買取金額の数パーセント程度ということだ。

また、「ヒカカク!」自体のインターネット上での集客力を強化する施策として、買取価格情報以外に、買取業者の口コミ情報や、買取事情についてのコラムなども掲載。いわゆるオウンドメディア戦略で、有名比較サイトや大手業者と競争を行っているのだ。

中学生時代からWebサイトを運営し、起業を意識。まだ“何者でもない”ことが強み
ビジネスアイデア発想のきっかけ

20150728-2創業者の麻生輝明氏は、1992年9月生まれの22歳 。起業を意識したのは中学生の頃で、その当時から個人でコミュニティー系のWebサイトを運営していた。独学でアクセス解析なども行って、将来は自分でもサービス自体を作り、企業として提供したいと 漠然と考えるようになった。

その後、本格的にビジネスを学びたいと考えて、一橋大学商学部に進学。しかし、座学も重要だが実践も大事と考え、大学1年生からインターンとしてベンチャー企業で働くようになった。

合計4社ほどのインターンを経て、某ベンチャーキャピタル(VC)への内定を得た麻生氏。
しかし、彼はふと考えた。「VCで働く以上は、一度は自分でも起業経験が必要」なのではと。そして、大学4年の秋、2014年10月に、「ヒカカク!」を立ち上げた。

ちなみに、「ヒカカク!」のビジネスモデルである、売却プラットフォーム事業の構想は、「キャンパスベンチャーグランプリ2014東京大会」で日刊工業新聞社賞を受賞し、公益財団法人起業家支援財団の支援先としても採択されている。

最初は合同会社としてスタートしたが、2015年4月に株式会社に組織変更。某VCへの内定は辞退して、そのまま起業家の道に進むことを決めた。もちろん、ヒカカクを続けるか、就職するかとても悩んだそうだが、TLMという独立系ファンドからの出資が決まったことが後押しとなった。

麻生氏に、起業を決断した当時の気持ちを思い出してもらった。

「新卒で就職するか、起業家としてヒカカクを続けていくか、大いに悩みました。立ち上げ時には大学の友人たちが手伝ってくれましたが、みな就職することになったので、仲間が集められるか、資金が集められるか、そのどちらかができれば続けようと考えていたのです。結果、大学2年時に知り合った木暮 圭佑氏(独立系VCであるTLMを設立した若手ベンチャーキャピタリスト)が出資してくれることになって、継続を決意。自分はまだ何者でもないので、仮に事業が失敗しても失う物も少ないですし、20代であればやり直せる。そう考え、思い切ってチャレンジすることにしました」

個人の所有物をもっと気軽に売れるような世界を目指す
将来への展望

麻生氏に今後の展望を伺ったところ、「売るという行為をもっと身近にすることが目標」と語ってくれた。

スマホやタブレットなどのガジェットはメーカー主導で、次々と新商品が生まれ、古いモデルが陳腐化していく。しかし、個人の嗜好は多様化しつつあり、また古いモデルでも性能的には十分であることも多い。また、最近はSIMフリーの流れも進んでおり、古いモデルでもSIMフリーで使えるといった情報が出ると、その機種の人気が再燃することもある。

今まで以上に、中古品の買取情報が広く流通するようになれば、ユーザーは気軽に乗り換えられたり、利用する機種を頻繁に変えることができる。

個人が物を売る行為が自然になれば、頻繁に買い替えていろいろと試せたり、あるいはレンタルであったり、個人と物の関係性はもっと広がっていくだろう。個人間売買いえばオークションのヤフオクが定番で、最近ではメルカリなども急成長している。

個人間売買を仲介するメディアやサービスが今後も増えていくなか、「物を売りたい!」と思ったユーザーが、最初に見てくれるサービスに成長させたいというのが麻生氏の思いだ。今は、買取価格情報の流通を広げることに注力しているが、フリマ系サービスやアプリとの連携も視野に入れている。

2015年7月27日には、iPhoneの修理情報に特化したサイト「最安修理ドットコム」もリリースしている。 このサイトは全国1000店舗の修理屋から、画面割れ修理、バッテリー交換、水没修理といった修理メニューごとに地域別に費用比較ができるというもの。街や電車のなかで、画面割れたままのスマホを使い続けてる人を見かけることは多い。多くの人のスマホが故障し困っている…という気づきから、同サービスが生まれた。地域別に比較できるようにしたのは、すぐ直したいというニーズが強いため。

当面は修理×買取という2面のサービスを拡充していく構えだ。今回、同社を取材して感じたことは、価格情報の比較サイトというすでに強力なプレイヤーがいる分野でも、アイデアしだいで新しいビジネスチャンスが見いだせるということだ。「ヒカカク !」のビジネスモデルは、スマビ総研のテーマでもある“スマート・ビジネス”の好例といえるだろう。

株式会社ジラフ
代表者:麻生 輝明氏 設立:2014年10月
URL:
http://hikakaku.com/
http://saiyasu-syuuri.com/
スタッフ数:4名
事業内容:
買取価格比較サイト「ヒカカク!」、iPhone修理比較サイト「最安修理ドットコム」の開発・運営

当記事の内容は 2015/8/4 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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