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大挑戦者祭2005 レポート

開催日:2005年2月11日(建国記念日)  会場:東京国際フォーラム

女性起業

テーマは「女性起業」。このような言葉が世の中に存在すること自体が、女性起業家の数が全体的に少ないことの表れと言えるでしょう。しかし裏を返せば、女 性起業家の持つ潜在的な需要や可能性が大きいということでもあります。本日お集まりいただいた方には、「“起業すること”とはどういう人生なのか」を垣間 見て頂いて、ご自分の起業の際に何かヒントとなるものをお持ち帰りいただければと思います。



西氏 それでは最初に、パネリストの皆さんが起業という選択肢を選んだいきさつを教えてください。



矢野氏 会社を興す前は女性誌編集の仕事をしていましたが、その時には「これが一生をかけてやりたい仕事だろうか?」という漠然とした疑問や不安を感じていまし た。こうした思いを暖めていたのですが「女性のための“政治経済を扱ったメディア”があったら役に立つはず。これなら世の中にない価値を作り出せる」と思 い立って会社を設立しました。
福井氏 私は起業以前から趣味で発明をしていました。その中で開発した「乗り換え便利マップ」という商品の売り込みの際に、相手方から「個人の方とはお取引できま せん」と言われてしまいました。そこで急遽会社を作ったのです。私の場合は、手段としての会社が必要だったので、そのために起業したと言えるかもしれませ ん。
井崎氏 私の場合は26歳で服飾デザイナーを志して文化服装学院に入学しました。その頃、父の勧めで始めたボランティア活動の一環として、障害者の方々とのパー ティーに参加したのです。そこでは、せっかくのパーティーなのに皆さんお洒落をしていらっしゃらない。理由をお尋ねすると皆さん口々に「着る服がないので す」とお答えになるんですね。世の中にこれほどたくさんお洋服があるのに、それを着ることのできない人たちがいる。そうした現実がすごく残念に思えまし た。それがきっかけで、私にも「こうした人たちのためにできることがある」と思い、そこを出発点にして今の会社につながっていったのです。
西氏 会社設立の資本金集めは、起業するにあたって皆さんが苦労されるところだと思います。この問題はどのように乗り切られたのでしょうか?
矢野氏 当時株式会社設立に必要だった1千万円を、創業者の3人が貯金をはたいて捻出しました。
福井氏 最初、資本金は600万円で会社を設立しました。300万円は自分の貯金から、残り300万円は母親に借りて調達しました。
井崎氏 とあるパーティー会場で銀行のお偉いさんお会いしました。これは何かの縁だと思い、翌日から毎日銀行に通って事業資金を500万円お借りしました。でもそ のお金はファッションショーの準備で使い切ってしまい、その後は人脈を頼って事業を行わせていただきました。たとえば縫製だったら、人手に余裕がある縫製 工場さんにお願いするという具合です。最終的に会社を設立したときには、トリンプエンジェルプロジェクトで大賞を頂いた際の賞金1000万円から資本金を 捻出いたしました。


西氏 起業の際に、女性であることがプラスとなったご経験はありますか?
福井氏 まだまだ女性で起業する方は少数派なので、名前を覚えてもらいやすいというメリットがありました。IT業界や交通業界のような男性社会では特に、女性は目立つと思います。事業のファーストステップを踏みやすいのは確かでしょう。
矢野氏 今から起業当時のことを思い返してみると、女性起業家の方が諸先輩に素直にものを尋ねやすかったと言えるかもしれません。起業したての頃は分からないこと だらけでしたので、事あるごとに起業家の先輩方に「こういう場合はどうするのでしょうか?」とお尋ねして回りました。そうすると割と親切に教えてくださる んです。知らない事を素直に質問する態度で臨めば、相手からも快くアドバイスをいただけると実感しました。
西氏 確かに女性の方が、些細な疑問をそのままにはしておかない傾向があるかもしれませんね。まず、自分が何を分からないか、ということを明らかにしておくという態度は、男性起業家諸氏も大いに見習うべきですね。
矢野氏 プライドは自分の内に秘めて置けばいいのであって、仕事をする上ではさらに謙虚さも忘れてはいけないと思います。
西氏 会社を運営していく上では、辛酸を舐めることも多々あります。そうしたご経験の中で最もつらかったことは何でしょうか?

矢野氏 2002年ごろに、顧客の開拓が進まず事業撤退を視野に入れた時期がありました。どの段階でどのような撤退の決断をするかのシナリオを予め作成するとい う、後ろ向きのことばかり考えざるを得ない状況まで追い詰められて、この経験が今までで一番辛かったです。この時は事業が伸び悩んだときの対処法を多くの 経営者の方にお尋ねして回りました。100社あれば100通りの回答があって自社にそのまま当てはめることはできませんでしたが、考え方のプロセスを知る ことができたのが非常に役立ったと思います。幸い翌年にはネットメディアが定着してくれたこともあり、撤退のシナリオは杞憂に終わってくれました。
福井氏 営業経験が全くなかったので、企業直後は営業で右往左往しました。最初は訪問先で相手にもされず、当時の目標は「お茶を出してもらうこと」だったくらいで す。うまくいかなかった時は家に帰ってよく泣いていました。従業員さんが増えてくるとふてぶてしくなったんですけど(笑)。
西氏 独立をする方はたいていその事業で必要なスキルは身につけているものですが、得てして営業が手落ちになるケースが多いようです。営業のポイントを教えていただけますか。
福井氏 相手方の会社の中に、自分の「応援団」になってくれる人を作りましょう。「この人なら自分の話を聞いていただける」という人たちを増やすよう心がけ、ネットワークを広げていくと良いと思います。取りつく島もない人の相手をしていてもストレスが溜まるだけですよ。
井崎氏 起業を目指す方の中にも、結婚して子供がほしいという方が多くいらっしゃいます。福井さんは結婚されていて子供さんもいらっしゃるそうですが、事業をお進めになる過程で子育てに関する苦労はなかったですか。
福井氏 会社の大変な時期がちょうど子供の成長期で、「子供が喘息で手を離せない、でも会社も休めない」という苦しい状況でした。その時期は従業員を全員女性ス タッフで構成して、応募資格に「子供の面倒を見てくれる方」という条件を入れて乗り切りました。今になってみると、この頃はあっという間に時間が過ぎて いったように感じます。
西氏 そのような状況でもお仕事を続けることができた、一番のモチベーションは何でしょうか?
福井氏 やはり社員の方々の存在ですね。それを考えると無責任な真似はできなかったです。
西氏 女性で起業という生き方を選ぶ人は、まだまだ少ないのが現状です。そこで最後に、今日いらっしゃった皆さんへのメッセージも含めて、お三方が起業家という生き方をどのように捉えていらっしゃるかお聞かせください。
矢野氏 女性の場合はまだ職業選択に有形無形の制限があり、結婚や出産、あるいは「ガラスの天井」などによって自分で仕事内容を選べない方も多いのではないでしょ うか。そんな中で、起業家には「自分で何もかも選択できる」という魅力があります。起業の魅力自体については女性だからといって、男性の場合と何も違うこ とはないものです。現実問題として、皆様の周りで女性が仕事しにくい状況にあるなら、起業は間違いなく有力な選択肢の一つになるでしょう。
福井氏 起業には好きなことを仕事にできるという喜びがあります。嫌なことをやっていては一流には絶対なれないですから。
井崎氏 あなたがもし起業したいのであれば、10年、20年後に“これだけは人に負けない”というもの持つことができるかを考えてみてください。この答えが自信を 持って出せるなら成功を収めることができるでしょう。「できるかな、できないかな?」と迷うようだったら、起業をしない方がいいと思います。というのも、 今いる会社や家庭でも、「何かを得るんだ!」という気持ちでいれば吸収できることは沢山あるからです。また、起業を目指すなら他人に話しかける勇気が絶対 に必要です。自分が一声かければ、もしかしたらそこに大きなチャンスが生まれるかもしれない。自分が自信を持ってやっていることなら、そこに必ずチャンス が見えます。その瞬間を逃がさないようにしてもらいたいですね。
西氏 起業に至るプロセスには、閃きやチャンスの瞬間を掴む場面が必ず起こるものです。生活の中に漂っているその瞬間を見抜ける力を養っておくのが、起業の第一歩といえるのかもしれませんね。

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