コンサルティングサービスをパッケージ化、格安定価で売る。「ChatWork Academy」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

基本料金5万円。組織診断ツールの価格破壊で中小企業の社内問題解決を図る
展開している事業内容・特徴

chatwork-academy1「ITを通して幸せを創り出す」をテーマに、ITに関するコンサルティング業務を手がけるChatWork Academy 株式会社。クラウド型ビジネスチャットツール「チャットワーク」を展開するCharWork株式会社(旧株式会社 EC studio)のグループ会社でもある。EC studio 時代から提供している「IT実践会」は、パッケージ化したわかりやすいコンサルティング内容と割安な価格設定で中小企業のIT化を支えてきた。

そのChatWork Academyが次なる一手として打ち出したのが、「ChatWork Academy 組織診断」だ。

「会社方針」「仕事内容」「人間関係」「仕事環境」「IT環境」の5つの要素に対する、社員の「満足度」、「重要度」(自分が働くうえでその要素がどのくらい重要か)、「推奨度」(周りの人に自社のその要素を薦められるか)を分析する。分析結果はレーダーチャートで他社と比較でき、バブルチャートで各要素に対する社員の意識を「強み」「課題」「過剰」「無関心」に配置。会社の強みや課題をあぶりだす仕組みになっている。

大手の組織診断ツールは高くて手が出せないという中小企業の声に応えて開発したツールで、基本料金5万円という格安価格で利用可能。男女別、部署別など、診断結果の分析の切り口を増やすごとに追加料金がかかる価格体系だ。

2013年6月に正式リリースしたばかりだが、リリース前からクチコミで多くの申し込みが届いているという。将来的にはフルクラウド化し、申し込み、購入から組織診断の実施、結果の取得までを人の手を介さず行えるよう進化させていく計画だ。

組織の状態がよくなければITを導入しても意味がない
ビジネスアイデア発想のきっかけ

chatwork-academy2ChatWork Academy 代表取締役の加藤利彦氏は、株式会社 EC studio の創設メンバーのひとり。人事担当役員として、社内人事評価制度などの整備にあたっていた。

その加藤氏が中小企業へのITコンサルティングを手がけるなかで痛切に感じたのが、「組織の状態がよくなければ、ITは導入できない」ということ。ITの導入という新しいことをするには手間と労力が必要だ。もし社員に会社をよくしたいという思いがなければ、「何でそんな面倒なことをやらなあかんの?」という拒否反応につながってしまうのだという。 「社内の雰囲気が悪かったり、人間関係がぎくしゃくしていたり、そういった状態で無理やりITを導入するとどうなるか。ITツールの私的利用が横行したり、それを使って誰かの陰口を発信するようになったり、そんな不幸な例をいくつも見てきました」。

ITはコミュニケーションを活性化させるためのツールなのに、逆に社内の雰囲気を悪化させてしまうこともあるわけだ。これは、「ITで幸せを創り出す」ことをモットーとしている加藤氏にとって、非常に悩ましい問題だった。

 それを防ぐべく、中小企業の社長たちに「IT導入の前に、組織診断を受けて組織自体の立て直しを図ってはいかがですか」と提案するも、既存の組織診断は大企業向けのものばかり。中小企業にはフィットしない診断内容であったり、初期費用も高いためになかなか手が出せないという現実があった。だったら自分たちで中小企業向けの組織診断ツールをつくってしまおう、と開発したのが「ChatWork Academy 組織診断」なのだ。

この組織診断は、診断後のコンサルティング業務を省く代わりに大幅なコストダウンを実現。人数に関わらず基本料金5万円からという格安な価格で利用可能だ。

 診断後のコンサルティング業務をなくした理由はコストダウンのためだけではない。組織が大きければプロのコンサルティング会社から指導を受けることも有効だが、中小企業の場合は、社内で自ら診断結果を分析し、課題の解決を探る――そのプロセスこそが、中小企業ならではのスピーディな組織改善とコミュニケーションの活性化につながり、人間関係や雰囲気を改善する大切なポイントだと考えているのだ。

組織診断を手始めに、さらに「ITを通して幸せを創り出せる」存在へ
将来への展望

第3期目を迎えたChatWork Academy。直近の目標は、今回リリースした組織診断の利用社数を4期目に1万社、5期目には2万社まで広めること。組織診断が広まるということは、社内の雰囲気が改善され、ITの導入がしやすくなるということを意味する。組織診断を受けてもらった後、本業であるIT活用のためのコンサル業務を行い、「ITを通して幸せを創り出す」ことにつなげていく予定だ。

そして、もうひとつの狙いは組織診断をとおしてデータを蓄積すること。「組織診断をするほど、中小企業の実データが溜まり、我々もITコンサル業務の精度を高めることができる。それによって、より現実に即したお手伝いが可能になると思っています」。

加藤氏はすでに、この組織診断の海外展開も視野に入れている。興味深いのは、この組織診断を海外向けにカスタマイズするのではなく、日本企業向けの仕様のまま持って行くつもりだということ。「海外の企業にも、日本人の勤勉さやおもてなしの心、行き届いたサービスなど、日本人の働き方に興味を持っているところが多いです。あえて日本仕様の我々の組織診断を受けてもらうことで、自分たちと日本企業では社員の考え方や重視するポイントがどう違うのかを見てもらおうと思っています」。

ChatWork Academyの組織診断に蓄積された日本企業の平均データと比較すれば、その会社の目指す「日本的な働き方の文化」とどこにギャップがあるのかもわかるというわけだ。

「ITを通して幸せを創り出す」という目的のために必要ならば、組織診断も自らつくる。「日本にとっても世界にとっても、よいインパクトを与えられる存在になる」べく、ChatWork Academyの進化はこれからも続いていく。

ChatWork Academy株式会社
代表者:加藤 利彦 スタッフ数:7名(アルバイト、インターン生含む)
設立:2011年4月14日 URL:http://www.chatwork-academy.jp/
事業内容:
ITコンサルティング業務、IT担当者を作る育てる研修業務、組織診断業務
ChatWork Academy組織診断: http://cwas.jp/

当記事の内容は 2013/6/27 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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