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教育にITのチカラをフル活用した、
オンライン家庭教師サービスの新しいかたち

執筆者:森 晶  編集:菊池 徳行(ハイキックス)
更新日:2016年11月01日

「教育×IT」発展の先駆者になる!
24時間365日、いつでもすぐ質問可能 展開している事業の内容・特徴

20161101-1生徒・講師ともに最適なタイミングで学び・教え合える、ありそうでなかったなかったサービス――これが株式会社マナボが提供している、スマートフォンを使ったオンライン家庭教師サービス「manabo(マナボ)」だ。

生徒は、「manabo」のアプリをスマホにダウンロードし、わからない問題の写真をカメラで撮り、投稿するだけというごくシンプルな仕組み。即座に回答できる講師が名乗りを上げ、生徒が指名した講師が一問一答で丁寧に答えていく。アプリ内に、チャット・無料音声通話・ホワイトボード・といった機能がついており、まるで対面での指導を受けている感覚で、大学生が生徒に回答するというもの。

料金プランは、1時間3500円から。例えば、1回の指導が20分で終われば3回分をこの料金内で受けられ、困ったときにスポット的な使い方ができる料金体系となっている。東京大学、早稲田大学、青山学院大学といった有名校への合格者を多数輩出しており、生徒はこのサービスを駆使して、着実に合格への切符を手にしているようだ。

「manabo」の登録講師は難関国立大、私立大在籍の学生で構成されており、2016年9月現在、約2300人が活躍している。学習塾などが講師集めに苦戦しているなか、「manabo」には毎日5~10人の大学生の新規登録があり、研修などをとおして合格した者のみが講師となる。多い日にはユーザーである生徒から500問以上の質問があり、100名ほどの生徒と講師が学びと教えのやり取りをしているそうだ。ちなみに、2016年9月現在で累計指導時間、4万時間を達成している。

システム開発はすべて自社で行っており、特にセキュリティの強化に注力しているそうだ。例えば、怪しい素行を見せた講師には即時退会させる処置をするなど、ユーザーが安心して利用できる仕組みづくりに常に配慮している。

生徒にとっては、わからない時にすぐ教えてくれる、一方の講師側にとっては空き時間にスマホやタブレットで気軽に家庭教師のようなアルバイトができる――そんな双方にとって、使いやすい学習サービスとなっている。

学生時代に3足の草鞋を履き、起業を選択。
立ちはだかる資金調達の壁を乗り越える ビジネスアイディア発想のきっかけ

20161101-2株式会社マナボの代表を務める三橋克仁氏が、小学生の時になりたかった職業は、宇宙飛行士。少年時代に抱いた夢を実現するべく、東京大学工学部に進学し、在学中に宇宙飛行士に必要とされるロシア語まで学んだ。しかし、大学4年生の時にふと立ち止まる。

「日本では宇宙飛行士の採用は10年に1度だけ。しかも宇宙飛行士の試験をパスしたとしても、そこから宇宙に行くまでは何年かかるかわからないし、なれたとしても自分らしいオリジナリティを発揮できないのなら、自分でなくてもよいのではないだろうか……」

宇宙飛行士の夢を追いかけながら、起業の道もイメージしていた三橋氏は、大学院への進学を1年保留し、起業の道を探るべく1年間教育関連のベンチャー企業でのインターンを決意する。学部生の時から予備校講師のアルバイトをしており、そのときに解決したい、ある悩みがあったのだ。

「例えば、生徒からの物理の質問に、電話だけで相手に伝わるように解説することはなかなか難しい。自分自身が教えることを不便に思う経験を何度かしていたことから、ITを使ってなんとか解決できないかと考えていました。インターンをしながら、さまざまなサービスを考案し、自らプログラミングして試したりしていました。この当時に、“manabo”の着想を得たのです」

インターン生活を終え、1年後に大学院に復学した三橋氏は、自分の可能性を広げるために、大学院での研究・就活・起業の3つを同時に進めることに決めた。就活では名だたる大手企業数社から内定を得た。起業は、まずは教育関係者とのコネクションを持つべく、予備校などのWebサイト制作、システムの受託開発などから開始。いざ、自分で起業をしてみると、驚くほど教育関連企業にはITの仕組みが浸透していなかった。

そんななか、自分が開発したmanaboの原型サービスがビジネスコンテストで入賞する。その副賞として、シリコンバレーを訪問したことで大きな衝撃を受け、最終的には迷いながらも起業の道を決意。引き続き、受託開発やホームページの制作をしながらサービスのブラッシュアップに励み、2014年に、満を持して「manabo」が正式なサービスとしてリリースされた。三橋氏はそんな忙しい日々を送りながらも、大学院を無事卒業。こうして、自身を含む4人で本格的に株式会社マナボが走り出した。

起業して一番困ったことは資金調達だったという。サービス規模が大きくなるにつれて、開発費用や登録講師への支払いなど、ある程度のまとまった資金はどうしても必要だ。しかし、半年をかけた資金調達の話がまとまりかけた直前、とある理由で最初の資金調達の話がとん挫……。次の新しいディールが決まるまでの約2カ月間は役員報酬をゼロにするなど、本当に苦しい時をメンバーと共に耐えしのいだという。

そんな紆余曲折を経ながらも、サービスを地道に軌道に乗せた結果が評価され、新たに3億3000万円もの大型資金調達に成功。起業当初、まだ交渉力がないなかで交渉するという難しさは、今も三橋氏の起業家マインドの強力な糧になっている。

教育業界の構造変化の先駆者となるか?
蓄積した学習データを活用した将来展望 将来の展望

「タイミングは未定ですが、遠くない将来、上場を目指しています。しかし、それを実現させるためには今までmanaboで培ってきたデータの有効活用をしっかりかたちにしてからだと考えています」(三橋氏)

現在の同社のビジネスモデルは、生徒1人に対し、講師が1 人つくというマンツーマン指導スタイルだ。今後はいかに、講師の介在を最低限にして、指導の質を落とさず、人件費を抑えて利益を出していくのか――この戦略を構築する必要があるという。

例えば、大手予備校が現在行っている映像授業がある。従来の映像授業では、代表的な限られた問題に対して、1人の講師が、1つの解き方しか解説していない。しかし、実際はあらゆる問題に対して何通りもの考え方・解き方があり、それらをすべてカバーするのは難しい。

そこに介在する問題を、同社が保有している12万問(※2016年9月現在)に及ぶ指導数のデータベースから、生徒個人が自分に合った指導を選んでいつでも視聴できる仕組みを整えることで解決していく。このパーソナライズされた“わかる仕組みづくり”が実現すれば、1対1の指導の垣根を超えた学習体験が可能になり、最終的には自分にあった指導データのレコメンドを自動化することで利益率が大幅に増加することが見込まれるとのこと。

「上場後のステージは、このオンライン家庭教師の仕組みをフルに生かした世界展開を考えています。例えば、スタンフォード大学に進学したい日本の学生が、現地の現役大学生に指導をしてもらえるといったスタイルがかたちになったらいいですね」

データを有効に生かした、将来への無限の可能性――株式会社マナボと三橋氏の今後の挑戦と飛躍に期待したい。

株式会社マナボ
代表者:三橋 克仁氏 設立:2012年4月
URL:https://manabo.com スタッフ数:10名
事業内容:スマホ家庭教師「manabo(マナボ)」の開発、運用

当記事の内容は 2016/11/01 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

取材・文/森 晶  編集/菊池 徳行(ハイキックス)

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