2018年10月22~24日虎ノ門ヒルズで行われた第6回イノベーションリーダーズサミット(ILS2018)のメインイベント、大企業とスタートアップのマッチングプログラム「パワーマッチング」において、大企業から人気のスタートアップ「ILSTOP100」をご紹介します。

AI×脳科学で“未来予測”を可能に――。
ディ―プラーニングに代わる新技術「epiRobo」

企業紹介

執筆者: 松元 順子  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

脳の海馬の仕組みをアルゴリズム化。
一歩先行くAI技術で独自性を確立

事業や製品・サービスの紹介

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現在は、空前のAIブームで数多くの企業が人工知能開発に参入している。しかし、その大半はディ―プラーニングを用いたものだ。一方、株式会社ロボケンが開発した独自のAI技術「epiRobo(エピロボ)」は、他社の技術とは一線を画す学習アルゴリズムとなっている。

「epiRobo」は、“エピソード記憶”という人間の記憶の仕組みを応用した技術。“エピソード記憶”を司っているのは脳の海馬という部位で、海馬は「記憶」だけでなく「想像」にも関わるといわれている。この“エピソード記憶”を編集することで、環境の変化に迅速に対応し、未来予測可能な学習アルゴリズムを実現したのが「epiRobo」だ。その新規性と可能性の高さに多くの企業が注目している。

また、同社では株価を予測する「投資AI」も開発中。既存のAIを活用した投資サービスは、企業の財務状況や業績状況のデータをもとに分析するファンダメンタル分析が主流となっている。

しかし、同社の「投資AI」は、独自の指標に基づいた株価の時系列データから分析する。運用会社向けから個人まで幅広く応用可能で、現在の的中率は約8割。今後さらに研究を進め精度を上げていくというフェーズだ。

新規性と汎用性の高さが注目され、
大手企業からの引き合い多数

対象市場と優位性

「epiRobo」は、ディ―プラーニングやQラーニングなどの機械学習とは異なる仕組みを用いている。その最たる特長は、過去に学習したエピソードを活かして“未来予測”ができることだ。

例えば、AIを迷路攻略ゲームに実装した場合、単にキャラクターがゴールに到達できるようにするだけなら既存の強化学習でも可能だ。しかし、「ミサイルが飛んでくる」といった急な環境の変化には対応できなかった。対して「epiRobo」は、過去に学習したゴールまでの行動パターンをエピソードとして記憶。過去のエピソードを想起することで、環境の変化に対応しながら最適な方法を導き出すことができるという。

「epiRobo」の優位性は何といってもその汎用性の高さにある。自然言語会話、数値予測、行動予測に秀でているため、介護ロボットやゲーム、自動家電、フィンテックなど、幅広い分野への活用が可能だ。医薬品の臨床結果報告書作成への導入など、医療・製薬分野の業務効率化ツールとしても期待されている。

ILS(イノベーションリーダーズサミット)への参加により、大手自動車メーカー、家電メーカー、システムインテグレーターなど、名だたる企業からオファーを受けている。ほかにも、大手百貨店、航空関連子会社、広告代理店などからアプローチされるなど、引く手あまたの状況だ。

AIで人間の脳を100%再現し、
難解な課題を解決する!

事業にかける思い

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同社代表の寺田宗紘氏は、元システムエンジニア。学生時代からAIの研究をしていたことから、市場の成長性に着目し、2014年1月にロボケンを設立した。まずは、開発のための人材と資金を確保するため、SES(システムエンジニア派遣事業)からスタート。1年半ほどで、事業が軌道に乗り始めたのを機に、本来目指していたAI開発事業にシフトした。

2015年からAIに関する研究会をスタート。2016年5月に横浜国立大学、同年12月に東京工業大学と産学連携を開始した。そして2017年1月、脳科学の研究者である青田佳士氏をCTOとして迎え入れたことがブレークスルーのきっかけとなった。

青田氏は、理化学研究所「脳科学総合研究センター」や横浜国立大学大学院の研究職を経て同社にジョインした経歴の持ち主で、エピソード記憶に関する論文を数多く執筆している。寺田氏が築き上げた開発力に脳科学の専門性が新たに加わったことで、独自のAI技術「epiRobo」が誕生したのだ。

「将来的には海馬だけでなく、前頭前野など脳の各パーツの機能すべてをアルゴリズム化し、人間の脳を100%再現したい。そうやって高精度のAIをかたちにできれば、人間だけでは解決が難しい問題に取り組むことが可能になるでしょう。私たちの技術でAIの汎用性をさらに高め、よりよい社会づくりに貢献したいと思っています」

株式会社ロボケン
代表者:寺田 宗紘 氏 設立:2014年1月
URL:http://robo-ken.jp/ スタッフ数:65名(パート・アルバイト含む)
事業内容:
人工知能の研究開発、システム開発
これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名:
株式会社アルコパートナーズより2500万円
アース環境サービス株式会社より5000万円
ILS2017 大手企業との商談数:
10社

当記事の内容は 2018/2/15 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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