地道に顧客の声に応えて出来上がった巨大サイト。実に500万店舗が登録!口コミで様々な業種のお店を探せる「エキテン」

サービス業

執筆者: ドリームゲート事務局

月間で2500万PV、600万UUに達する、知る人ぞ知る巨大サイトが出来たわけ 展開している事業内容・特徴

ekiten1飲食店を探す際、ネットの口コミサイトなどを利用するのが当たり前になった感がある。しかし、飲食店以外ではどうだろうか。今回紹介するサービスは、実に500万もの店舗が登録されている日本最大級の店舗検索サービス「エキテン」。口コミの累計は約40万件。登録ユーザー数は20万人。月間で2500万PV、600万UUに達する、知る人ぞ知る巨大サイトだ。

ビジネスモデルはシンプルで、有料登録している店舗からの掲載料が主な収益源。無料店舗にないサービスとして、有料店舗は上位に表示されたり、クーポンが複数掲載できるなど、プロモーションに役立つ機能を活用することができる。

掲載料は月額5000円。現在3000店舗以上が有料登録だ。それ以外に登録時の初期費用が必要だが、申し込み時期やキャンペーンによっては無料となる。もちろん、無料でも掲載は可能なので、まずは試しに無料登録する店舗は多い。そんな敷居の低さで掲載店舗を集めることで、サイトが自動的に巨大化し、SEO効果を生んで集客力が高まった。そのなかで、より目立ちたいという店舗は、お金を払ってでも……という仕組みによって、ビジネスが回っている。

「エキテン」を運営する株式会社デザインワン・ジャパンの創業者である高畠靖雄氏によれば、新規開拓営業は電話が主だが、掲載したいという問い合わせも多く、特に最近はマッサージやリラクゼーション、美容室からの引き合いが目立って多いという。飲酒店では「ぐるなび」や「食べログ」などの大手サイトがしのぎをけずっているが、飲食以外の店舗業では、意外にもまだメジャーなサービスが登場していない。そうした白地の大きさも、エキテンが急成長している理由の一つだろう。

「エキテン」に掲載されている店舗一つ一つは、規模がとても小さい。積極的にネット活用しようにも、ノウハウもなければ、そこに割ける時間もない。また、今やパソコンで閲覧するWebサイトに加え、スマートフォンなどにも対応しなくてもならない時代となった。ますます高度化・煩雑化するネットでのマーケティング。同社のようなポータルサイトを運営し、ネット上での集客代行やマーケティング代行サービスへのニーズは高まる一方のようだ。

創業者は富士通の元エンジニア。スーパーコンビューターをづくりを断念し、起業 ビジネスアイデア発想のきっかけ

ekiten2高畠氏は、兵庫県は高砂の出身。岡山大学の大学院を修了後、富士通に入社した。学生時代、情報処理の研究をしていたこともあり、スーパーコンピューターの開発を志望していたが、会社の事業ドメインがハードからソフトへ転換されていく中で、ビジネスシステム関連の部署へ異動することとなった。そこで、メールサービスやコールセンターのシステムなど、CRM系のパッケージソフトウェア開発を手がけていたが、大企業の組織の矛盾や非効率性に気づき、「自分が会社をやれば、もっと効率よく経営ができるのではないか……」という思いから、起業を検討し始めた。

実際に起業したのは29歳。2005年 9月、資本金100万円で会社をスタートさせた。最初に手がけたのは、子供用教材の開発・販売など。ところが、これがなかなか売れない。もともと生粋のエンジニアである高畠氏。営業については素人同然で、どうやって売っていけばよいかもわからなかったという。

そうしたなか、インターネットを使って試行錯誤するうちに、商品は少しずつ売れ始めた。また、お客さんから「逆にこうしてほしい」という声も集まるように。

「素直にお客さんの声を集めていけば、貴重なマーケティングデータになるし、ほかにも転用できそうだ……」と気づいた高畠氏。口コミで様々な店舗が探せるシステムをつくれば便利かもというアイデアにたどり着き、開発をスタート。それが現在の「エキテン」のビジネスにつながる。

そうして、2007年 6月に「エキテン」の事業を開始。創業時は1人だったが、日立に勤めていた弟も参加。さらに半導体エンジニアとしてNECに勤めていた大学時代の友人も口説いて役員に。この3名がコアメンバーとなり、それぞれ出資し合って会社を成長させていった。現在は資本金2000万、従業員数45名という規模に成長している。

「ぐるなび」などのビジネスモデルと近いため、バリバリ営業系の会社かと思って取材に伺ったのだが、意外にも営業出身の役員はおらず、取材時も淡々と物静かに話す高畠氏の姿勢が印象的だった。成功の秘訣を伺ったところ、「がんがん営業するというよりは、こつこつと地道に続けてきただけ。堅実にお客さんからの声をとにかくサービスに反映してきたことが成功の要因だと思います」と静かに語ってくれた。

地道にフリーミアムビジネスを推進。小規模店舗向けのあらゆるツールを提供したい 将来への展望

高畠氏に将来の展望を伺ったところ、2015年までに有料店舗を2万店に拡大するのが当面の目標だという。IPOも視野に入れているが、あくまで店舗向けのマーケティング・PRツールの提供役・黒子に徹していきたいと語ってくれた。

サービスとして意識しているのはGoogleとリクルート。Googleは、インターネットで流れる情報のすべてを持っているといっても過言ではないほどの巨大サービスだ。もうひとつ、国内での生活関連情報サービス業の巨人であるリクルートの動向も、常に気にしている。

また、これから考えているサービスを聞くと、「ポイントサービス」という答えが返ってきた。来店促進用に、紙の会員証やポイントカードを販促として使っている店舗は多い。しかし、紙の会員賞はすぐに紛失したり、管理も煩雑になる。しかし、フェリカなどの無線通信型のカードシステムは、小規模店舗にとっては導入コストがまだまだ高い。そこで、無料で使えるオリジナルのポイントシステムの開発を考えているそうだ。

ほかには、タッチパネルのシステムや電子カタログなども。これらも従来は専用端末が必要な領域だったが、近年はタブレットやスマートフォンが普及したこともあり、ハード的にはそれらを活用して無料でシステム提供できるようになってきた。

とにかく初期費用をかけず導入してもらい、その後、有料サービスに案内していくというのが同社の基本戦略。いわゆるフリーミアムモデルだが、こうした方針を実直にやり続けることが、成功への近道。ユーザーの声を実直に聞き、それをサービスとしてかたちにすれば、自然とマーケットから支持を集める事業として成長していく。今回取材した「エキテン」は、その王道を行くベンチャーだった。

株式会社デザインワン・ジャパン
代表者:高畠 靖雄 スタッフ数:45名
設立:2005年9月 URL:http://www.ekiten.jp/

当記事の内容は 2013/3/12 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。