同窓会にスポンサーがついたら超お得!?
オリジナル「幹事代行サービス」が今話題!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 松元 順子  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

同窓会側とスポンサー双方の
ニーズを満たすビジネスモデル
展開している事業の内容・特徴

20160719-1案内状の発送や会場の手配、当日の運営など、同窓会幹事の負担は大きい。思うように人が集まらなかったり、キャンセルで赤字になったりするリスクも生じる。そんな幹事が抱える悩みを解決することで、新たな市場を掘り起こすことができるのではないか――。そうした考えから、同窓会を軸とした独自のビジネスモデルを構築したのが、笑屋(しょうや)代表の真田幸次氏だ。

「当社が展開するのは、“コミュニティビジネス”です。その中でも、過去のコミュニティに特化しており、主に同窓会やOB会などのイベントプロデュ―スと、同窓会専用SNSの提供という2つの事業を行っています」(真田氏)。

一般的な幹事代行サービスと同じく、企画から当日の運営までをサポートし、そこからのマージンを収益としているが、最大の違いは、場合によっては同窓会にスポンサーが付く点にある。同社と提携するスポンサー企業は、現在20社~30社。参加者の年代や職種などに応じて、同窓会とスポンサー企業との仲介を行っているのだ。

例えば、30代、40代の子育て世代には、学習塾や子ども向け英会話教室などの教育関連会社が、大学医学部の同窓会には、輸入車販売店や不動産投資会社がスポンサーに名乗り出る、といった具合である。一つの同窓会に複数のスポンサーが付くこともあり、過去には参加者の会費が無料になったケースもあったという。

企業スポンサーが付くことで、同窓会側は、企業から資金や運営面でのサポートを受けられる。スポンサー側は、ターゲット層に合わせた商品やサービスを効果的にPRできる。そして、スポンサーフィーの一部が同社の手数料収入となるという、まさに「三方良し」の仕組みとなっている。

「会費を抑えることができれば参加者も増える」と利用者から好評を博し、リピーターが徐々に増加。現在、年間で500~600件の同窓会やOB会などのイベントプロデュ―スを展開している。

同窓会イベントとSNSの融合で、
世の中に新たな価値を提供する
ビジネスアイディア発想のきっかけ

20160719-2真田氏は大学卒業後、大手人材派遣会社に就職し、子会社の立ち上げに従事。のちに、起業・独立支援会社勤務を経て、2009年1月に笑屋を設立した。開業資金は会社員時代に貯めた150万円のみだった。学生時代から起業を志していたという真田氏のポリシーは、「オリジナルにこだわること」。このこだわりが、同窓会ビジネスというアイディア発想の原点となっている。

「起業するなら、ゼロからイチをつくりたい。そのほうがエキサイティングだし、企業として成長できる可能性も広がるはず。そう考えて、リサーチをしていくなかで、市場規模が大きくスケールすると見越したのが同窓会事業です。そこにSNSを組み合わせれば、新たなビジネスになるのではと考えました」

同社が掲げるミッションは、「同窓会を通じた、再会の場とコミュニティの創出」。同窓会での再会を機に、新たな仕事や結婚につながる場合も多い。そうした「“人生をより豊かにするきっかけ”をつくることで、世の中に新たな価値を提供したい」との思いから生まれたのが、同窓会専用クローズドSNS「同窓会グラフ」である。

「同窓会グラフ」の特徴は、同窓会終了後も無料で永続的に使用できること。何百人規模の同窓会だと参加者一人ひとりとコミュニケ-ションをとるのが難しいが、同SNSを利用すれば、連絡先がわからない旧友とも写真の共有やメッセージのやりとりが可能となる。さらに、イベント機能を使えば、サークル活動のメンバー募集なども簡単にできる。

自治体と連携し新たなコミュニティを創出。
「地方再生」に貢献できる企業を目指す
将来の展望

20160719-32009年の設立以来、独自の切り口でユニークなサービスやイベントを次々と展開している笑屋。今年3月には、西武鉄道とコラボし、ビール電車内での同窓会イベントを企画した。

また近年、地方自治体による「地域活性化」や「雇用創出」に向けたPRの場として、同窓会が注目を集めている。そうした流れを受け、同社は自治体との協力体制を敷くことで、同窓会を軸とした新たな地方再生ビジネスに乗り出した。

今年2月に開催した、静岡県磐田市に地元出身の30歳を集める大同窓会「三十会(みとえ)」には、全国から約200人が集まった。30歳と言えば、結婚や出産、転職などを考える、人生の節目となる時期。地元企業の求人情報や市の子育て支援制度などについてPRし、Uターンを促す狙いだ。

「三十会(みとえ)」は、過疎化や高齢化に悩む全国の地方自治体に拡大している。新潟県では新潟市と見附市の2市で開催。昨年11月には、群馬県前橋市にて350人規模の同窓会を開催した。「今後は、企業はもとより地方自治体との取引を拡大していくことで、一人でも多くの方に喜んでいただけるサービスを提供したいですね」。

一昔前までは、単なるイベントだった同窓会が、インターネットの発展により、将来性のあるビジネスへと変化した。今後も真田氏は、人と人とのつなぎ役として、かつての仲間が再会することで生まれる、新たな可能性を広げていく。

笑屋 株式会社
代表者:真田 幸次氏 設立:2009年1月
URL:https://syoya.com/ スタッフ数:20名
事業内容:・同窓会に関連するイベント代行サービスおよびインターネットサービス

当記事の内容は 2016/07/19 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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