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日本産・世界初の“目覚まし”ガジェットが話題!
町工場の志を継ぐ、ものづくりベンチャー

執筆者:佐々木 正孝  編集:菊池 徳行(ハイキックス)
更新日:2016年11月29日

発売翌日に1000台を即完売!
科学に基づいた優しい機能が大人気 展開している事業の内容・特徴

20161129-1スマホやタブレット、ウェアラブルデバイス――ガジェットやIoTがどんなに進化しようとも、「だるい寝起きの解消」「気持ちよい目覚め」は解決しがたいテーマ。ちなみに、「朝起きられない」「だるい」といったその原因は、主に、深い睡眠からむりやり起きたことによる“睡眠慣性”にある。その解消に有効なのが、実は太陽光なのだ。

そして今、快適な目覚めを求めている人々から注目を集めているのが、世界初のスマホ連動型カーテン自動開閉機「めざましカーテン mornin’(モーニン)」。スマホとのBluetooth連携により、起床したい時刻を簡単に設定し、機器をカーテンレールに設置するだけで、希望の時間にカーテンを開き、太陽光を取り込んでくれるという優れもの。

一番の効果は、毎朝、快適で自然な覚醒をもたらせてくれること。従来の目覚ましプロダクトは、いずれも「大きな音」で目覚めを促すタイプがほとんど。つまり、基本的に目覚まし時計と原理的に変わらないものばかり。一方、「mornin’」は太古の昔より人類を目覚めさせてきた太陽光をスマホで操作する、古くて新しい、理想的なプロダクトなのである。

多くのユーザーに届けたいという思いから、3985円という廉価に売値を設定。ECに加えて家電量販店にも販路を確保し、マスをねらったPRを展開した。製品の発表記者会見にはHKT48の指原莉乃さん、人気芸人のチュートリアルの徳井義実さんを起用し、大きな反響を呼んだ。同製品の販売元、株式会社ロビット代表兼CEOの高橋勇貴は言う。

「私自身、『アメトーーク!』の家電芸人編が大好きだったので、家電芸人に自社製品をPRしてもらえば絶対に広がるというアイデアがありました。そこで、キャスティング、PR戦略は、資本業務提携している上場企業“イグニス”の協力を仰ぎました。AKB48選抜総選挙で1位になった指原さん、そして家電芸人として知られる徳井さんの起用で、マスに届くPRが実現。おかげでガジェット好きなギーク層以外にも幅広く情報が届けられました」

「mornin’」は、2016年7月の発売日当日に初回入荷分1000台を完売。予想以上の売れ行きに、販売体制を再構築するため2週間の販売休止期間を要したが、その後も順調に売れ行きを伸ばし、これまでの累計の出荷台数は8000台に届く勢いだ。狙いどおり、マス層からの反響も大きく、「スマホを持っていないんですが、どうにか使えませんか」という問い合わせの手紙が届くほどだ。

ソフト開発の観点でものづくりを
アピールし、資金調達を成功させる ビジネスアイディア発想のきっかけ

20161129-2ロビットは、CEOの高橋氏を含め、起業メンバー全員が理工系大学の電気電子情報通信工学科の出身。メンバーの多くが「朝起きるのが辛い」という悩みを抱えており、よりよい目覚めを求めて開発に着手した。そして、基本コンセプトを見いだすまで、理工系学生らしいアプローチで研究を重ねたという。

「しっかりとしたエビデンスがあるものをつくりたかったので、睡眠と起床のメカニズムを徹底的に研究しました。理工系なので論文は読み慣れています。医学系の論文を読み漁り、睡眠系の研究者にもヒアリングを重ねました。そこでいき着いたのが太陽光です。朝日を浴びることで脳内物質が分泌され、すっきりと目覚められるという知見から、製品のコンセプトが固まりました」

もともと、高橋氏は在学中からJAXAの共同研究員として惑星探査機の研究、ロボットの研究開発に従事。理系学生の誰もが憧れるビッグプロジェクトに惹かれつつも、「消費者にとって身近な、生活に根差した製品をつくりたい」という思いから起業を決意した。

「つくったものがどんなところでどんな人に役立つのか、それを手にしたお客さまがどれだけ喜んでいるのか、手応えを身近に感じられる仕事がしたかったのです。ロビットの理念は『人々の生活の不便や困難を解決し、日常をよりよくする』というもの。人々の日常生活に根差したものづくりを目指した結果、“mornin’”にいき着いたのです」(高橋氏)

そんな志で仲間たちと創業を目指すなか、高橋氏の先輩にあたるメンバー3名は大学を卒業。メーカーやIT企業に勤める傍ら、休日などを利用してミーティング、企画設計に取り組んだ。スタートアップに向けた資金調達、法人化の手続きなどは高橋氏が一手に担ったという。

「IoTが華々しく語られる時代ですが、実はものづくりベンチャーは投資対象になりにくく、敬遠されがちなんですよ。アプリやソフトに比べ、成功事例が少なすぎるためです。そこで、プロダクトではなく、当社のフィードバックから課題を抽出し、スピーディーに解決できる力、総合的な開発力を買ってほしい、と訴えました。ものづくりはソフト開発と同じアプローチでアピールできて初めて、投資対象になり得るのです。地道なアピールを続けた結果、賛同していただけるパートナーと巡り会い、なんとか商品化することができました」

完全内製でコストダウン&スピードアップ!
古くて新しい、ものづくりのかたち 将来の展望

20161129-3ロビットの拠点は、都心から少し離れた板橋区高島平。のどかな住宅街の一角に、切削加工を担う大型マシン「ロボドリル」が鎮座する一軒家がある。ものづくり系スタートアップといえば、中国などへのアウトソーシングでフットワークを軽くするのが大勢。しかし、ロビットは自社で機器を購入・整備し、内製化によって、コストダウンを目指している。

「“mornin’”でいえば、プロトタイプの作成から、多様なカーテンレールに合わせた動作チェック、量産に向けた寸法の微調整など、実に細かな工程、試行錯誤がありました。もし中国などの外部に委託していたら、コミュニケーションコスト、微調整の差し戻しによる作業コスト、組み立てラインを見る人件費などで開発費は跳ね上がっていたでしょう。やり方を間違えなければ、設備投資をし、自社で開発・製造する方がコスト、スピード、品質的にも大きなメリットがあるのです」

量産に向けた部品の組み立て、テストでは多くの匠たちの力も借りた。金型、射出成型を手がける町工場の門を叩き、部品の強度を担保するノウハウを伝授してもらった。数万台単位で製品がつくれる体制を構築できたのは、小規模なものづくりを地道に手がけていた経営の先輩たちの示唆があったからだ。

「生活に根付いたものをつくっていきたいという私たちの志を、町工場の職人さんたちに共感いただくことができた。これもものづくりの喜びの一つといえるでしょう。先輩たちの志を継ぎ、今後も日本のものづくりの底力をしっかりアピールしていければ」

20161129-4その言葉どおり、「世界中の人たちの朝を元気にしていきたい」と謳う「mornin’」は、グローバルな多言語展開も視野に入った。日本と同じカーテンレールが多用されているアジア圏を中心に、バイヤーからの引き合いも急増中だ。

「ユーザーからのフィードバックを見ていると『防犯に使いたい』という声が多いことに気づきました。夕方にカーテンを開け閉めすることで、長期の外出でも在宅をカムフラージュしたいというニーズです。ほかの家電製品との連動なども含め、柔軟な機能拡張を図っていきたいですね」

製品の機能実装からフィードバック収集、軌道修正というサイクルでスピーディーに開発していく。これはまさに、IoTビジネスにおける「リーンスタートアップ」そのもの。地道なものづくりを根っこに持ちつつ、スマートな開発をスパイラルアップさせていく。“古いけど新しい”――それがロビットが目指すものづくりの姿勢なのである。

株式会社ロビット
代表者:高橋 勇貴氏 設立:2014年6月
URL:http://robit.co.jp/ スタッフ数:8名
事業内容:・ロボット、精密機器、関連するハードウェア、部品及びソフトウェアの設計、製造、販売。

当記事の内容は 2016/11/29 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事の執筆者

取材・文/佐々木 正孝  編集/菊池 徳行(ハイキックス)

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