起業を検討しているけれど、「個人事業主と法人、どちらではじめるべき?」と迷っていませんか?起業の形態は、税金・費用・将来性に大きく影響する重要な選択です。
本記事では、個人事業主と法人の違いを徹底比較し、状況に合った選び方を解説します。記事を読むことで、自信をもって起業形態を決められるようになるはずです。
- 目次 -
起業時の選択肢:個人事業主・法人・フリーランスの基本的な違い
起業する際に選べる事業形態は、大きく分けて「個人事業主」「法人」「フリーランス」の3つです。それぞれの基本的な特徴や法的な位置づけを理解することで、自分に合った形態を選べるようになります。
個人事業主とは?基本的な特徴と仕組み
個人事業主とは、個人が事業を営むもっともシンプルな起業形態です。法人格をもたず、事業主本人が直接事業をおこないます。基本的な仕組みは次のとおりです。
- 開業届を税務署に提出するだけで事業開始が可能
- 事業主本人と事業が法的に分離されていない
- 所得税や住民税などの個人の税制が適用される
- 無限責任(事業の債務に個人財産で責任を負う)
個人事業主の所得は「事業所得」として扱われ、ほかの所得(給与所得など)と合算して総合課税されます。確定申告時に収入から必要経費を差し引いた事業所得を申告し、所得税率(5~45%)に応じて税金を支払います。
個人事業主は法人ではないため、会社設立の複雑な手続きが不要です。思い立ったらすぐに事業をはじめられる手軽さが最大の特徴といえます。
法人(株式会社・合同会社)とは?基本的な特徴と仕組み
法人とは、法律によって「人」として扱われる組織体のことです。起業時に選ばれる主な法人形態は「株式会社」と「合同会社」のふたつです。
【株式会社の特徴】
- 出資者(株主)と経営者(取締役)を分離できる
- 株式を発行して資金調達が可能
- 社会的信用度が高い
- 設立費用:約25万円~
【合同会社の特徴】
- 出資者と経営者が同一(社員制度)
- 株式会社より設立費用が安い(約10万円~)
- 内部自治の自由度が高い
- 近年急速に普及している形態
税制上の基本的な仕組みとして、法人の所得には法人税(15~23.2%)が課税されます。役員報酬は給与所得として扱われ、源泉徴収の対象です。法人と個人の財産は完全に分離されており、法人の債務に対する責任は出資額までに限定されます(有限責任)。
フリーランスとは?個人事業主との違い
フリーランスとは働き方を表す用語で、特定の企業に雇用されずに、独立して仕事を請け負うスタイルを指します。フリーランスと個人事業主の関係については、次のように整理できます。
- フリーランス ≠ 個人事業主
- フリーランスの多くは個人事業主として事業をおこなう
- フリーランスでも法人化することは可能
定義や確定申告の必要性など、主な違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | 個人事業主 | フリーランス |
| 定義 | 税法上の事業形態 | 働き方のスタイル |
|---|---|---|
| 開業届 | 原則として提出が必要 | 働き方しだい |
| 確定申告 | 必要 | 収入に応じて必要 |
| 社会保険 | 国民健康保険・国民年金 | 働き方によって異なる |
「フリーランス=個人事業主」と思われがちですが、厳密には異なります。フリーランスは働き方を表し、個人事業主は税務上の分類です。フリーランスとして働く場合も、継続的な収入があれば個人事業主として開業届を提出するのが一般的です。
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個人事業主のメリット・デメリット
個人事業主として起業することには、手軽さや税制面での利点がある一方で、責任やリスクの面で注意すべき点もあります。ここでは、個人事業主の具体的なメリット・デメリットをくわしく解説します。
個人事業主のメリット:手軽さと税制上の利点
個人事業主として起業する主なメリットは以下の4つです。
- 開業手続きのかんたんさ:開業届の提出だけで事業開始が可能
- 税制上の利点:青色申告特別控除や各種節税制度の活用
- 会計処理の簡素化:法人に比べて決算処理がかんたん
- 意思決定の迅速性:株主総会等の手続きが不要で自由度が高い
個人事業主の最大の魅力は手軽さです。税務署に開業届を提出するだけで無料で事業をはじめられ、青色申告によって最大65万円の特別控除も受けられます。
法人と違って株主総会や複雑な決算処理が不要なため、事業方針を自由に変更でき、会計ソフトがあれば初心者でも経理業務に対応可能です。
赤字時の3年間繰越控除や、小規模企業共済による節税効果も魅力といえるでしょう。
個人事業主のデメリット:リスクと制約
個人事業主には、以下のようなデメリットがあります。
- 無限責任のリスク:事業債務に個人財産で責任を負う
- 社会的信用の限界:法人に比べて取引先からの信用度が低い
- 社会保険制度の制約:国民健康保険・国民年金で保険料が高額
- 税制上の不利な面:所得税率は累進課税で最高45%まで上昇
個人事業主の大きなデメリットは無限責任です。事業の借入金や債務に対して個人財産で責任を負うため、事業失敗時のリスクが大きくなります。また、大手企業との取引で信用を得にくかったり、金融機関からの融資を受けにくかったりする場合もあります。
社会保険料も国民健康保険・国民年金で会社員より高額になりがちで、年収が上がると所得税率も最高45%まで上昇するため、税負担が重くなる点も注意が必要です。
個人事業主に向いている人・業種
個人事業主には、次のような人が向いているといえます。
- 初期費用をおさえて起業したい人
- 小規模でスタートして様子を見たい人
- 事業内容が頻繁に変わる可能性がある人
- 家族経営を考えている人
- 副業からはじめて本業に移行したい人
適している職業は次のとおりです。
- コンサルティング業
- デザイナー・クリエイター
- プログラマー・エンジニア
- 個人向けサービス業(整体、美容など)
- 小売業(ネットショップなど)
- 士業(税理士、行政書士など)
個人事業主として成功するには、「小さくはじめて大きく育てる」という考え方が重要です。最初は低リスクでスタートし、事業が軌道に乗ったら法人化を検討する段階的なアプローチが効果的です。
法人のメリット・デメリット
法人設立は個人事業主に比べて手続きが複雑で費用もかかりますが、社会的信用度や税制面での優遇など、多くのメリットがあります。一方で、維持費用や管理の手間といったデメリットも存在します。
法人化のメリット:信用力と節税効果
法人化の主なメリットは以下の5つです。
- 社会的信用度の向上:取引先や金融機関からの信頼獲得
- 税制上の優遇措置:法人税率や役員報酬による節税効果
- 責任範囲の限定:有限責任で個人財産を保護
- 資金調達の多様化:株式発行や投資家からの出資
- 福利厚生制度の充実:社会保険加入や退職金制度の導入
法人化により社会的信用度が大幅に向上し、大手企業との取引や金融機関からの融資を受けやすくなります。税制面では年収800万円を超えると法人税率の方が有利になり、役員報酬には給与所得控除も適用されます。
また、出資額の範囲内でしか責任を負わない有限責任制により個人財産を保護でき、株式発行による資金調達や充実した福利厚生制度も大きな魅力です。
法人化のデメリット:コストと手続きの負担
法人化のデメリットは、次のとおりです。
- 設立費用と維持費用:株式会社で約25万円(資本金除く)、年間維持費は約7万円~
- 事務負担の増加:複式簿記や法人税申告書の作成が必要
- 赤字でも税金が発生:法人住民税均等割が最低約7万円/年
- 規制と制約:会社法による規制や各種届出義務がある
法人化には相応のコストと手間がかかります。設立時には、株式会社なら最低約25万円、合同会社でも約10万円(資本金除く)の費用が必要です。また、利益が出なくても年間最低7万円の住民税均等割を支払う必要があります。法人設立・維持にかかる費用は次のとおりです。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 | |
| 設立費用 | 定款認証手数料 | 1.5~5万円 | 不要 |
|---|---|---|---|
| 定款印紙代 | 4万円(電子定款は0円) | 4万円(電子定款は0円) | |
| 登録免許税 | 15万円 | 6万円 | |
| その他(印鑑作成等) | 約3万円 | 約3万円 | |
| 維持費用 | 住民税均等割(年間) | 7万円~ | 7万円~ |
| 税理士費用(年間) | 20~50万円 | 20~50万円 | |
複式簿記による帳簿作成や複雑な法人税申告書の作成など、事務負担が大幅に増加し、会社法による各種規制を受けるため、個人事業主に比べて自由度が制限される面もあります。
法人化に向いている人・業種
法人化に向いている人は次のとおりです。
- 年間利益が800万円を超える見込みがある人
- 事業拡大や従業員の雇用を予定している人
- 取引先との信頼関係を重視する人
- 投資家からの資金調達を考えている人
- 節税効果を最大化したい人
適している業種は以下のとおりです。
- IT・システム開発業
- 建設・工事業
- 製造業
- 卸売・小売業(規模の大きい事業)
- 人材派遣・紹介業
- 医療・介護サービス業
法人化のタイミングは、年間利益800万円がひとつの目安です。ただし、業種や将来の事業計画によって最適なタイミングは異なります。税制改正も頻繁にあるため、専門家への相談をおすすめします。
「ドリームゲート」には、法人化を目指す方をお手伝いするプロの専門家が多数在籍しています。無料のメール相談もあるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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起業形態別の費用・信用力・資金調達力の比較
起業形態を選ぶ際は、設立費用・税金・社会保険・信用力など、多角的な視点から比較検討することが重要です。ここでは、具体的な数値を用いて各形態の特徴を比較します。
設立費用・維持費用の比較
起業時の初期費用と継続的な維持費用を正確に把握することで、資金計画を立てやすくなります。設立にかかる費用を以下の表にまとめて比較しました。
| 項目 | 個人事業主 | 株式会社 | 合同会社 |
| 開業届・登記 | 0円 | 15万円(登録免許税) | 6万円(登録免許税) |
|---|---|---|---|
| 定款作成・認証 | 不要 | 1.5~5万円 | 0円(電子定款) |
| 定款印紙代 | 不要 | 4万円(電子定款なら0円) | 4万円(電子定款なら0円) |
| その他(印鑑等) | 約3千円 | 約3万円 | 約3万円 |
| 初期費用合計 | 約3千円 | 約23~27万円 | 約9~13万円 |
年商500万円と仮定した場合の、年間維持費用は次のとおりです。
| 項目 | 個人事業主 | 株式会社・合同会社 |
| 所得税/法人税 | 約33万円 | 約75万円 |
|---|---|---|
| 住民税等 | 約38万円 | 7万円(法人住民税均等割)+約5万円(法人税割) |
| 事業税 | 約10万円 | 約19万円 |
| 社会保険 | 約60万円(国民健康保険・国民年金) | 約50~120万円以上(健康保険・厚生年金) ※役員報酬額によって異なる |
| 会計・申告 | 会計ソフト数千~数万円、税理士顧問料30万円(依頼時) | 税理士顧問料約50万円~ |
| 維持費合計 | 約141万円~ | 約206万円~ |
表からわかるように、個人事業主は設立費用がほぼゼロで、年間維持費用も最小限におさえられます。
一方、法人は設立時に約9~27万円の費用がかかり、年間維持費用も個人事業主の1.5倍となるため、事業規模や収益性を慎重に検討したうえで法人化するかどうかを判断することが重要です。
信用力・資金調達力の比較
信用力・資金調達力において、法人は個人事業主に比べて圧倒的に高い社会的信用を持ちます。法人格があることで登記簿や正式な決算書類が存在し、第三者が客観的に事業状況を評価することが可能です。
一方、個人事業主は個人の信用力に依存するため、とくに大口取引や融資審査の面で不利になりやすいです。法人は銀行融資や株式発行による資金調達が比較的容易で、長期的な成長戦略を立てやすいメリットがあります。
起業形態の選び方:業種・資金・将来性で判断
起業形態の選択は、業種の特性、必要資金、将来の事業計画を総合的に考慮して決定すべきです。ここでは、具体的な判断基準と業種別のおすすめパターンを解説します。
業種別おすすめの起業形態
業種によって、最適な起業の仕方は大きく異なります。リスクレベル、初期投資額、顧客との関係性などを考慮したおすすめの起業形態を紹介します。
まず、「低リスク・小資本業種」は個人事業主からはじめて、事業の成長に合わせて法人化していくのが効果的です。
| 業種 | 特徴 | 法人化のタイミング |
| Webデザイナー | 初期投資少、在庫なし | ・課税所得が800万~900万円を超えるとき ・売上高が1,000万円を超えるとき ・クライアントから法人格を求められる場面が増えてきたとき ・本格的に事業拡大を目指すタイミング |
|---|---|---|
| プログラマー | 技術力重視、設備投資小 | |
| コンサルタント | 知識・経験が資産 | |
| ライター・編集者 | 成果物重視、設備不要 |
共通して「年収や売上がおおむね800万を超えるとき」や「売上高が1,000万円を超えるとき」が法人化のひとつの目安とされ、事業の安定や拡大を踏まえた節税・信用強化の観点から法人化を進めるのがおすすめです。
「中リスク・中資本業種」では、合同会社の設立を検討するとよいでしょう。
| 業種 | 特徴 | 合同会社設立の理由 |
| 飲食店 | 初期投資大、許認可必要 | 設立費用抑制、責任限定 |
|---|---|---|
| 小売業(実店舗) | 在庫リスク、立地重要 | 仕入先との信頼関係 |
| 美容・エステ | 設備投資、資格必要 | 顧客からの信頼向上 |
| 清掃・メンテナンス | 機材投資、契約重視 | 法人取引の信用力 |
「高リスク・大資本業種」の場合、株式会社の設立が推奨されます。
| 業種 | 特徴 | 株式会社設立の理由 |
| 製造業 | 設備投資大、在庫リスク | 資金調達、取引先信用 |
|---|---|---|
| IT・ソフトウェア開発 | 開発投資、人材確保 | 投資家からの資金調達 |
| 建設・工事業 | 機材投資・人材確保、許認可 | 元請との信頼関係 |
| 人材派遣業 | 初期資金、法的要件 | 許認可取得、社会的信用 |
現時点だけでなく、将来の事業計画や成長戦略も見据えて、最適な起業形態を判断することが失敗しないためのポイントです。
資金調達の必要性から考える
事業に必要な資金額と調達方法によって、最適な起業形態が決まります。必要資金別のおすすめ起業形態は次のとおりです。
| 必要資金 | 推奨形態 | 主な調達方法 | 注意点 |
| 100万円以下 | 個人事業主 | 自己資金、親族借入れ | 無理のない範囲でスタート |
|---|---|---|---|
| 100~500万円 | 個人事業主、合同会社 | 日本政策金融公庫、信用保証協会 | 事業計画書の精度が重要 |
| 500~1,000万円 | 合同会社~株式会社 | 銀行融資、投資家 | 返済計画の慎重な検討 |
| 1,000万円以上 | 株式会社 | 複数投資家、銀行団 | 高い信用力と成長性が必要 |
自己資金のみでの起業であれば、個人事業主でも十分可能です。しかし、銀行融資や投資家からの出資を考える場合は、法人化が基本となります。信用力や対外的な印象の面でも、法人が有利となる場面が多くあります。
将来の事業拡大を見据えた判断基準
最初は小さくはじめたい方でも、将来的に従業員を雇ったり、事業を拡大したりする予定がある場合は、法人化を視野に入れるのが得策です。税制面でも、法人の方が優遇される場面が増えます。
個人事業主から法人化するタイミングと手続き
事業を個人事業主ではじめたあとに、あるタイミングで法人化するのは一般的な流れです。売上や利益の状況を見ながら、法人化する適切なタイミングを見極めましょう。ここでは、法人化の目安と手続きについて解説します。
法人化すべき売上・利益の目安
法人化を考える目安としてよく挙げられるのが「年間売上1,000万円」や「利益800万円」程度です。
個人事業主は、売上1,000万円を超えると翌々年から消費税の納税義務が発生しますが、法人化することでこのカウントがリセットされ、免税期間を新たに得ることが可能になるためです。
また、利益(課税所得)が800万円を超える場合も、法人化を検討する大きな目安です。個人事業主は所得税が累進課税で、最大45%の税率が適用されることがありますが、法人税は最大でも約23%と低いため、節税効果が期待できます。
法人化の手続きと必要書類
法人化の際には、定款の作成や登記など、複数の手続きが必要です。とくに株式会社を設立する場合は、公証役場での定款認証が求められるため、事前準備が重要になります。
法人化に必要な具体的な手続きは、以下のとおりです。
- 会社の基本事項を決める:商号(会社名)、本店所在地、事業目的、資本金、役員構成、事業年度など設立の基本事項を決定
- 法人用の実印を作成する:法人の代表印(実印)を作成
- 定款を作成し、公証役場で認証を受ける:会社の基本ルールをまとめた定款を作成し、公証人による認証を受ける(合同会社の場合は不要)
- 資本金の払い込み:発起人が指定口座に資本金を払い込み、払込証明書や通帳のコピーを準備
- 登記申請書類の作成:設立登記に必要な書類を用意
- 法務局に登記申請:会社の所在地を管轄する法務局に書類一式を提出し、申請する
- 登記完了の通知:書類に不備がなければ1週間~10日ほどで登記が完了
- 登記後の各種手続き:税務署や都道府県、市区町村への届出、労働保険・社会保険の加入手続きなどをおこなう
法人化の際に必要な書類は次のとおりです。
- 設立登記申請書
- 定款(謄本)
- 登録免許税納付用台紙
- 発起人決定書(発起人議事録)
- 代表取締役の就任承諾書・取締役の就任承諾書
- 取締役の印鑑証明書
- 印鑑届書
- 出資金の払込証明書
- 登記すべき事項を記録・保存した書面や記録媒体(書面やCD-Rなど)
法人化の手続きや書類作成は煩雑なため、専門家のサポートを利用するのもおすすめです。「ドリームゲート」では、専門家が手続きや書類作成を担当し、法人化がスムーズに進むようサポートします。
法人化時の注意点と失敗例
法人化すると、社会保険の加入義務や会計処理の複雑化など、新たな負担が発生します。節税効果だけを見て法人化を判断すると、かえって経費が増える結果になることもあるため注意が必要です。
法人化の際の注意点と失敗例は、次のとおりです。
| 注意点 | 内容 |
| 会社形態の選択ミス | 事業規模や信用度、運営コストを考慮せずに選ぶと、後で不都合が生じることがある。 |
|---|---|
| 資本金の設定不備 | 資本金が少なすぎると銀行融資や取引で不利になることがある。一方、必要以上に多くすると税金や会計処理が複雑化するリスクもある。 |
| 事業目的の範囲が広すぎる | 会社設立時に事業目的をあまりにも広範囲に設定すると、後の変更時に手続きや費用が発生し、余計な負担となる。 |
| 社会保険の加入義務の理解不足 | 法人化にともない社会保険(健康保険・厚生年金)の強制加入が義務付けられ、コストが増加。 |
| 設立後の税務届出や手続き漏れ | 法人設立後も税務署等への各種届出を漏れなくおこなわないと、罰則や追徴課税が発生するリスクがある。 |
失敗例としては、「資本金が足りず売上拡大に必要な融資が受けられない」や「社会保険料負担を甘く見ていたために経営が圧迫された」といったものがあります。
トラブルを防ぐために、設立前に事業計画や資金計画を十分に立て、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。
個人事業主・法人の違いを知って、最適な形態で起業しよう
個人事業主や株式会社、合同会社といった起業形態の選択は、事業の方向性を左右する大きな決断です。自分の業種、資金調達の方法、将来の展望をしっかり見据え、最適な形でスタートすることが成功のカギとなります。
それぞれの違いを把握して、焦らず比較・検討を重ね、自分に合った起業スタイルを選びましょう。「ドリームゲート」には、起業に関する専門家が多数在籍しています。専門家の意見を聞くことで、現状に合った起業形態を選びやすくなります。
無料のメール相談もご用意しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局
ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
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