開催日:2006年3月11日 会場:東京・プリズムホール
有限会社コーメイ・エンタープライズ 宮本 幹夫氏
「飛びぬけたビジネスプランを」「小資本で大きな成功を」起業家なら誰しも抱く願望だろう。会社の規模に関係なく持ちうる無形の財産を武器
に、これらを叶える方法が、知的財産権の専門家である有限会社コーメイ・エンタープライズ宮本幹夫氏によって伝授された。テーマは「小さな起業で勝つノウ
ハウ!「オンリーワン“ビジネスプラン”サクセス講座」」。
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小さな起業で勝つには、当然大企業と同じ方法で挑んではいけない。ここでキーワードとして挙げられたのが「レバレッジ」である。レバレッジとは、てこの原理と同じく、小さな資本で大きな利益を得るビジネスプランのことをいう。必要な要素は3つ。
1つは「ブランディング」。宮本氏いわく、
「ブランディングとはつまり「土俵戦略」です。人の土俵で戦って勝つのが大企業ですが、それは大きな資本と看板があってこそなせる業。それらを持たない起業家が勝つには、自分のルールが通用する世界で戦わなくてはなりません」
宮本氏はとある紅茶のネットショップを例に挙げた。大手の価格破壊に対向するため、そのネットショップでは、買い付けの道中をブログで公開したり、商品にまつわる魅力的な薀蓄を提供することで、大きな売上を得たという。自分の土俵でその専門性を活かして成功に導いたのだ。
2つめは「キャラクター」。もちろん、濃いキャラクターをアピールするのもよいが、なかなかそうもいかないのが現状。そこで宮本氏が提案したのが「成功への信念」である。
「私にも経験がありますが、成功への信念は起業するとあっという間に崩れてしまうもの。うまくいかなくなると、周りから「お前のビジネスプランじゃ成功し
ない」という悪魔の声ばかりが聞こえてくるようになるんです。ここでそんな声に負けず、強く成功への信念を持ち続けられるかが分かれ道。信念をしっかり持
続できれば、それがあなたの実直なキャラクターとなって内面から滲み出るようになるはず。起業家は魅力的であることも重要な要素です」
ビジネスプランの「誰に何をどのように」という部分にブランディングを盛り込み、「自分にしか実現できない」というアピールにキャラクターを用いて、実現の可能性を高められれば、それで他のビジネスプランとの差別化をはかれるのだ。
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3つ目が「IP」。「知的財産戦略」だ。これをからめることで、ビジネスプランにエッジが効き、そのエッジがビジネスプランをオンリーワンにしてくれる。
IPには大きく4種類ある。主に商品名にあたる「商標」、デザインにあたる「意匠」、発明的なアイデアの「特許」、創作物の著作を主張する「著作権」だ。これらについてはその権利を主張、申請し、認可を受けることではじめて所有することができる。
知的財産の重要性を証明したのがレナウンの抗菌靴下だ。はじめは「フレッシュライク」という名前で売り出したがさっぱり売れず。そこで商品はそのま まに、名前を「通勤快足」に変更して、再度販売。まもなく販売数が飛躍的に伸び、通勤快足は大ヒット商品となった。この商標こそ知的財産であり、ビジネス プランにからめることでエッジを効かせ、大きな売上につなげた好例である。
少ない資本でも、会社の知名度が低くても、ビジネスプランにレバレッジを応用することで大きな利益を得る可能性は極めて高い。オリジナルのアイデア を生み、それを専有するために認可を受けることも重要だ。ただし、宮本氏は知的財産のほかにもう一つ、大切な無形財産があるという。ゲスト審査員
(株)サイバーエージェント 藤田 晋氏
GMOインターネット(株)熊谷 正寿氏
タリーズコーヒージャパン(株)松田 公太氏
(株)テイクアンドギヴ・ニーズ 野尻 佳孝氏
(株)フォーバル 大久保 秀夫氏
ブックオフコーポレーション(株)坂本 孝氏