20代の女性を集めてリサーチ、マーケティングに協力 / 株式会社アイプレス

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

株式会社アイプレス 野田亜友弓さん

将来の自分のためにも、女性が長く働ける場所をつくりたい」
想いを実現するために、大学4年生で1円起業にて独立

株式会社アイプレス 野田亜友弓さん
 

 野田さんは、現在2つのビジネスを展開している。
ひとつは、起業時から手がけてきたホームページ制作などのWeb関連事業。
もうひとつは、今年から開始したリサーチ事業「チームお嬢」だ。

名古屋に住まう20代の女性を集めてリサーチを行い、商品開発やマーケ ティングなどに協力するという、若い女性ならではの視点を活かしたビジネスと言えるだろう。

大学4年生で起業家の道を歩み始めた野田さんだが、もともとは公認会計士を目指していたという。

「小さい頃から、結婚しても子供を生んでもずっと働き続けたいと思っていましたが、就職活動前に社会人の先輩から話を聞いて、今の日本の一般企業では難しいと気付いたんです。
長く働いていける職業について考えた結果、会計士になろうと思いまして。

大学3年生の終わり頃には、就職内定先の会計事務所でアルバ イトを始めました。
このとき、ホームページ制作を担当したため、 Web関連のスキルを独学で身につけていきましたね」

アルバイトを続けてスキルアップしていくなか、所長の勧めで異業種交流会へ参加することに。
勉強のためと思って出席したが、これがきっかけで独立を考えるようになる。

「気軽に参加してみたところ、その場でホームページ制作の仕事が1本決まってしまったんです。
私自身、ホームページ制作を楽しいと感じるようになっていたこともあり、
『これなら自分でやっていける!』と考えるようになりました。

やっぱり、将来の自分のために働く場所を確保したい気持ちが強かったんですよね。
思い切って独立したいと所長に話したら、応援してくれることになりました。

当時は大学4年生でしたから、『学生起業のほうが注目度も高いのでは?』と考え、
そのまま会社を設立することにしたんです」
 

ビジネスプランコンテストへの出場で、今後やるべきことが明確になった

2005年、野田さんは1円起業で株式会社アイプレスを設立する。
当初からホームページにて仕事の受注をしていたため、顧客がどんなキーワードで 自社ホームページに辿り着くのかを調べようと考えた。

アクセス解析をしたところ、「女性」や「女性向け」というキーワードに惹かれてやって来る顧客が多い と気付く。

「アレ?と思いました。お客さまに直接尋ねてみたら、
『会社に女性がいないため、外部の女性の声を反映させたかった』
と答える方がほとんどなんです。

女性 というキーワードの重要性に気付きましたね。
今まで女性であるがゆえに仕事に対してコンプレックスを抱いていましたが、
逆に長所に変えていけるとも思ったんです。
この頃から『チームお嬢』のビジネスについて考えるようになり、周りの友人に声をかけ始めました」

挑戦者祭の存在を知ったのも、ビジネスを発想したこの頃のことだった。
知人の女性起業家から参加を勧められたという。

「野心があったわけではなく、せっかくだからトライしてみようかなという、ごく軽い気持ちでしたね。
情報をいただいたのが応募締め切りの当日でしたから、 ビジネスプランも固まっていませんでした。
そのため、応募書類には、事業名とどんな活動をしたいかを書く程度でしたが、
ライバルになりそうな会社を自分で 調べたことで、それまでは漠然としていた方法論や
手順などが明確になりましたね。
自分の中で少しずつビジネスが形になっていったと思います」

同時に「チームお嬢」専用のホームページも作成。

ビジネスプランコンテスト出場までに少しでも多くの女性会員を集めようと考えて、
会員申し込みの専用フォームをつく り、知人にも会員を紹介してもらえるよう声をかけていった。
予選には、100人の会員を集めて臨んだが、惜しくも本選進出を逃し、悔しさに涙を流した。

「悔しさはありましたが、人前でのプレゼンを経験したことで、いい勉強ができました。
何もかも初めてのことで、何をどうすればいいのかまったく分からない 自分でしたが、実際に経験したことでやるべきことが見えましたね。
他の方のプレゼンも参考になりましたし、やってみてわかることって、たくさんあるんだな と感じました。
また、審査員の方と話したことで、自分のプランが人からどう見られるのか、客観的に知ることができたと思います」
 

事業プランが固まったことで、「チームお嬢」を始動させることに

ビジネスプランコンテスト出場の直後、野田さんは「チームお嬢」のビジネス展開を開始した。
知人やこれまでの顧客にプランの説明をし、賛同を得ていったという。

「実は、このプランを発想した当初には、
『今の仕事に飽きたらやってみよう。最初のうちはボランティアでいい』
と考えていたんです。

根本的な方向性で迷っ ていたため、ビジネスとして展開することに迷いがあったんですよね。
会員をたくさん集めて『量』を取るべきか、1人ひとりの意見を掘り下げて『質』を取るべきか、という迷いです。
『チームお嬢』は、女性の意見をもっと活かしたいと願う私自身の理想でしたから、本音では『質』を取りたい。

かといって、それではビジネスとして通用しないのかもしれない、と。

でも、2人の審査員の方にまったく別の意見をいただいたことで、ふっきることができましたね。

『一万人は必要』との意見と、
『少人数の深い意見が大切』という意見を聞き、
人によってこんなにも考え方が違うものなのか、と気付きました。

おかげで、 『やっぱり自分の想いを追求しよう!』と思うことができたんです。
挑戦者祭へ出場したことで、事業の方針やプランそのものが固まり、実現へと向かうことができました」

現在では、受注する仕事の7割がホームページ制作、3割が『チームお嬢』関連だ。
会員数も300名弱まで増え、総菜の商品企画やサプリメントのお試しリサーチ、美術館の女性集客のためのリサーチなど、手がける内容は多岐に渡る。

「専用ホームページもリニューアルしましたし、会員へ貢献できるようにシステムの見直しも続けています。
会員のみなさんには、任意でお願いしているため、 調整がなかなか難しいんですよね。
飲食店10%オフなどの特典をつけた会員カードを作ったり、協賛企業を探したり、会員が交流できるお茶会を開いたりしています。
まだまだ会社も自分自身も完成されていないので、これからも試行錯誤しながらやっていくつもりです!
私の目標は、女性が働きやすい社会をつくるこ と。
『チームお嬢』は、その第一歩なんです。
このビジネスを鍵にして、さらに新しいビジネスを展開していこうと思います」

野田亜友弓さんプロフィール

株式会社アイプレス 野田亜友弓さん

1983年愛知県生まれ。大学3年時に、就職内定先の会計事務所にてアルバイトをし、ホームページ制作を担当。Web関連のスキルを独学で身につける。
翌年、異業 種交流会出席時に、ホームページ制作の仕事を受注したことで、独立を決意。
2005年、1円起業にて株式会社アイプレスを設立。
同年11月に、リサーチビ ジネス『チームお嬢』を構想し、知人の勧めでドリームゲートグランプリへ応募。
2006年、予選出場後、『チームお嬢』をビジネスとして展開。

会社概要

設立/2005年3月
資本金/1円
 

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