日本発のステレオカメラによる立体画像認識を、
近い将来、世界の自動運転のキーデバイスに!

企業紹介

執筆者: 東 雄介 編集:菊池 徳行(ハイキックス)

ステレオカメラ技術を用いた
超高速3次元画像認識システム

事業や製品・サービスの紹介

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ITD Lab株式会社は、車の自動走行のキーデバイスとして「ステレオカメラ」を展開しようとしている。ステレオカメラとは、2つのカメラによる三角測量の要領で、物体との距離や形を3次元的に認識する技術だ。

安全な自動運転を実現するには、周囲の立体物の位置や相対速度などを計測するセンシングの技術がきわめて重要になる。従来、当該分野ではステレオカメラのほか、単眼カメラ、レーザー、ミリ波などが実用化されていた。なかでもメインストリームはコスト面で優位性のある単眼カメラ。しかし単眼カメラの場合、距離の検出に人工知能を用いた画像解析をする必要があり、人間が片目でモノをみるとき同様の「錯覚」が起きる可能性があるという。

対して、立体画像が得られるステレオカメラであれば、より容易に、また確実な距離の測定が可能になるとされる。同社が提供するのは、このステレオカメラ技術を用いた超高速3次元画像認識システム「SRIM」だ。

創業は2016年。これまでにベンチャーキャピタルなどから2億円を調達していることが、その期待度を物語る。中心人物は、かつて富士重工業の安全支援技術「アイサイト」のコア技術を発明した實吉敬二氏(同社会長)。同社のステレオカメラの製品自体は2017年に完成したばかりだが、いずれはIP(知的財産)ビジネスとして様々な業種にライセンス提供していく目論見だ。

「人間の目」同等の立体視が可能。
ロボットやドローンへの活用にも期待

対象市場と優位性

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實吉氏は、富士重工,東京工業大学で30年に渡り研究を続けてきたステレオカメラ技術の第一人者だ。ヨーロッパのボッシュ、コンチネンタル、オートリブといったヨーロッパの3大自動車メーカーをはじめ、ステレオカメラの開発を進める競合も存在するが、その30年間の蓄積が同社の優位性になっている。

例えば画像処理の速さと精度だ。これは全機能を1つのFPGA(製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路)に収めて小型化してことが寄与している。また同じ理由から他社製品のステレオカメラに比べて安価だという。技術的にハードルが高いのは2つのカメラそれぞれから得られる画像のズレを電子的に合わせる技術だが、これも特許を押さえてある。

いってみれば、「人間の目」さながらの立体視が可能なステレオカメラである。用途は自動運転車に止まらない。實吉氏によれば、人型ロボットやドローン、建設機械、ロボットハンドなど、「人間の目」と同等の機能を要する全てのカメラにとってかわるポテンシャルを秘めるという。

そう考えれば、潜在的な市場規模は巨大だ。想定されるクライアントは、自動車メーカーやそこに納入する部品メーカーなどが多い。海外展開も見越して、すでに中国に子会社を立ち上げ、中国人社員を置いている。

ステレオカメラの技術を世界に!
一般道での自動運転実現に自信

事業にかける思い

富士重工で「アイサイト」のコア技術を開発した實吉氏。しかし自動車会社1社にステレオカメラが囲い込まれることがもどかしくもあった。大学に戻り研究を続け、もうじき定年を迎えようとしていたところ、かつての教え子である小倉明宏社長と邂逅、事業化に向けて動き出すことに。

「私自身、経営は不得手。仲間のおかげで、あれよあれよと会社が立ち上がったという感じですね。それに『アイサイト』の実績がある分、ベンチャーキャピタルの評価も高かった。ベンチャーとしては恵まれていたかなと思います。様々な企業からも声がかかるようになって、今はワクワクしています」

2025年には完全自動運転車が一般道を走るといわれているが、現状では高速道路における自動運転が限界。しかし實吉氏は自信たっぷりだ。

「ステレオカメラは、ほかのセンサーに比べて複数の立体物の形や相対速度の計測に優れていて、たとえば商店街の人混みのなかでもすり抜けられる。高速道路のみならず、一般道でも使えるセンサーはまず、ステレオカメラしかないと私は思っています」

ITD Lab株式会社
代表者:實吉 敬二 氏 設立:2016年5月
URL:http://itdlab.com/ スタッフ数:15名
事業内容:
ステレオカメラ技術を用いた超高速3次元画像認識システム
これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名:
非公表
ILS2017 大手企業との商談数:
8社

当記事の内容は 2018/2/6 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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