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世界初の室内用ドローンメーカーは、
“組み込み技術”をベースに飛躍する!

執筆者:佐々木 正孝  編集:菊池 徳行(ハイキックス)
更新日:2017年02月14日

加熱するブームの裏で産業用ドローンの
プラットフォームを開発 展開している事業の内容・特徴

20170214-1次世代ビジネスの有望格として大手、ベンチャーを問わず参入業者が続出しているドローン関連マーケットだが、安全性やプライバシーなどの課題があるのも事実だ。そんななか、安全な屋内型ドローンを開発しているのがドローンワークス株式会社である。

同社が開発・販売する「エアコクーン」(350万円~)は、プロペラを含む機体全体がバルーンで覆われたユニークな形状。バルーンにはヘリウムガスを用いており、ふわふわと浮遊しながら屋内を飛行する。万が一、モーターが停止したとしても急激に落下することがないため、安心・安全が担保されているのだ。たとえば、人が多く集まるドーム球場などで、スポーツやライブのイベント時に広告や撮影用として使う需要を見込んでいる。

ちなみにこのモデルは、パナソニック社からライセンスを受けて開発したもの。しかし、ドローンワークス社にとってのメイン事業は、産業用ドローンのプラットフォームづくり、関連デバイス、ソフトの開発なのだという。

「室内用のドローンをつくった世界初、唯一の会社として引き合いを多くいただくようになりましたが、私たちはドローン本体のみをつくっているわけではありません。実はドローンの中の制御コンピューターの開発に注力しているのです。自動車産業に例えたらトヨタではなく、デンソー、ボッシュなどの車載制御機器メーカーを目指している、といったらわかりやすいでしょうか」(ドローンワークス代表・今村博宣氏)

現在、市場に出回っているドローンはコンシューマー製品の部品の寄せ集めに過ぎず、ラジコンとほぼ同じようなもの。一歩進んで「産業用ドローン」として活用されるためには、フライトコントローラー、ESC(モータードライバー)などの電子機器や各種センサー、ソフトなどをパッケージングした統合運用が欠かせない、と今村氏は語る。

「産業用と名がつく機器であれば、センシングによってモーターの温度、回転数などを検知し、不具合があったら制御できるような機構を備えています。しかし、現在のドローンのほとんどはフライトコントローラーからモーターへの一方通行。トラブルが起こってもコントロールできず、詳しい耐用時間なども把握できません。産業用としてはあり得ないスペックなのです」

ドローンワークス社は室内型ドローンなどの受託開発を手がけつつ、上記のような産業用ドローンのプラットフォームづくりに注力。加熱するドローンブームとは一線を画した、さらに大きなビジネスを構想しているのだ。

ドローンを「ロボット」として捉え、
フットワーク軽く起業する ビジネスアイディア発想のきっかけ

20170214-2「ドローンはあくまでバズワード。この熱は3年で過ぎ去るものだと考えています」と、今村氏はクールに語る。今村氏のバックボーンは組み込みエンジニア。Linuxベースの組み込みを20数年間にわたって手がけてきており、ワークステーション、デジタル放送設備、デジタルカメラ、モバイル機器、ウェアラブル機器など、その時々の先端ビジネスに対応しながら組み込みの技術力を発揮してきた。

「ビジネストレンドの潮流を見据えた時、次に来るのはロボットだと考えました。ロボットにも6軸型、二足歩行、キャタピラなど様々な形態がありますが、私が注目したのはプロペラで移動するロボット――つまり、ドローンと呼ばれるものだったんです。新たな分野に可能性を見いだしたら、ドローンワークスとはまた別に、新たなビジネスを立ち上げるかもしれませんね」

産業用ドローンのプラットフォーム開発には組み込み系の技術はもちろん、無線通信やクラウドといった分野の知識も必須だ。様々な技術領域で知見を積み重ねてきた今村氏は、ドローン市場の活性化を千載一遇のチャンスと捉え、フットワーク軽く起業する。

登記したのは三井不動産、柏市、東京大学など産官学が連携した柏の葉スマートシティにあるKOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)。コワーキングスペース、シェアオフィスが月額1万円程度で利用できるほか、3Dプリンターなどを備えたファブスペースもある。

「私たちのビジネス展開を考えると、会議室、事務スペース、そして作業をする工房。これらを全部備えると結構なスペースが必要になりますが、KOILはそれらが使えるだけではなく、敷金、礼金もありません。スタートアップ時のコストは数百万円単位で削減できたのではないでしょうか。これは非常に助かりました」

「オープンソース」「フリー」を掲げて
ドローンビジネスに乗り込んでいく 将来の展望

20170214-3「エアコクーン」のロゴは、KOILのビジネスミーティングで知り合ったデザイナーに依頼したものだ。起業家、ベンチャーが集積するKOILを中心にネットワークを構築。今村氏は、異業種、異分野とも積極的に連携して研究開発を進める「オープンイノベーション」を体現している。

「開発中の産業用ドローンのプラットフォームもオープンソースにし、部材や機器などのメーカーとアライアンスを組んでいきたいと考えています。大人数の開発スタッフを抱えられないベンチャーだからこそ、外部の企業、人材とやっていきたい。そのためのオープンソースなのです」

少人数で開発を進めるだけに経営、財務にリソースを避けないのが悩みでもあるという。「大手からの受託開発で経営を安定させながら粛々と開発を進めていきたい」と今村氏は前を見る。

「起業時には出資を仰ぐか、プラットフォームのアイデアごと買ってもらうことも考えていていました。しかし、資金調達への稼働もそれほどかけられないので断念。独自と受託、二つの開発を走らせていますが、幸いなことに我が身を削る受託開発ではなく、資産にできる受託開発の話をいただけています。着実に歩みを進めていきたいですね」

Facebookではドローン、IoTなどのトピックを積極的に発信する今村氏。「有料でコンサルティングするレベル」の内容をフリーで発信する。惜しみない情報発信が好評を得て、ドローン、IoT関係の開発オファー、セミナー登壇の声は引きも切らない。「営業をしない営業」と自称する手法で経営を推し進めている。

「オープン」と「フリー」。現代ビジネスシーンでパワーを発揮する2大キーワードを掲げるドローンワークス。産業用ドローン市場を足がかりに、確固たるプレゼンスを築いていくに違いない。

ドローンワークス株式会社
代表者:今村 博宣氏 設立:2015年9月
URL:http://www.drone.co.jp/ スタッフ数:2名
事業内容:産業用ドローンの開発、既製品のカスタマイズ。ドローン専用デバイスの開発、サポート。

当記事の内容は 2017/2/14 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事の執筆者

取材・文/佐々木 正孝  編集/菊池 徳行(ハイキックス)

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